海上保安庁音楽隊
海上保安庁音楽隊(かいじょうほあんちょうおんがくたい、英語: Japan Coast Guard Band)は、海上保安庁に置かれている音楽隊である。
沿革
編集海上保安庁の初代長官である大久保武雄の働きかけにより[1]、旧海軍軍楽隊の出身者などを募り1951年(昭和26年)1月に「海上保安庁音楽隊」(旧)が36名編成で発足した。しかし、1952年(昭和27年)に海上自衛隊の前身にあたる海上警備隊が海上保安庁内に設置されたことに伴い、この音楽隊は同年7月に海上警備隊に移管されて「海上警備隊音楽隊」となった。さらに同年8月には保安庁設置によって海上保安庁から独立した警備隊の音楽隊になり、1954年(昭和29年)7月の防衛庁(自衛隊)発足で「海上自衛隊音楽隊(後の海上自衛隊東京音楽隊)」になった。
「海上保安庁音楽隊」(旧)の移管から36年後の1988年(昭和63年)4月1日、海上保安庁創設40周年を機に、新たに現在の「海上保安庁音楽隊」(新)が発足した。
代 | 氏名 | 在任期間 | 備考 |
---|---|---|---|
10 | 東智伸 | 2009年4月1日- | |
12 | 三谷聡史 | 2015年4月- | |
13 | 佐野和也 | 2016年4月- | |
14 | 須田雅美 | 2017年4月- | |
15 | 和田隆徳 | 2022年4月- |
活動
編集自衛隊の音楽隊員が音楽演奏を主業務とする(専務隊)のに対して、海上保安庁の音楽隊員は一般の業務に従事しながら音楽隊の活動を行う[2](兼務隊)。関東圏を中心に年間20回ほどの演奏活動を行っている[3]。海上保安庁殉職者追悼式や海上保安大学校卒業式など庁内の式典で演奏するほか、定期演奏会や広報行事などで一般向けの演奏も行う[4]。また、下記のように国家行事での演奏実績もある。
東京都江東区青海の国土交通省青海総合庁舎内に訓練場を持つ[5]。演奏時に着用する制服としては、第1種演奏服、第2種演奏服(甲)及び第2種演奏服(乙)の3種が設けられている。
演奏実績
編集採用
編集音楽隊員としての採用は行っていない。海上保安学校または海上保安大学校を卒業して通常の海上保安官として入庁後、音楽隊を希望すれば、数年の現場業務の後に音楽隊に配属される場合もある。音楽隊の任期が終了すると、再び全国の海上保安業務の現場に復帰することになる。
教育期間を短縮できることから楽器の経験者が優遇される傾向にあり、2016年には担当楽器の経験がある事務官が音楽隊員に選出された[2][9]。
脚注
編集- ^ “海上保安庁音楽隊の歴史”. 海上保安庁. 2019年4月12日閲覧。
- ^ a b “海上保安レポート 2021年版 / 海上保安官の仕事 > 目指せ! 海上保安官”. 海上保安庁. 2022年4月3日閲覧。
- ^ 須田雅美. “音楽隊長挨拶”. 海上保安庁. 2019年4月12日閲覧。
- ^ “演奏実績(令和元年~4年)”. 海上保安庁. 2022年4月3日閲覧。
- ^ “音楽隊トピックス -平成31年3月1日-”. 海上保安庁 (2019年3月1日). 2019年4月11日閲覧。
- ^ “米国コーストガード音楽隊演奏会”. 海上保安庁. 2019年4月13日閲覧。
- ^ “海上保安庁音楽隊 海上自衛隊東京音楽隊ジョイントコンサート~海を舞台に、共に荒波を越えて~”. 海上保安庁. 2019年10月30日閲覧。
- ^ “即位の礼「祝賀御列の儀」”. 海上保安庁. 2019年12月17日閲覧。
- ^ 米田堅持 (2016年5月23日). “海保:音楽隊に初の女性事務官 即戦力の打楽器担当”. 毎日新聞. 2016年5月23日閲覧。