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沖縄科学技術大学院大学(おきなわかがくぎじゅつだいがくいんだいがく、英語: Okinawa Institute of Science and Technology Graduate University (OIST) )とは、沖縄県国頭郡恩納村字谷茶に本部を置く5年一貫制の博士課程を有する大学院大学である。

沖縄科学技術大学院大学

OIST logo.png

設立 2011年11月1日
学長 ピーター・グルース
研究ユニット数 59
教員数 61名
職員数 813名
予算 198億円 (2014年度)
状況 2011年平成23年)10月24日設置認可
2011年平成23年)11月1日学校法人設立
学校種別 日本国政府が運営資金を提供する特別な私立
設置者 学校法人沖縄科学技術大学院大学学園[1]
本部所在地 沖縄県国頭郡恩納村字谷茶1919番地1北緯26度27分55.2秒 東経127度49分46.8秒 / 北緯26.465333度 東経127.829667度 / 26.465333; 127.829667座標: 北緯26度27分55.2秒 東経127度49分46.8秒 / 北緯26.465333度 東経127.829667度 / 26.465333; 127.829667
キャンパス メインキャンパス
沖縄県国頭郡恩納村字谷茶
シーサイドハウス
沖縄県国頭郡恩納村字恩納
ホームページ http://www.oist.jp/ja

沖縄科学技術大学院大学学園法に基づく学校法人沖縄科学技術大学院大学学園 により運営され、予算のほぼ全額を政府からの補助金に拠っている[2]。現在は、神経科学数学計算科学化学分子細胞発生生物学環境生態学物理学海洋科学に大別される7分野で学際的な研究を行っている[3]

目次

沿革編集

沖縄科学技術大学院大学の設置に向けた歩みは、2001年尾身幸次内閣府特命担当大臣沖縄・北方対策科学技術政策担当)(当時、2013年から本学理事を務め、2018年名誉博士)が沖縄に国際的な大学院大学を設置する構想を提唱したことに端を発する。その後、構想検討会及び国際顧問会議における検討を経て、2002年5月、沖縄復帰30周年記念式典において、小泉純一郎内閣総理大臣(当時)が設置構想の推進を表明するに至り、続いて、同年7月に策定された沖縄振興計画において、本構想が沖縄振興施策の柱の一つに位置付けられた。2003年4月には大学院大学の建設予定地として恩納村が選定され、2004年2月に本構想の先行事業となる研究事業 Initial Research Project(IRP)として、4件のプロジェクトが選定された。

2005年3月、大学院大学構想の推進主体を設立する独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構法が成立し、同年9月に同機構が発足した。機構の理事長にはノーベル賞受賞者のシドニー・ブレナーが就任した。

2009年7月には、沖縄科学技術大学院大学学園法が可決成立した[4]。同法により、大学院大学の設置主体として、学校法人が設立されることとなった。2011年10月の文部科学大臣認可を経て、11月1日付で学校法人沖縄科学技術大学院大学学園 (Okinawa Institute of Science and Technology School Corporation) が成立した。名称は、同じく学校法人である放送大学学園とは異なり「学校法人」が正式名称に入る。

恩納村におけるキャンパスの整備については、2007年3月より造成工事が進められ、翌2008年、第1研究棟とセンター棟の建設が着工した。2010年3月に同施設の供用が開始され、それまでうるま市の研究施設で進められてきた研究活動は恩納村に移転した。

大学院大学編集

大学院大学は2012年9月に最初の学生34人(うち日本人は5人)を受け入れた[5]。一人の教員が少人数の学生を指導する体制となる。教員及び学生の半数以上は外国人となり、教育研究は英語で行われる。学生には研究生活に必要な支援が提供され、研究に集中できる環境が整えられる。また、博士課程においては、授業とラボ研究のバランスが重視される。

キャンパス編集

  • メインキャンパス
沖縄県国頭郡恩納村字谷茶1919番地1
恩納村キャンパス全体の敷地面積は約222ヘクタール、内メインキャンパスは約80ヘクタールである。
  • シーサイドハウス
沖縄県国頭郡恩納村字恩納7542番地
国際ワークショップやセミナーの用途に用いられる。旧・白雲荘。

研究者及び研究ユニット編集

大学院大学には、ノーベル賞(生理学・医学賞)受賞者のシドニー・ブレナーを始め、著名な科学者が複数在籍している。日本を代表する生物学研究の第一人者である佐藤矩行や、分子遺伝学分子生理学の分野において優れた業績を挙げ、2011年度の文化勲章を受章した柳田充弘、著名な物理学者で、理化学研究所播磨研究所のX線自由電子レーザー施設「SACLA」におけるCバンド主加速器の建設を統括した新竹積等が名を連ねている。

大学院大学では、神経科学数学計算科学化学分子細胞発生生物学環境生態学物理学海洋科学に大別される研究分野において研究が行われており、現在59の研究ユニット[1]が発足している。

研究ユニットを率いる教員は以下のとおりである。

  • ゴードン・アーバスノット 行動の脳機構ユニット
  • マヘッシュ・バンディ 構造物性相関研究ユニット
  • トマ・ブーギニョン 進化ゲノミクスユニット
  • トーマス・ブッシュ 量子システム研究ユニット
  • ピナキ・チャクラボルティー 流体力学ユニット
  • ケシャヴ・ダニ フェムト秒分光法ユニット
  • エリック・デシュッター 計算脳科学ユニット
  • 銅谷 賢治 神経計算ユニット
  • エヴァン・エコノモ 生物多様性・複雑性研究ユニット
  • イエジュン・フォン 電子・量子磁性ユニット
  • エリオット・フリード 数理力学と材料科学ユニット
  • 福永泉美 知覚と行動の神経科学ユニット
  • グスタボ・ジョイア 連続体物理学研究ユニット
  • イゴール・ゴリヤニン 生物システムユニット
  • 氷上 忍 数理理論物理学ユニット
  • 石川 裕規 免疫シグナルユニット
  • ジュリア・クスヌディノワ 錯体化学・触媒ユニット
  • 河野 恵子 膜生物学ユニット
  • 北野 宏明 統合オープンシステムユニット
  • デニス・コンスタンチノフ 量子ダイナミクスユニット
  • ベアン・クン 光学ニューロイメージングユニット
  • 楠見 明弘 膜協同性ユニット
  • パオラ・ラウリーノ タンパク質工学・進化ユニット
  • ニコラス・ラスカム ゲノム・遺伝子制御システム科学ユニット
  • 丸山 一郎 情報処理生物学ユニット
  • 政井 一郎 神経発生ユニット
  • アレキサンダー・ミケェエブ 生態・進化学ユニット
  • ジョナサン・ミラー 物理生物学ユニット
  • 御手洗 哲司 海洋生態物理学ユニット
  • ヤーシャ・ネイマン 量子重力ユニット
  • シーレ・ニコーマック 光・物質相互作用ユニット
  • 岡田佳憲 量子物質科学ユニット
  • ファビアン・パウリー 量子輸送と電子状態理論ユニット
  • シモーネ・ピゴロッティ ⽣物学的複雑性ユニット
  • ヤビン・チー エネルギー材料と表面科学ユニット
  • ダニエル・ロクサー 分子遺伝学ユニット
  • 佐藤 矩行 マリンゲノミックスユニット
  • 佐瀨 英俊 植物エピジェネティクスユニット
  • ニック・シャノン 量子理論ユニット
  • エイミー・シェン マイクロ・バイオ・ナノ流体ユニット
  • 新竹 積 量子波光学顕微鏡ユニット
  • ウルフ・スコグランド 構造細胞生物学ユニット
  • ムックレス イブラヒム・ソーワン ナノ粒子技術研究ユニット
  • グレッグ・スティーブンズ 理論生物物理学ユニット
  • 髙橋 智幸 細胞分子シナプス機能ユニット
  • 田中 富士枝 生体制御分子創製化学ユニット
  • 谷 淳 認知脳ロボティクス研究ユニット
  • ゲイル・トリップ 発達神経生物学ユニット
  • アナスタシヤ・ツヴェットコヴァ 多様体のトポロジーとジオメトリーユニット
  • マリルカ ヨエ・ウーシサーリ 神経活動リズムと運動遂行ユニット
  • ディヴィッド・ヴァン・バクター 神経結合の形成と制御研究ユニット
  • 渡邉 寛 進化神経生物学ユニット
  • ジェフ・ウィッケンス 神経生物学研究ユニット
  • マティアス・ウォルフ 生体分子電子顕微鏡解析ユニット
  • 山本雅 細胞シグナルユニット
  • 柳田充弘 G0細胞ユニット
  • 杉山(矢崎) 陽子 臨界期の神経メカニズム研究ユニット
  • 横林 洋平 核酸化学・工学ユニット
  • イェ・ジャン 生体模倣ソフトマターユニット

大学院大学の運営編集

理事会編集

学校法人の意思決定機関として理事会が設置されている。

理事会は大学院大学の学長を選任し、学長は学校法人の理事長を兼務する。大学の日常的な運営は理事会より学長に委任されている。さらに、理事会は、学園の副理事長を兼ねる大学院大学の上級副学長を任命する。 初代学長兼理事長には国際的な物理学者であり、SLAC国立加速器研究所(旧スタンフォード線形加速器センター)名誉所長のジョナサン・ドーファンが就任している。

予算編集

大学院大学学園は沖縄科学技術大学院大学学園法の規定による特別な学校法人として設置されている。通常の私立学校では、私立学校振興助成法に基づく国による補助(私学助成)が教育又は研究に係る経常的経費の二分の一以内の範囲で行われるが、当大学院大学では、同法に基づき、内閣府が予算の範囲内で運営費の二分の一を超えて補助できることとされている。当初は全額に近い補助が行われることが見込まれるが、同法施行から10年後に財政支援の在り方について見直しが行われることとなっている(同法附則第14条)。

2011年度の政府からの補助金の総額は約119億円であり、これに加え、研究助成金、受託研究、寄付金等による外部資金を獲得している。

参考文献編集

関連項目編集

外部リンク編集