濱野智史

人物編集

麻布高校慶應義塾大学環境情報学部卒業。同大学院政策・メディア研究科修士課程修了。2005年より国際大学GLOCOM研究員。2006年より株式会社日本技芸リサーチャー。2011年から千葉商科大学商経学部非常勤講師。

インターネットコミュニティの研究を専門としており、大学院在学中の2004年東浩紀主催のメールマガジン「波状言論」に「アメリカのblog・日本の2ちゃんねる―テキストサイトの現在(3)」を発表しデビュー。その後、ised@glocom のスタッフを務め、2008年NTT出版より著書『アーキテクチャの生態系』を上梓した。同書ではミクシィツイッターセカンドライフ2ちゃんねるなどの様々なネットサービスに触れながらそれらをアーキテクチャという観点から分析し、第25回テレコム社会科学賞を受賞した[1]ニコニコ動画の動画やケータイ小説といったコンテンツについての考察(N次創作、操作ログ的リアリズムなど)も行われ、それらは大塚英志の物語消費論や東のデータベース消費論を発展させた議論といえる[2]

2011年夏頃から、宇野常寛小林よしのり中森明夫らの影響によりアイドルグループAKB48(およびそのメンバーである島崎遥香)のファンとなり[3][4]、同一CDを数十枚単位で購入するほどに至っている[5]。以降、彼らとともにAKB48について評論した『AKB48白熱論争』やAKB48と宗教の関係について論じた『前田敦子はキリストを超えた 宗教としてのAKB48』を出版するなど、アイドルに関する論評を積極的に行っている。さらに、AKB評論家の中でも宇野と並び指原莉乃を擁護する意見を言う『親指原』としても知られている。

2014年6月に「アイドルを作るアイドル」をコンセプトとしたアイドルグループ「Platonics Idol Platform」を結成し、プロデューサーとして活動する[6]

造語編集

N次創作
起点となるコンテンツを構成要素としてその派生作品を制作することを二次創作というが、それに続いて二次創作された作品を構成要素としてその派生作品がつくられ、さらにそれが構成要素となり…という連鎖が続いていくことをN次創作と呼ぶ。動画投稿サイトのニコニコ動画で顕著に見られる[7]
操作ログ的リアリズム
ケータイ小説の『恋空』において、作品中に埋めこまれた「登場人物が行う携帯電話の操作ログの集積」が、(近代文学とは異なる形で)リアリティを担保しているという議論[注 1]
キャラクラシー(キャラクター民主制)
ネット空間の匿名的集合知を政治の場に生かす新しい民主政治のあり方として、通常のように生身の身体を持った人間を政治家にするよりも、インターネット上での有志の協議によって作成された公約を持ったなんらかの虚構のキャラクター(例えば初音ミク)を選挙に出馬させて政治に参加させたほうがよいという構想・思考実験のこと[8]

著書編集

  • 『アーキテクチャの生態系 情報環境はいかに設計されてきたか』NTT出版 2008
  • 前田敦子はキリストを超えた 宗教としてのAKB48』ちくま新書、2012 

出演編集

  • NEWS WEB第2期生(水曜日 2013年度)

共編著編集

  • 『情報社会の倫理と設計 ised 設計篇/倫理篇』東浩紀共編 河出書房新社 2010
  • 『日本的ソーシャルメディアの未来』佐々木博共著 ソーシャルメディア・セミナー編 技術評論社 2011
  • 『希望論 2010年代の文化と社会』宇野常寛共著 NHKブックス 2012
  • 『恋愛のアーキテクチャ』櫻井圭記,小川克彦共編著 青弓社 2012
  • AKB48白熱論争』宇野常寛,小林よしのり,中森明夫共著 幻冬舎新書 2012

脚注編集

注釈編集

  1. ^ 詳細は恋空#評価を参照。

出典編集

  1. ^ 第25回「テレコム社会科学賞」
  2. ^ 円堂都司昭 『ゼロ年代の論点 ウェブ・郊外・カルチャー』 ソフトバンククリエイティブ、2011年、30-31頁。
  3. ^ 『前田敦子はキリストを超えた 宗教としてのAKB48』124頁。
  4. ^ 濱野智史「あとがき1」『AKB48白熱論争』幻冬舎、2012年、253頁。ISBN 978-4344982734
  5. ^ 宇野常寛・小林よしのり・中森明夫・濱野智史『AKB48白熱論争』18頁。
  6. ^ “濱野智史プロデュース「PIP」が目指すものは? インディペンデント・アイドルの可能性を探る”. リアルサウンド. (2014年6月17日). http://realsound.jp/2014/06/post-715.html 2014年7月26日閲覧。 
  7. ^ 濱野智史 「ニコニコ動画の生成力」『思想地図〈vol.2〉特集・ジェネレーション』 日本放送出版協会2008年、319頁。ISBN 978-4140093412
  8. ^ 濱野智史・宇野常寛 『希望論-2010年代の文化と社会』 NHK出版2012年、164頁。ISBN 978-4140911716

外部リンク編集