道南バス洞爺湖温泉ターミナル

北海道洞爺湖町にあるバスターミナル

道南バス洞爺湖温泉ターミナル(どうなんバスとうやこおんせんターミナル)は北海道虻田郡洞爺湖町洞爺湖温泉街にあるバスターミナル道南バスの郊外線・都市間バスが発着する。

道南バス洞爺湖温泉ターミナル

所在地 編集

  • 北海道虻田郡洞爺湖町洞爺湖温泉142番地[1]

概要 編集

 
道南バス洞爺湖温泉ターミナル(2000年8月8日撮影)

停留所名は「洞爺湖温泉」。

洞爺湖町の「洞爺湖観光情報センター」の1階に窓口と待合室が併設されており、定期乗車券やバスカードの発券、都市間バスの予約を取り扱う。

当ターミナル開設当初、ターミナル建屋には「洞爺湖温泉駅」と表示[2]。されていたが、現在は「洞爺湖温泉バスターミナル」と表記が改められている。

現在、ターミナルのバス待合室のりばへバスは「横付け停車」にて客扱いを行っているが、開業当初はターミナルに設置された頭端式ホームにより客扱いを行っていた[2]

本建物は、道南バスが、当地にて観光開発するために創立した子会社「道南観光開発株式会社」[3] [4] が、1970年(昭和45年)5月開業させた日帰りレジャー施設「洞爺サマーランド」 [5]であり、その施設の一部としてバスターミナルが造られた。

1968年(昭和43年)、虻田町の温泉小学校跡地[6]払い下げを期に同地を取得しバスターミナル建設の運びになるが、膨らんでしまった日帰りレジャー施設の計画が、「レジャー施設の中のバスターミナル」という形になって開業してしまった[3]。案の定、サマーランドの営業は数年ともたず、「洞爺サマーランド」は1972年4月24日会社側により休館となってしまった[4]

サマーランド営業休止後のターミナル建物は、バスターミナルのみ営業の状況が、有珠山1977年-1978年噴火後まで続く。

有珠山の噴火沈静化後になって、やっとバスターミナルの階上部分を旧・虻田町が取得し活用することになる。噴火鎮静後の1978年(昭和53年)、バスターミナル隣接地に噴火の歴史を残すために開館された「虻田町立火山博物館」[7][8]が、同年10月発生して泥流災害で被災、開館半年にて全損。その移転先として旧・サマーランド施設が浮上、1981年(昭和56年)より[7]旧・サマーランドの2階部分が改装の上「虻田町立火山科学館」として使用開始する [9]2007年(平成19年)、有珠山の2000年噴火による泥流被害により被災した旧・洞爺湖温泉小学校跡地に「洞爺湖ビジターセンター」が完成[7]し、同建物に併設される形で移転するまで「火山科学館」として利用された。

火山科学館移転後の空きスペースは、2008年(平成20年)北海道洞爺湖サミットに於ける日本政府の現地本部とするために改修の上利用されることになる[10][11][12]

サミット終了後の2009年、「洞爺湖観光情報センター」として再び活用されることとなった。施設内には洞爺湖温泉観光協会、洞爺湖町役場洞爺湖温泉支所[13]、洞爺湖町商工会洞爺湖温泉支所[14]等が入居している他、3階には「北海道洞爺湖サミット記念館[15]」が開設された[16][17][18]

その後、2015年ターミナル施設を改修している[19]

乗り入れ路線 編集

2016年10月1日現在。いずれも道南バス[20]


かつては、共同運行をおこなっていた各路線が存在し、ターミナルへ乗入れしていたが、現在他社による乗入れ路線はない。

函館バスと共同運行した函館-洞爺湖温泉線、北海道中央バスと共同運行した新千歳空港-洞爺湖温泉線 の各路線は路線廃止。
じょうてつと共同運行を行っていた札幌-洞爺湖温泉線は、じょうてつが路線から運行を撤退。


一階バスターミナルの敷地内にて、北海道交運事業協同組合(HKグループ)系札幌交通洞爺営業所(洞爺ハイヤー)が営業所を構えている。

脚注・参考文献 編集

  1. ^ 道南バス 乗車券販売所一覧”. 2014年12月1日閲覧。
  2. ^ a b 険しい道南バス再建 閉鎖されたままの洞爺サマーランド。この売却が債券返済のカギになっている=洞爺湖温泉 1976/07/02掲載 - フォト北海道 道新写真データベース 北海道新聞。資料ページ写真内、ターミナル建屋写真の「雪印バター・チーズ」看板の下に「洞爺湖温泉駅」の表示がある。「道南バス」社は、旧社名「道南乗合」時代、戦時統合により洞爺湖電気鉄道(のちの洞爺湖自動車)を統合している。かつて、バスターミナルの近在地に電鉄の旧・洞爺湖駅駅舎が所在した。また、同社「洞爺湖温泉-洞爺駅」線は、国鉄時代の時刻表に「マル連」表記があり連絡運輸が行われていた。また、ターミナル構内では、ターミナル建屋に向かって右斜めに設置された各方面別プラットホームにて客扱いを行っていた
  3. ^ a b 土谷幸久「第7章 室蘭素描:独立単位体・単位体についての考察 - §7-5 独立単位体としての道南バス」『オートポイエーシス的生存可能システムモデルの基礎的研究』〈早稲田大学 博士 (人間科学), 乙第1811号〉2003年。 NAID 500000270706https://hdl.handle.net/2065/3679 )。この論文によると「道南観光開発」社は、「洞爺サマーランド」事業のために道南バスが資本金5000万円で設立した子会社で、役員には同社の取締役等が就任とのこと。なお、この資料内において、「洞爺湖の観光需要自体が、夏季しか客を呼べない地域でありこと」「地元温泉業者の反対で宿泊施設を併設することもできず、その意味でも致命的計画を実施してしまった」「この投資は、2年後に9億8000万円の累積負債をかかえ破綻するに至るこの投資失敗は、1975年の道南バス倒産へ導くこととなる資金難へ口火を切ることになる」と解説している。
  4. ^ a b 1972年4月24日(月)道南観光開発(株)[虻田町] - 北海道倒産INDEX。資料ページによると、「道南観光開発」が1972年経営破綻した時の本社所在地は、室蘭で、資本金8500万円だったとのこと。
  5. ^ 1972年4月24日(月)道南観光開発(株)[虻田町] - 北海道倒産INDEX。資料ページによると、「洞爺サマーランド」は、「道南バス」社が「道南観光開発」社を通じて10億円投資し開業した日帰りレジャー施設とのこと。
  6. ^ 北海道地質研究所報告第82号(2011)資料「鳥瞰図に見る洞爺湖温泉街の変遷」 - 地方独立行政法人北海道立総合研究機構。資料によると、この旧々・温泉小学校跡地(=現在のバスターミナル)の場所は、戦時統合により道南乗合となる以前の洞爺湖電気鉄道によりゴルフリンクが運営されていた一角である。なお、戦時統合前となる洞爺湖電鉄時代、「観光ホテル」(昭和4年開業(昭和5年の公式記録に「温泉クラブ」の名で洞爺湖電鉄が施設所有していた記録が残っている)・2016年12月現在所在する同名施設と同位置)を経営し「電鉄系の源泉」井戸を所有していたとのこと、洞爺湖電鉄社も源泉開発に協力していたとの記録が残っている。なお、統合後の「道南乗合」社・「道南バス」社と「観光ホテル」との間での関わり合いが、どのような変遷を辿ったかについては不明である。
  7. ^ a b c 支笏洞爺国立公園関連年表 - 北海道地方環境事務所 - 環境省。「1981年 昭和56年 火山博物館移転」とあるが、「火山科学館」の誤りである。
  8. ^ 火山科学館の見学を終えて帰る洞爺湖温泉小学校のお友だち 1978/06/18掲載 - フォト北海道 道新写真データベース 北海道新聞
  9. ^ 洞爺湖温泉の火山科学館 虻田町立火山科学館 1981/12/12掲載 - フォト北海道 道新写真データベース 北海道新聞
  10. ^ 洞爺湖サミット 報道陣3000人 拠点どこに? 地元の旧火山館も浮上 通信機能、宿泊所が条件 <有力はこちら>旧火山科学館=胆振管内洞爺湖町 2007/04/25 - フォト北海道 道新写真データベース 北海道新聞
  11. ^ <北海道洞爺湖サミット2008>洞爺湖町の旧火山科学館 政府の現地本部に 洞爺湖サミットで日本政府の現地本部となる旧洞爺湖町立火山科学館 2007/11/27掲載 - フォト北海道 道新写真データベース 北海道新聞
  12. ^ <北海道洞爺湖サミット2008>外務省 現地事務所準備進む 改修で政府のサミットロゴマークも入った旧町立火山科学館 2008/05/14掲載 - フォト北海道 道新写真データベース 北海道新聞
  13. ^ 窓口案内 - 町政情報 - 洞爺湖町
  14. ^ 洞爺湖町商工会について - 洞爺湖町商工会
  15. ^ 北海道洞爺湖サミット記念館 - 洞爺湖観光 - 洞爺湖町
  16. ^ 洞爺湖町の旧火山科学館が観光情報センターに”. 室蘭民報 (2009年2月17日). 2014年12月1日閲覧。
  17. ^ サミットの成果ひと目、洞爺湖に記念館オープン”. 室蘭民報 (2009年4月21日). 2014年12月1日閲覧。
  18. ^ 洞爺湖温泉観光協会 温泉街マップ”. 2014年12月1日閲覧。
  19. ^ バスターミナル改修完了 観光情報センター 乗車券の販売再開 改修が完了し、道南バス乗車券販売を再開した洞爺湖観光情報センター1階のバスターミナル 2015/04/28掲載 - フォト北海道 道新写真データベース 北海道新聞
  20. ^ 道南バス 郊外路線バス各バス停時刻表 洞爺湖温泉” (PDF). 2014年12月1日閲覧。


外部リンク 編集