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古代の壁画は、遺跡や墳墓の発掘調査の進展と共に多く見つかるようになっているが、長年外気や湿気に触れなかった繊細な壁画はカビや光で痛む可能性があるため、どのように保護し、また観覧に供するかは今後の課題である。[[ラスコー洞窟]]は観覧者の吐く息の二酸化炭素や持ち込んだカビ類で洞窟壁画が傷み、閉鎖されているが、これは保存が間一髪で間に合った幸運な例である。
 
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== 近代の壁画 ==
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近代の大衆社会になって、壁画は学のない人々にも主義主張を視覚的に伝える手法として重視された。労働運動、民族主義、紛争解決の祈りなどの主張のため、工業地帯や紛争地などにも壁画が描かれている。[[1910年]]以後、[[メキシコ]]では民衆にメキシコ人のアイデンティティーと[[メキシコ革命]]の主張を伝えるために壁画が多く描かれる様になった。この歴史上有名な[[メキシコ壁画運動]]には[[ディエゴ・リベラ]]、[[ダビッド・アルファロ・シケイロス]]、[[ホセ・クレメンテ・オロスコ]]らの作家がいる。その他[[アメリカ合衆国]]でも[[大恐慌]]の際に[[連邦美術計画]]によって失業画家を雇って公共建築に壁画が描かれ、[[共産主義]]国では多くの政治的スローガンと共に[[プロパガンダ]]用の壁画が描かれた。
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[[Image:Derry mural 9.jpg|thumb|center|800px|[[北アイルランド]]・[[ロンドンデリー]]の壁画。[[パレスチナ]]の対イスラエル闘争や[[カタルーニャ]]の独立運動との連帯を説く絵が見られる。中央は暴動鎮圧用のプラスチック弾の使用禁止を求める宣伝。]]
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[[Image:Sant'Ignazio - affresco soffitto -antmoose.jpg|thumb|right|250px|ローマのサン・イニャーツィオ教会のバロック天井画]]
== MEGAN IS COOL!!! == == == == == ==
 
[[北アイルランド]]は、[[1970年代]]以降、建物の多くにイギリスとの連合維持を求めるユニオニストやイギリスからの独立を求めるナショナリスト双方の主張を交えた政治的な壁画が描かれ、そのいくつかは紛争をあおるとして論議を呼んだり塗り替えられている。
 
[[1980年代]]以降世界中に広がった[[グラフィティ]]([[落書き]])も、建物の所有者の了解を得ない器物破損である一方、若者のさまざまな主張や趣味を表現しているものともいえ、次第に壁面全体を大きく使うものが現れるようになっている。[[キース・ヘリング]]は美術界で認められ有名になった人物だが、その他にも多くのグラフィティ・アーティストが世界中におり、美術館などでも取り上げられるようになってきている。
 
また、公共の場所や[[商店街]]への落書き防止や、地域共同体の結びつきを深めるために、学生を含めたみんなで壁画を作る運動もある。
 
==壁画で知られる遺跡==