池田駿介
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池田 駿介(いけだ しゅんすけ、1940年11月11日[1] - 2010年6月11日)は、日本の俳優、モデル。本名は池田 紀生(いけだ のりお)[2]。
いけだ しゅんすけ 池田 駿介 |
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本名 | 池田 紀生 いけだ のりお |
生年月日 | 1940年11月11日 |
没年月日 | 2010年6月11日(69歳没) |
出生地 | 神奈川県川崎市 |
国籍 | ![]() |
民族 | 日本人 |
身長 | 174cm |
職業 | 俳優・モデル |
活動期間 | 1962年 - 2010年 |
活動内容 | 1962年:東映ニューフェイス |
主な作品 | |
テレビドラマ 『風来物語』『刑事さん』 『帰ってきたウルトラマン』 『緊急指令10-4・10-10』 『キカイダー01』『特別機動捜査隊』 |
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神奈川県川崎市出身[3]。身長174cm[4]。法政大学第二高等学校、法政大学卒業[4][2]。SOS(ソサエティ・オブ・スタイル)モデルエージェンシーに所属していた。
目次
来歴・人物編集
殺陣師の大内龍生(大野剣友会創設者大野幸太郎の師匠)の次男[2]。劇団文化座の研究生を経て、1962年に東映ニューフェイス第10期生となる[5][3][2]。同期には小林稔侍・吉田豊明がいた。数本の映画に端役で出演した後、1963年、映画『白い熱球』の野球部員・篠原役で正式にデビューを果たす。
テレビドラマは1963年『戦友』の藤村一等兵役で初出演し(当時の芸名は池田紀生)、『風来物語』の主演を経て『刑事さん』などに出演する[3]。東映を離れ、天知茂に師事。天知主演の『ローンウルフ 一匹狼』や『日本剣客伝』などのドラマに出演した。
1971年、円谷プロダクション制作の『帰ってきたウルトラマン』で南猛隊員を演じ、頼れる兄貴分的な役柄を演じた。その後も『シルバー仮面』『緊急指令10-4・10-10』など特撮作品の出演が続き、1973年には古巣の東映で『キカイダー01』の主役に抜擢される。この当時、32歳で子供向けヒーロー番組の主役を演じるのは異例なことであったが[6]、結果的に成功。このイチロー役は特にハワイで有名で、現地ではまるで神様のような人気と扱いであり、『帰ってきたウルトラマン』にて共演した団時朗に「俺も神様みたいになりたいよ〜!」と羨ましがられていた。
なお、1985年頃に東京・世田谷で「ゼロワン・チェーン」というたい焼きのお店を経営していた事があり、キカイダーファンの巡礼地になっていた事が、雑誌『ファンロード』で池田へのインタビュー記事と共に紹介された事がある。
晩年は主にCMや舞台のほか、『ウルトラマン』『キカイダー』関連のイベントなどで活躍していた。
2010年6月11日午前3時10分、胃癌のため千葉県の病院にて死去[7][8]。69歳没。
2010年6月16日の葬儀では東映の同期であった小林稔侍が弔辞を読み、故人を偲んだ。祭壇には撮影で実際に使われたイチローのヘルメットとトランペットが飾られ、献花の際は『帰ってきたウルトラマン』OP曲がながれ、出棺の際には『キカイダー01』のテーマ曲が流れながら旅立った[9]。生前に「俺が死んだらハワイの海に(骨を)まいてくれ」と語っており[10]、誕生日である11月11日に、ハワイでお別れ会と散骨がおこなわれた。
また『帰ってきたウルトラマン』で共演した団時朗、西田健、『キカイダー01』で共演した伴大介が追悼の辞を雑誌『宇宙船』Vol.129『追悼:池田駿介』の特集記事に寄せている。3人とも偶然にも池田が死去する直前に別のインタビューに答えていた。
2010年7月に放送するはずだった東映チャンネルの『ピンスポ』と2010年8月発売の東映ヒーローMAXのインタビューに答える予定で承諾も得ていたが、収録日予定日だった5月下旬に再入院しそのまま死去したためどちらも叶わなかった[11]。
エピソード編集
特技は柔道(三段)で、高校時代より選手として活躍していた[2]。
書籍『キカイダー賛歌』をキカイダー=ジローを演じた伴大介とともに執筆・出版する為、挨拶を兼ねて石ノ森章太郎の自宅へインタビューに訪れた際に池田は自分のイチローの役作りの至らなさを詫びている。原作ではイチローはジローと正反対のやんちゃで破天荒な所の多い陽気なキャラクターであった。それに対し、池田は鞍馬天狗をモチーフとした、毅然としたヒーロー=イチロー(キカイダー01)像を作り上げていった。だが、後年原作を知り、原作のイチローと自分の役作りで出来上がったイチロー像があまりにもかけ離れていたことにショックと後悔の念があったらしく、ずっと悩んでいたという。それを聞いた石ノ森は「TV作品のキャラクターは役者の個性が生かされてこそ。池田君のイチローは良かった。」と答え、思わず池田は涙してしまったことが本文中で書かれている。
『帰ってきたウルトラマン』共演者である団時朗、西田健、三井恒とは仲が良く、放送当時は四人で遊びに出かけていた[12]。また、『帰ってきたウルトラマン』DVDの制作時に、伊吹隊長役の根上淳を訪れており、当時のことを語り合ううちに、感極まって涙を流している(当初は帰ってきたウルトラマン/郷秀樹の候補の一人だった)。
『魔人ハンターミツルギ』の次男・彗星役の候補にも挙がっていたが、長男・銀河役の水木襄と『緊急指令10-4・10-10』で共演していたため実現しなかった。
晩年、01イチローやMAT南隊員時代のファンから声をかけられる事があると、「気持ちが当時に戻ってシャキッとした自分になる。年をとったイチローや南隊員を見せたくない」と言う気持ちになると語っていた。
出演作品編集
テレビドラマ編集
- 戦友(1963年、NET) - 藤村一等兵
- 風来物語(1964年、NET) - 主演・川島道夫
- ゼロ戦黒雲隊(1964年、NET)
- 乗っていたのは27人(1965年、NET) - 南村刑事
- 特別機動捜査隊(NET)
- 第234話「故郷は美しく」(1966年)
- 第391話「射殺命令707」(1969年) - 松岡
- 第691話「三船刑事死す」(1975年) - 丈二
- 第736話「ガラスの橋」(1975年) - 安西
- (1976年 - 1977年) - 入江刑事
- 鉄道公安36号(1966年、NET)
- 第166話「ハワイ超特急」
- 第184話「怒りの追跡」
- 刑事さん(1967年、NET) - 松原刑事
- キイハンター 第19話 「死者からの電話」 (1968年、TBS) - 渡辺伸夫
- ローンウルフ 一匹狼 第21話「さらばわが友よ」(1968年、NTV)
- 怪奇大作戦 第16話「かまいたち」(1968年、TBS) - 谷刑事
- フジ三太郎 第23話「春が来た・何処に来た?」(1969年、TBS)
- 花王愛の劇場 / 新妻鏡(1969年、TBS) - 山城健三
- 新・日本剣客伝 第3話「伊藤一刀斎」(1969年、NET)
- 東京バイパス指令 第69話「幽霊船」(1969年、NTV)
- おやじは大学一年生(1969年、MBS)
- プレイガール(1969年、東京12チャンネル)
- 鬼平犯科帳(1969年 - 1970年、NET) - 同心・山田市太郎
- 大岡越前 第1部 第14話「地獄の使者」(1970年、TBS) - 足立
- 帰ってきたウルトラマン(1971年 - 1972年、TBS) - 南猛
- 旗本退屈男 第15話「かんざし仇討」(1971年、CX)
- おれは男だ! 第26話「夜明けのVサイン!」(1971年、NTV) - 相沢高校理事長
- シルバー仮面ジャイアント 第24話「標的はあなた!!」、第26話「アンドロメダ2001」(1972年、TBS) - 秋山浩
- 刑事くん 第2部 第44話「愛はまぼろしか」(1972年、TBS) - 和田
- 緊急指令10-4・10-10(1972年、NET) - 花形一平
- 荒野の用心棒 第3話「兇弾は女地獄に炸裂して…」(1973年、NET) - 近藤
- キカイダー01(1973年 - 1974年、NET) - 主演・イチロー / キカイダー01(声)
- 旗本退屈男 第22話「潮風に紅い血が騒ぐ」(1974年、NET) - 弥次吉
- 隠密剣士 突っ走れ! 第14話「暗闇首領を斬る信太郎」(1974年、TBS) - 葉隠れ伝十郎
- ザ・ボディガード 第22話「蒸発妻」(1974年、NET) - 上野一郎
- 非情のライセンス(NET)
- 第2シリーズ 第9話「兇悪の口紅」(1974年) - 西川
- 第2シリーズ 第74話「兇悪のフェニックス」(1976年) - 治
- 闘え! ドラゴン 第24話「空手チャンピオンを狙え!!」(1974年、12CH) - 山津波 / 五条慎一
- 破れ傘刀舟 悪人狩り (NET)
- 第26話「生きていた女」(1975年)
- 第120話「秘薬の謎をあばけ」(1977年) - 弥七
- 正義のシンボル コンドールマン(1975年、NET) - 三矢堅介
- ザ★ゴリラ7 第1話「武装強盗団」(1975年、NET) - 遊佐トオル
- 徳川三国志 第5話「南海のあばれ竜」、第6話「白昼の三十六人斬り」(1975年、NET) - 加賀爪甲斐
- 痛快! 河内山宗俊 第12話「ぬれ手に油の三万両」(1975年、CX) - 三杉屋番頭
- お耳役秘帳 第7話「女やもめの花が散る」(1976年、KTV) - 黒駒番助
- 事件ファイル110 甘ったれるな 第14話「涙なんか流さない」(1976年、TBS) - 川口
- 新・座頭市 第1シリーズ 第3話「潮来の別れ花」(1976年、CX) - 浪人
- 大江戸捜査網(12CH)
- 第253話「涙で斬った地獄花」(1976年) - 仁助
- 第291話「いのち笛を吹く殺し屋」(1977年) - 佐吉
- プロレスの星 アステカイザー(NET) - ジャガー春木
- 第13話「二人のアステカイザー」(1976年)
- 第25話「サタン・デモンの逆襲!!」、第26話「鷹よ! 栄光のリングへはばたけ」(1977年)
- 秘密戦隊ゴレンジャー 第83話「オレンジ色の初恋!! 吼える大都会」(1977年、NET) - 醍醐次郎(ダイガー仮面)
- 快傑ズバット 第25話「荒神山 涙の別れ」(1977年、12CH) - 吉良崎直也
- 土曜ワイド劇場(ANB)
- 水戸黄門 (TBS)
- 野望(1977年 - 1978年、ANB) - 松本市郎
- スターウルフ 第16話「二つの顔のサイモナイト」(1978年、YTV) - パルス副官
- 消えた巨人軍(1978年、NTV) - 喫茶店マスター
映画編集
- ひばりの母恋いギター(1962年、東映) - 青年会C
- 特別機動捜査隊(1963年、東映) - 赤沼修一
- 白い熱球(1963年、東映) - 篠原栄一
- 銃殺(1963年、東映) - 木島一等兵
- 一万三千人の容疑者(1966年、東映) - 内原進一
- 非行少女ヨーコ(1966年、東映) - 「ヘイゼル」のボーイ
- 遊侠三代(1966年、東映) - 副官
- 超高層のあけぼの(1969年、東映) - 大原課員
- ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟(2006年、松竹) ※友情出演
オリジナルビデオ編集
舞台編集
- 英國少年園 (2002年、新宿シアターサンモール) - ピーター・ヘイズリット
- シンドバットの大冒険2003 (2003年、府中の森芸術劇場) - 魔神島の長老 ゼロウォン
CM編集
- 東芝 - 東芝のお店
- 東京ディズニーランド - オープニング
- 花王 - 風呂水ワンダー
- ゼビー
- スパリゾートハワイアンズ
- 菊正宗
- アデランス - 定年記念旅行編 信澤三惠子の夫役
著書編集
- キカイダー賛歌(1997年、伴大介 共著、発行 東西企画、発売 星雲社、ISBN 4795239649)
脚注・出典編集
- ^ 『宇宙船』Vol.129『追悼:池田駿介』文中より
- ^ a b c d e 『福島民報』1971年6月8日付朝刊、7面。
- ^ a b c 『読売新聞』1967年5月21日付朝刊、10面。
- ^ a b 『日本タレント名鑑'73』 VIPタイムズ社、1972年、15頁。
- ^ 東映の友 1962年 4月号 45頁。
- ^ 翌年の『ウルトラマンレオ』では、やはり31歳の森次晃嗣が隊長役、同年の『おもちゃ屋ケンちゃん』では27歳の岸久美子がお母さん役を演じている。当時の30代はれっきとした中年であったが、池田は明るく若々しいイメージで演じている。
- ^ 【訃報】「キカイダー01」の池田駿介さん、胃がんのため逝く 日テレNEWS24 2010年6月14日閲覧
- ^ 池田駿介氏死去 俳優 共同通信 47NEWS 2010年6月13日閲覧
- ^ 『宇宙船』Vol.129『追悼:池田駿介』文中より。
- ^ 池田駿介さん告別式…同期の小林稔侍「何とも言えない気持ち」- 日テレNEWS24、2010年6月16日より。
- ^ 2010年、東映ヒーローMAX,8月号より
- ^ 『福島民友』1971年5月26日付朝刊、8面。