油船203号型

海上自衛隊の支援船の船級で、艦載機用航空燃料を自衛艦に補給する。

油船203号型英語: YG-203 class yard gasoline oiler)は、海上自衛隊の第1種支援船。公称船型は270トン型油船。「あぶらぶね」と訓読みする。 本船型のように航空燃料を扱う油船は「YG」、艦艇用燃料を扱う油船は「YO」と呼称し区別する。このうちYO-28・YO-32は油船28号型に区分されるが、これらは本船型を艦艇燃料用に変更したものであるため、これについても記載する。

油船203号型
油船204号
油船204号
基本情報
艦種 270トン型油船
就役期間 1988年 - 現在
同型艦 7隻 (油船28号型を含める)
前級 油船201号型・油船19号型
次級 最新
要目
排水量 載貨重量270t
全長 37.7m
最大幅 6.8m
深さ 3.6m
吃水 2.6m
主機 ディーゼルエンジン×2基
推進器 スクリュープロペラ×2軸
出力 360馬力
速力 9ノット
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概要 編集

艦艇に対する航空燃料の補給を主眼として、各基地の港務隊に配備されている。油船25号型をベースとして全長を8.8m小型化したうえで、航空燃料(JP-5)を扱うために防火・防爆対策および構造を強化しており、小型鋼船構造設計で船体内に貨油タンクを有し、艦艇に艦載機用の航空燃料を補給する。新規就役・修理艦艇へ補給するため造船所に赴いたり、災害派遣に従事したりすることを想定し、各種法定装備、居住区、フライヤーなどの器具も備えた簡易調理室、食堂、洗面所等を設けており、近海航洋性を有する。船内には空調設備も有するほか、珍しい点としては明かり取りの天窓が食堂に備えられている。また、満載航行時に波が打ち込み船体が沈降することを防ぐため、船首にブルワークを備える[1]

同型船一覧 編集

# 船名 造船所 起工 竣工 配属
退役船は除籍
油船203号型
YG-203 油船203号 石川島造船化工機 1988年5月12日 1988年9月20日 2022年1月20日[2]
YG-204 油船204号 1989年2月16日 1989年7月24日 2022年
YG-205 油船205号 1990年 1990年7月16日 大湊港務隊
大湊基地
YG-206 油船206号 前畑造船 2006年5月19日 2007年3月20日 横須賀港務隊
横須賀基地
YG-207 油船207号 福島造船鉄工所 2011年 2011年7月4日 佐世保港務隊
佐世保基地
YG-208 油船208号 警固屋船渠 2020年 2022年1月20日[2] 呉港務隊
呉基地
YG-209 油船209号 2022年[1] 舞鶴港務隊
舞鶴基地
YG-210 油船210号 2023年10月予定[3] 大湊港務隊
(大湊呉基地)予定[3]
油船28号型
YO-28 油船28号 四国ドック 1990年2月21日 1990年7月27日 横須賀港務隊
(横須賀基地)
YO-32 油船32号 前畑造船鉄工 1991年7月2日 1992年10月16日 大湊港務隊
(大湊基地)

参考文献 編集

  1. ^ a b イカロス出版 2022, pp. 55.
  2. ^ a b 海人社 2022, pp. 143–144.
  3. ^ a b 海人社 2023, pp. 158.
  • 月刊 世界の艦船 1979年1月号増刊
  • 自衛隊装備カタログ 1981年版
  • 海人社編集部(編)「海上自衛隊・海上保安庁 艦船の動向」『世界の艦船』第975号、海人社、2022年5月、143-144頁。 
  • 菊池雅之(編)「特集 地方隊を行く第2回 舞鶴地方隊」『Jships』第106号、イカロス出版、2022年10月、55頁。 
  • 五老海聖太(編)「新造支援船が相次いで進水」『世界の艦船』第1003号、海人社、2023年10月、158頁。 

関連項目 編集