火獣目
火獣目(かじゅうもく、Pyrotheria)は哺乳類の絶滅した目の一つ。新生代暁新世から漸新世中期にかけて、南アメリカに分布していた。ピロテリウム科 Pyrotheriidae、コロンビテリウム科 Colombitheriidae を含む。また、異蹄目 Xenungulata と統合しカロドニア科 Carodniidae をこの目に含める分類もある。
火獣目 Pyrotheria | ||||||||||||||||||||||||
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地質時代 | ||||||||||||||||||||||||
暁新世 - 漸新世 | ||||||||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||||||||
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ピロテリウム (romeroi 種)のような大型種では体長3m、体高1.5m、体重3.5tに達する。バク・サイなどにも似た短い首とがっしりした体つきを持ち、五指のある足を持つ。南米の亜熱帯ステップや森林地帯に住み草食をもって生活していたと考えられる。
南アメリカ大陸で独自に進化をとげた有蹄哺乳類、午蹄中目の一群と考えられているが、他の動物との系統関係は明らかになっていない。
「火獣」こと Pyrotheria という、雷獣目のそれにも似たようなユーモラスな目名はフロレンティーノ・アメギノによる命名である。これは本目を代表するピロテリウムの化石が火山の凝灰岩の地層から発見されたことに由来するものである。