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焼杉の表面

焼杉 (やきすぎ)とは、耐久性を増すために、杉板の表面を焼き焦がし炭素層を人為的に形成したもの。焼板とも言う。[1]

滋賀県より西の地域で使用される伝統技法で、外壁の下見板や土中に埋まる土留め板などに用いられる。東日本には伝わっておらず、関東地方で同様の仕上げをする場合には墨を塗る手法が用いられる。真っ黒な仕上げは世界的にも珍しいが、その起源や西日本にしか伝わっていない理由についてはあきらかになっていない。[1]

製造方法編集

焼杉の製造は以下の手順で行われる。かつては現場で大工が焼いていた。[1]

  1. 杉板三枚を三角柱型に組み合わせ、燃えないよう濡らした縄で縛る。その際、縄と板の間に楔を差し込み締める。
  2. 丸めた新聞紙を三角柱の端に詰めて点火する。かつては新聞紙ではなく、鉋屑が使われていた。
  3. 三角柱を立てると、煙突状になった板の内側が燃え始める。炎の出が弱い箇所には、板と板の間に鎌を差し込んで隙間をこじ開け、空気を送り込む。
  4. 板の表面が十分に焼けたら、三角柱を寝かせて縄を解き、水に入れて冷やす。燃焼時間は5分程度。

バーナーで焼いた焼杉も流通している。手焼きの焼杉は60年から70年もつのに対し、バーナーの場合は焼きが浅い分だけ表面の炭化層が早く落ちてしまい長持ちしない。[1]

現代建築での使用例編集

建築史家で建築家でもある藤森照信は、養老昆虫館やラムネ温泉館など焼杉を使用した作品を設計している。[2]

出典編集

参考文献編集

  • 藤森照信 (2009). 藤森照信、素材の旅. 新建築社. pp. 213-225. ISBN 9784786902161. 
  • 二川幸夫 (2010). 藤森照信読本. エーディーエー・エディタ・トーキョー. ISBN 9784871406703. 

外部リンク編集