浜松駅

静岡県浜松市中央区砂山町にある東海旅客鉄道の駅

浜松駅(はままつえき)は、静岡県浜松市中央区砂山町にある、東海旅客鉄道(JR東海)東海道新幹線および東海道本線である。東海道本線の駅番号CA34遠州鉄道新浜松駅と相互乗換駅である。

浜松駅
北口駅ビル「メイワン」(2018年8月)
はままつ
Hamamatsu
地図左は新浜松駅
所在地 浜松市中央区砂山町6-2
北緯34度42分12.33秒 東経137度44分3.85秒 / 北緯34.7034250度 東経137.7344028度 / 34.7034250; 137.7344028座標: 北緯34度42分12.33秒 東経137度44分3.85秒 / 北緯34.7034250度 東経137.7344028度 / 34.7034250; 137.7344028
所属事業者 東海旅客鉄道(JR東海)
電報略号 ハツ
駅構造 高架駅
ホーム
  • 2面2線(新幹線)
  • 2面4線(在来線)
乗車人員
-統計年度-
24,970人/日(降車客含まず)
-2021年-
開業年月日 1888年明治21年)9月1日[1][2]
乗入路線 2 路線
所属路線 東海道新幹線
キロ程 257.1 km(東京起点)
掛川 (27.8 km)
(36.5 km) 豊橋
所属路線 CA 東海道本線
駅番号 CA  34 
キロ程 257.1 km(東京起点)
CA33 天竜川 (4.4 km)
(5.3 km) 高塚 CA35[* 1]
乗換 新浜松駅遠州鉄道鉄道線
備考
  1. ^ この間に貨物駅として西浜松駅有り(当駅から2.0 km先)。
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南口(2012年5月)

東海道本線の運行形態の詳細は「東海道線 (静岡地区)」を参照。

概要 編集

東海道新幹線と東海道本線が乗り入れる浜松市の中心駅であり、新幹線・在来線間の乗換駅としても機能している。

隣接する遠州鉄道新浜松駅と合わせて、静岡県西部の拠点駅としても機能している。

新幹線は、「こだま」の全列車が毎時2本と、「ひかり」が毎時1本停車する。また、朝・夜に当駅発着の「こだま」が設定されている。

在来線は、日中は静岡方面が毎時4本、豊橋方面が毎時3本運転され、普通列車の多くが当駅で乗り換えとなる。また、通勤客向けに当駅と静岡間を結ぶホームライナーが設定されている。特急列車は寝台特急サンライズ瀬戸」「サンライズ出雲」の下り列車が停車する。上りは運転停車で乗降はできない。

JR浜松駅の事務管コードは、▲520127となっている[3]

歴史 編集

 
明治末期の駅前
 
周辺の白黒空中写真(1965年8月)
国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

年表 編集

機関車交換駅時代 編集

1949年5月20日に東海道本線静岡 - 浜松間の電化が完成すると、浜松駅は電化区間の境界となり、東京方面の電気機関車と名古屋方面の蒸気機関車との付け換えが行われるようになった(戦前では沼津駅でのそれが知られる)。これに伴う長い停車時間は、浜松駅に以下のような「名物」を生むことになった。

1953年7月21日に浜松 - 名古屋間の電化が完成すると機関車交換駅の役割は終わりを告げた。ただし、「ハモニカ娘」はその後も駅の名物として1969年まで営業を続け、乗客に親しまれた。なお、楽曲や映画でも『僕は特急の機関士で』の「東海道の巻」や『喜劇 駅前弁当』などで「ハモニカ娘」が取り上げられている。

新幹線駅併設 編集

東海道新幹線の計画段階では、市の南部を通過し新幹線駅を在来線の浜松駅ではなく、国鉄浜松工場付近に設置する予定であった(南線案)。しかし、この案では市の通過する区間がすべて土盛りとなり、南北の交通が分断されるなど浜松市にメリットがほぼないとして、市は新幹線駅を浜松駅に併設し、浜名湖の中間を渡る対案(北線案)を要望した。この対案も通過地域からの反発や浜名湖の漁業補償がより増大すること等もあったため、国鉄の静岡工事局の坂本局長は一旦両案を白紙に戻し、現東海道線の高架化を見据えたコース(坂本私案)を提案した。この案は新幹線駅が東海道線と80メートル離れてはいるが市案の希望をほぼ満たす現状のルートとなった。しかし、浜松駅に併設としたことで商店の密集する地域を通過することから、用地買収が非常に難航した。また、駅前広場の設置についても、市や地権者と国鉄側で協議が難航し、決着までにかなりの時間を要した[12]

東海道線の高架化以前は、新幹線ホームがカーブで建設されているのに対し、在来線ホームは直線のホームとなっていて、駅構内の西側で急なカーブを描く線形となっていたため、在来線ホームと新幹線ホームの間に大きな隙間が生じることとなり、在来線ホームの高架化が完成するまでかなり長い距離の跨線橋により連絡することになった(航空写真の画像を参照)。

東京 - 浜松間の普通列車 編集

国鉄時代は東京 - 浜松間の普通列車が1日に何本か設定されていたが、JR化後の1988年に消滅した。1972年から1988年まで、当駅は東海道本線で東京から発着する昼行普通列車の最西端駅だった(いわゆる「大垣夜行」(ムーンライトながら)は除く。1972年以前は昼行でも東京 - 大垣間などの普通列車があった)。

現在では高速バスがこれらの普通列車に取って代わる存在となっており、東海道上り方面では、東名ハイウェイバス(昼行便)の東京駅行き「東名ライナー」の他、2005年12月に運行を開始した夜行便の「ドリーム静岡・浜松号」を皮切りに東京方面への高速バスが運行されている。

駅構造 編集

新幹線・在来線ともに高架駅である。

在来線 編集

島式ホーム2面4線を有する。4番線(下り本線)の外側に通過線(下り1番線)を持つ。両方向には2本ずつ電留線が配置されており、当駅で始発・終着となる列車の組成や簡単な整備などが行われている。

また西側の電留線から上り本線を介し、浜松運輸区西浜松駅への引き上げ線が分岐する。

駅長駅員配置駅(直営駅)である。管理駅として、東海道本線の天竜川駅高塚駅舞阪駅の3駅を管理している。

軌道道床スラブ軌道を広範囲に使用していることが特徴である。浜松駅と同時期に高架化した静岡駅は極僅かな区間に限られている。

改札口は2か所設置されている。このうちメイワン口改札は、新幹線在来線乗り換えコンコースの在来線側に設置されており、駅ビルメイワン」を経てアクトシティ浜松連絡通路へつながっている。近距離用の自動券売機が設置されている。自動改札機のみで有人通路はないが、駅係員がいることが多く非自動化券を持っている場合は業務用通路から出場の便宜を図ってもらえることがある。いったん「メイワン」の2階に入る構造になっているが、メイワン営業時間外でも改札口の利用時間であれば利用できる。

のりば 編集

番線 路線 方向 行先 備考
1・2 CA 東海道本線 上り 静岡沼津方面 当駅始発の一部は3・4番線
3・4 下り 豊橋名古屋方面  

(出典:JR東海:駅構内図

  • 外側の1・4番線が本線で、内側の2・3番線が副本線(待避線)である。

新幹線 編集

相対式ホーム2面2線を有する。中央の2線は通過線(本線)となっており、西側から浜松工場への引き上げ線が分岐している。上下ホームとも、両端に各車系ごとの停車位置表示がある。

ホームの発車標はソラリー式が使用されていたが、2010年11月におよそ1か月間の試用期間を経てLED式に変更され、同時に自動放送も変更された。

のりば 編集

番線 路線 方向 行先
5   東海道新幹線 上り 東京方面
6 下り 新大阪方面

(出典:JR東海:駅構内図

コンコースは大小2つの展示ブースとして、浜松に拠点を構える河合楽器製作所(KAWAI)・ヤマハスズキの3社が、1988年から1年ごとに持ち回りで自社製品の展示を行う[13]。以下はその展示品。

駅弁 編集

自笑亭が販売している[16]。主な駅弁は下記の通り[17]

  • 三ヶ日牛ごぼうしぐれ&プチうなぎ弁当
  • しらす弁当
  • 浜の釜めし
  • 浜松三ヶ日牛弁当
  • 喧嘩凧
  • 浜松三ヶ日牛&遠州しらす弁当
  • 出世大名 家康くん弁当
  • 浜の釜めし
  • 赤飯弁当

利用状況 編集

「静岡県統計年鑑」によると、2021年度(令和3年度)の1日平均乗車人員24,970人である[18]。これはJR東海の駅では名古屋、東京、新大阪、金山、静岡、京都、豊橋に次ぎ第8位で、静岡県内の駅では第2位である。

1993年度(平成5年度)以降の推移は以下のとおりである。

乗車人員推移
年度 1日平均
乗車人員
出典
1993年(平成05年) 33,896 [18]
1994年(平成06年) 24,748
1995年(平成07年) 35,858
1996年(平成08年) 36,491
1997年(平成09年) 35,607
1998年(平成10年) 35,309
1999年(平成11年) 34,821
2000年(平成12年) 35,187
2001年(平成13年) 35,666
2002年(平成14年) 35,738
2003年(平成15年) 36,364
2004年(平成16年) 37,766
2005年(平成17年) 36,549
2006年(平成18年) 37,250
2007年(平成19年) 37,496
2008年(平成20年) 37,298
2009年(平成21年) 35,177
2010年(平成22年) 34,934
2011年(平成23年) 35,047
2012年(平成24年) 35,494
2013年(平成25年) 36,197
2014年(平成26年) 35,440
2015年(平成27年) 36,345
2016年(平成28年) 36,756
2017年(平成29年) 37,258
2018年(平成30年) 37,594
2019年(令和元年) 37,026
2020年(令和02年) 22,496
2021年(令和03年) 24,970

駅周辺 編集

 
北口駅前

北口 編集

南口 編集

隣の駅 編集

東海旅客鉄道(JR東海)
  東海道新幹線(各列車の停車駅は列車記事参照)
掛川駅 - 浜松駅 - 豊橋駅
CA 東海道本線
特別快速・新快速(以上は豊橋駅まで各駅停車)・快速(上り到着列車のみ)・区間快速(下りのみ運転、岡崎駅まで各駅停車)
浜松駅 (CA34) - 高塚駅 (CA35)
普通
天竜川駅 (CA33) - 浜松駅 (CA34) - 西浜松駅(貨)- 高塚駅 (CA35)

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 浜松駅設置時点では、内閣直属の鉄道局。その後の組織変遷の詳細は鉄道省を参照。

出典 編集

  1. ^ 「TOPIC PHOTOS」『鉄道ピクトリアル』第38巻第12号、電気車研究会、1988年12月号、92頁。 
  2. ^ a b c d 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』JTB、1998年、22頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  3. ^ 日本国有鉄道旅客局(1984)『鉄道・航路旅客運賃・料金算出表 昭和59年4月20日現行』。
  4. ^ “ホーム延伸工事進む 「こだま」の一部16両化で”. 交通新聞 (交通協力会): p. 2. (1972年1月13日) 
  5. ^ 「高架化工事が相次ぎ完成」『交通新聞』交通協力会、1979年10月12日、2面。
  6. ^ 「JR年表」『JR気動車客車情報 89年版』ジェー・アール・アール、1989年8月1日、142頁。ISBN 4-88283-110-4 
  7. ^ a b 浜松市史 五 第四章 国際化の進展と新たな課題 第六節 交通・通信 第一項 JR東海 自動改札機の導入”. 浜松市立中央図書館 浜松市文化遺産デジタルアーカイブ. 2017年5月31日閲覧。
  8. ^ 「外装イメージ一新 JR東海 浜松駅南口改良工事が完成」『交通新聞』交通新聞社、1996年3月1日、3面。
  9. ^ 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '98年版』ジェー・アール・アール、1998年7月1日、184頁。ISBN 4-88283-119-8 
  10. ^ 「JR御殿場駅、浜松駅にエレベーターなど新設」『交通新聞』交通新聞社、2001年3月16日、3面。
  11. ^ ハーモニカの雑学 ヤマハ
  12. ^ 「東海道新幹線工事誌」編集 日本国有鉄道 静岡幹線工事局 1965年3月 p.90,229
  13. ^ “浜松駅の企業展示一新 楽器メーカー2社「音楽のまち」演出”. 静岡新聞. (2017年7月22日). オリジナルの2017年10月11日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20171011073517/http://www.at-s.com/news/article/economy/shizuoka/383118.html 2017年10月11日閲覧。 
  14. ^ ピアノとアーティストそれぞれにスポットを当てた展示を浜松駅コンコースにて実施 - 河合楽器製作所ニュースリリース 2014年7月11日
  15. ^ 浜松駅コンコース JR東海道新幹線 浜松駅内にあるコンコースは 地元の企業3社によって毎年趣向を凝らした展示を展開しています。”. ヤマハ株式会社. 2016年8月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月12日閲覧。
  16. ^ “100年企業 宿る精神(3)自笑亭 屋号の思いを駅弁に”. 中日新聞 (中日新聞社). (2011年8月18日)
  17. ^ 『JTB時刻表 2024年3月号』JTBパブリッシング、2024年、43,165頁。 
  18. ^ a b 6.鉄道運輸状況(JR)” (xls). 長期時系列【統計年鑑編】(県・市町村の変遷~商業). 静岡県. 2024年1月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月19日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集