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無登録農薬(むとうろくのうやく)とは農薬取締法に基づいた登録がされていない農薬のこと。

概要編集

無登録農薬は危険性が発覚したために使用認可がおりず登録できなかった販売禁止農薬、以前は登録されていたが3年毎の再登録を回避した失効農薬、実際には登録が必要な農薬成分を含んでいながら農薬ではないとして使われている農薬疑義資材などを含む。失効農薬の場合、販売停止処分が下りていなければ最終有効年月以内であれば販売や使用は可能だが、一般に使用することができない。農薬とはその化学成分によって除菌や殺虫などの効果が期待できるものであり、例えば天然のものであっても、その効果が確かに化学物質であることが判明している木酢液(フェノールホルムアルデヒドなどを含む)や除虫菊(ピレスロイド系の成分を含む)は、使用に制限を受けることになる。

例えば木酢液は1973年、商品名「松根木酢液」として登録され、農薬として販売することができた農薬であったが、販売者が1979年に経済的な理由で再登録を回避した失効農薬である。しかし使用が禁止されているのは商品「松根木酢液」であり、一般の木酢液は生産者の使用は自己責任である。そのため現状としては農薬として認められていないので、「農薬としての効果を謳った販売」は禁止されている。ただし無農薬栽培でも利用できる特定防除資材(特定農薬)として検討されており、将来的に自由に使うことができる可能性がある。

農薬としての効果は謳っていないが、登録が必要な物質が含まれる農薬疑義資材は、成分の含有量次第では無登録農薬という指摘を受け、販売者が自主回収することがしばしば起きている。

害がないことが明らかなもの(現在重曹食酢、使用場所の周辺で採取された天敵生物を指定)は特定農薬であって、無登録農薬の範疇ではない。

また、植物に対する病害虫の防除を目的としない製品(不快害虫用殺虫剤、防除用医薬部外品の殺鼠剤など)も無登録農薬の範疇ではない。

歴史編集

1971年、以前の急性毒性が中心の安全基準から、環境への影響や食品安全性についても指向するように慢性毒性試験を強化した農薬取締法の改正によって、農薬生産者は登録に必要な提出資料作成するための経費が増大した。これによって用法を守れば安全に作用することのできる有効な農薬であっても登録を回避する農薬生産者がふえた。 しかし無登録農薬は販売は禁止されていたものの、製造・輸入までは制限されておらず、使用者についての罰則規定はなかった。

2002年、発がん性があるとされる無登録農薬のダイホルタン殺菌剤)とプリクトラン殺虫剤)が多くの都県で使われていることが発覚し、12月に農薬取締法が改正され、無登録農薬の製造・輸入・使用の禁止が明確になった。

2008年、農林水産省は、株式会社三浦グリーンビジネスが輸入・販売していた家庭園芸用複合肥料「NEW碧露」「緑豊」及び「凱亜」から、農薬成分であるピレトリンが病害虫防除効果を有する程度含有されていたことを受けて、同様の問題が発生することを防止するため、今後、家庭園芸用複合肥料の登録検査項目として農薬成分の追加を行うことを発表した。

2009年、販売されているニームオイルから高濃度の殺虫剤ピペロニルブトキシドおよびアバメクチンが検出され、無登録農薬としての疑義がかけられている。これはインドセンダンの油(ニームオイル)に、アバメクチン等の無登録農薬に該当する成分が添加されたという疑いである。ただし、その後農水省の調査でアバメクチンは検出限界以下、ピペロニルブトキシドは薬効を示す濃度としては著しく低かったために処分は下されていないが、農薬成分の混入がないようにするようにと販売者に指導がなされた。

無登録農薬について農林水産省の動き編集

外部リンク編集