エイシンサニー

日本の競走馬・繁殖牝馬

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エイシンサニー[1]は、日本競走馬である。おもな勝鞍は、1990年の優駿牝馬(オークス)、報知杯4歳牝馬特別。優駿牝馬の勝ちタイム2分26秒1は当時のレースレコードであった。主戦騎手岸滋彦。2021年に死亡するまでメインキャスターに次ぐ2番目に長寿の重賞勝ち存命馬(牝馬)であり、生存が確認されていたGI馬(牝馬)の長寿記録の持ち主であった。

エイシンサニー
欧字表記 Eishin Sunny[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 1987年3月29日
死没 2021年2月17日(34歳没)
ミルジョージ[1]
エイシンナツコ[1]
母の父 ダイアトム[1]
生国 日本北海道浦河町[1]
生産者 栄進牧場[1]
馬主 平井豊光[1]
調教師 坂口正則栗東[1]
厩務員 上原正人
競走成績
生涯成績 20戦4勝[1]
獲得賞金 1億7852万2600円[1]
勝ち鞍
GI 優駿牝馬 1990年
GII 報知杯4歳牝馬特別 1990年
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戦績

1989年8月に小倉競馬場でデビュー。小倉では3戦するものの未勝利に終わり9月の阪神未勝利戦で初勝利をあげる。その後、10月 - 12月にかけて5戦するものの条件戦1勝に終わる。

年明け後、前年ほどのヘビーローテーションではないものの1ヶ月間隔でレースに使われている。2月のエルフィンステークスで、後の桜花賞アグネスフローラと初対戦。この時は先行したアグネスフローラを捕らえることが出来なかった。次走の4歳牝馬特別は、6番人気と評価が低かったものの、強烈な末脚を繰り出し重賞初制覇を達成した。

前走の重賞勝利によって穴人気で迎えた桜花賞だったが、道中不利があったこともあり、アグネスフローラから1秒4離された4着に終わった。アグネスフローラの強さだけが目立つレースであった。

桜花賞から直行して迎えたオークス。レースは、最初の1000メートルの通過タイムが、58秒6という異例のハイペースで推移し、圧倒的人気のアグネスフローラが直線抜け出したものの、出走馬唯一上がり35秒台の素晴らしい末脚を繰り出しゴール前でアグネスフローラを4分の3馬身差し切った。鞍上の岸は、前年のエリザベス女王杯に続く牝馬GI制覇となった。

その後、休養を挟んだ秋競馬では凡走を繰り返し、翌年2月の目黒記念の10着を最後に引退した。

競走成績

以下の内容は、netkeiba.com[2]、JBISサーチ[3]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上がり)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
1989.08.12 小倉 3歳新馬 芝1000m(良) 14 6 9 008.00(5人) 05着 R1:00.2(36.1) -0.8 0南井克巳 53 ツルマルベッピン 394
0000.08.26 小倉 3歳新馬 芝1000m(良) 11 3 3 008.20(3人) 04着 R1:00.1(35.7) -0.6 0南井克巳 53 コスモアイドル 398
0000.09.03 小倉 3歳新馬 芝1200m(不) 12 2 2 011.90(7人) 09着 R1:13.8(38.6) -2.0 0小池隆生 50 ガロシーザー 396
0000.09.24 阪神 3歳未勝利 芝1200m(良) 11 8 11 012.10(6人) 01着 R1:11.0(46.8) -0.2 0小池隆生 50 (ホシプロージット) 388
0000.10.21 京都 りんどう賞 400万下 芝1400m(良) 9 5 5 007.70(4人) 05着 R1:23.7(47.9) -0.7 0武豊 53 ムーンセレナード 400
0000.11.05 京都 白菊賞 400万下 芝1600m(良) 7 5 5 016.90(6人) 04着 R1:36.6(48.4) -0.3 0南井克巳 53 オースミロッチ 402
0000.11.26 中京 カトレア賞 400万下 芝1800m(良) 7 3 3 004.60(3人) 01着 R1:48.8(36.6) -0.3 0岸滋彦 53 (マキハタグロリー) 406
0000.12.10 阪神 ラジオたんぱ杯3歳牝馬S GIII 芝1600m(良) 11 3 3 008.10(5人) 05着 R1:36.5(49.3) -0.7 0岸滋彦 53 レガシーワイス 410
0000.12.17 中京 中京3歳S OP 芝1800m(良) 10 8 9 010.90(6人) 07着 R1:49.9(37.0) -0.9 0松本達也 54 エスアルビヒーロー 412
1990.01.06 京都 紅梅賞 OP 芝1200m(良) 13 3 3 041.00(8人) 02着 R1:10.7(45.8) -0.0 0岸滋彦 53 コニーストン 410
0000.02.04 阪神 エルフィンS OP 芝1600m(不) 10 8 9 013.10(5人) 03着 R1:37.4(48.3) -0.4 0岸滋彦 53 アグネスフローラ 410
0000.03.18 阪神 報知杯4歳牝馬特別 GII 芝1400m(良) 16 6 11 015.80(6人) 01着 R1:23.9(48.5) -0.3 0岸滋彦 54 (スプライトパッサー) 410
0000.04.08 阪神 桜花賞 GI 芝1600m(重) 18 7 14 013.60(5人) 04着 R1:38.5(50.9) -1.4 0岸滋彦 55 アグネスフローラ 412
0000.05.20 東京 優駿牝馬 GI 芝2400m(良) 20 7 17 012.20(5人) 01着 R2:26.1(35.9) -0.1 0岸滋彦 55 (アグネスフローラ) 414
0000.09.23 阪神 神戸新聞杯 GII 芝2000m(良) 12 7 9 005.80(3人) 05着 R2:01.1(36.0) -0.8 0岸滋彦 54 センターショウカツ 412
0000.10.21 京都 ローズS GII 芝2000m(良) 14 8 14 003.70(2人) 12着 R2:02.7(49.1) -2.1 0河内洋 55 カツノジョオー 412
0000.11.11 京都 エリザベス女王杯 GI 芝2400m(良) 18 5 9 007.10(3人) 07着 R2:26.5(47.7) -1.0 0岸滋彦 55 キョウエイタップ 412
0000.12.02 京都 鳴尾記念 GII 芝2400m(良) 14 6 9 014.70(7人) 07着 R2:26.5(46.4) -0.7 0田島良保 54 カチウマホーク 416
0000.12.23 中山 有馬記念 GI 芝2500m(良) 16 6 12 133.4(16人) 14着 R2:35.3(35.8) -1.1 0田島良保 53 オグリキャップ 420
1991.02.17 東京 目黒記念 GII 芝2500m(稍) 13 4 5 021.8(10人) 10着 R2:36.4(37.1) -1.6 0蛯沢誠治 54 カリブソング 416
  • タイム欄のRはレコード勝ちを示す。

繁殖牝馬時代

引退後は、栄進牧場で繁殖生活に入ったものの、産駒としては愛知杯関屋記念で2着に入ったエイシンハリマオーが目立つ程度であり[4]アグネスフライトアグネスタキオンのクラシックホース2頭を輩出のアグネスフローラに大きく水をあけられた。孫以降の世代では、自身の曾孫でエイシンプリンセスの孫にあたるエーシンブランが兵庫チャンピオンシップを制している[5]

2021年2月17日、死亡した。33歳325日だった[6]。エイシンサニーの死亡により、昭和生まれのG1馬が姿を消すこととなり、2021年8月20日現在で生存が確認されている最年長G1馬は、牡馬およびセン馬を含めるとウイニングチケット、牝馬に限るとフラワーパークとなった。

産駒一覧

生年 馬名 毛色 馬主 管理調教師 戦績 主な勝利競走 供用 出典
初仔 1992年 エイシンプリンセス 鹿毛 ノーザンテースト 平井豊光 栗東・坂口正則 9戦0勝 (繁殖牝馬) [7]
2番仔 1993年 エイシンダンシング 黒鹿毛 ダンシングブレーヴ (不出走) [8]
3番仔 1994年 エイシンサニーオー 牡→ サンデーサイレンス 平井豊光
→木村郁
栗東・坂口正則
高知竹内昭利
29戦2勝(うち地方10戦1勝) [9]
4番仔 1996年 エイシンマンノオー 鹿毛 サクラバクシンオー 平井豊光 栗東・坂口正則 21戦3勝 [10]
5番仔 1997年 エイシンキンバリー 牡→ ジェネラス 平井豊光
→木村郁
栗東・坂口正則
→高知・竹内昭利
77戦6勝(うち地方70戦6勝) [11]
6番仔 1998年 エイシンハリマオー トウカイテイオー 平井豊光 栗東・坂口正則
笠松伊藤強一
46戦5勝(うち地方4戦0勝) [4]
7番仔 1999年 エイシンツヨシオー エイシンワシントン 37戦3勝(うち地方2戦0勝) [12]
8番仔 2002年 エイシンホリデイ 青鹿毛 エイシンサンディ 栗東・藤原英昭
大井上杉昌宏
8戦1勝(うち地方2戦0勝) (繁殖牝馬) [13]
9番仔 2004年 エーシンジースーツ 鹿毛 グラスワンダー 平井宏承
→加藤二六
栗東・坂口正則
佐賀大垣敏夫
8戦0勝(うち地方4戦0勝) [14]
10番仔 2007年 スルスミポイント エイシンプレストン 武仲勝 大井・久保杉利明
→大井・久保杉隆
→笠松・井上孝彦
地方60戦1勝 [15]

血統表

エイシンサニー血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ミルリーフ系
[§ 2]

*ミルジョージ
Mill George
1975 鹿毛
父の父
Mill Reef
1968 鹿毛
Never Bend Nasrullah
Lalun
Milan Mill Princequillo
Virginia Water
父の母
Miss Charisma
1967 鹿毛
Ragusa Ribot
Fantan
*マタティナ Grey Sovereign
Zanzara

エイシンナツコ
1980 鹿毛
*ダイアトム
Diatome
1962 黒鹿毛
Sicambre Prince Bio
Sif
Dictaway Honeyway
Nymphe Dicte
母の母
ラウンドマザー
1971 栗毛
*チャイナロック Rockefella
May Wong
*レディアリス Alycidon
Pontoon
母系(F-No.) レディアリス系(FN:3-f) [§ 3]
5代内の近親交配 Nasrullah 4×5=9.38% [§ 4]
出典
  1. ^ [16]
  2. ^ [17]
  3. ^ [16]
  4. ^ [16][17]

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n エイシンサニー”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年9月4日閲覧。
  2. ^ エイシンサニーの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年9月4日閲覧。
  3. ^ エイシンサニー 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年9月4日閲覧。
  4. ^ a b エイシンハリマオー”. JBISサーチ. 2019年9月4日閲覧。
  5. ^ エーシンブラン 血統情報:5代血統表”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年9月4日閲覧。
  6. ^ エイシンサニーの死亡について - 引退名馬
  7. ^ エイシンプリンセス”. JBISサーチ. 2019年9月4日閲覧。
  8. ^ エイシンダンシング”. JBISサーチ. 2019年9月4日閲覧。
  9. ^ エイシンサニーオー”. JBISサーチ. 2019年9月4日閲覧。
  10. ^ エイシンマンノオー”. JBISサーチ. 2019年9月4日閲覧。
  11. ^ エイシンキンバリー”. JBISサーチ. 2019年9月4日閲覧。
  12. ^ エイシンツヨシオー”. JBISサーチ. 2019年9月4日閲覧。
  13. ^ エイシンホリデイ”. JBISサーチ. 2019年9月4日閲覧。
  14. ^ エーシンジースーツ”. JBISサーチ. 2019年9月4日閲覧。
  15. ^ スルスミポイント”. JBISサーチ. 2019年9月4日閲覧。
  16. ^ a b c エイシンサニー 血統情報:5代血統表”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年9月4日閲覧。
  17. ^ a b エイシンサニーの5代血統表”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年9月4日閲覧。

外部リンク