「降着装置」の版間の差分

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衝撃吸収は、まだ機体が軽量だった初期の頃には、車軸と機体の一部を括り合わせた大型の輪ゴムが使われた事もある。現在では航空機の重量も増したため、脚柱に組み込まれた油圧[[ダンパー]]で行われるのが一般的である。ただし、今でも軽飛行機などでは脚柱自体の弾性をもって緩衝装置とするものも多い。引き込み式でなく固定脚のままで空気抵抗を減少させる為に、脚と車輪の回りに「スパッツ」と呼ばれる整流覆いをつける機体もよく見られる。
 
航空機の自重は、空中では主翼が保持し地上では着陸脚が保持する。しかしその水平面断面積の差を考えると単位面積あたりの荷重は着陸脚にかかるものの方が段違いに大きく、着陸脚は主翼よりも遥かに頑丈な構造で衝撃を吸収しなければなければならない。特に[[艦載機]]ではアレスティングフックによって急制動される際、数mの高さからほぼ垂直に甲板に叩き付けられる事になり、自重の何倍もの衝撃が加わる。例えば自重20数tの[[グラマン]][[F-14 (戦闘機)|F-14]]トムキャット]]が着艦する場合、加わる衝撃は前脚で約30t、主脚では約80tにもなる。また、現代型のカタパルトから発進する艦載機では、カタパルトのシャトルと機体の接続に前脚に設けられたランチバーを使用しており、そのため射出の衝撃は前脚に全てかかることになる。艦載機でない陸上機でもアレスティングフックを設けたものが多いが、あくまでブレーキ故障時の予備など緊急用という位置づけであり、毎着艦ごとにフックを使用する艦載機とは使用頻度が全く違う。これらの理由により、艦載機の降着装置は同クラスの陸上機よりも堅固な構造になっているのが普通である。
 
尾輪の場合はムクのゴムタイヤや金属車輪など簡単な構造の事も多く、そのままで機首上げ状態を維持できているため脚自体も非常に短いかほとんど存在しない。しかし前輪式で機首脚を持つ場合は、少なくとも機体姿勢を水平に維持できるよう、主脚と同じぐらいかそれ以上の長さでなければならない。構造も主脚と同様の緩衝装置と中空タイヤとなるのが普通だが、そのため一般的には尾輪より前脚のほうが機体の構造としては複雑になる。