「定常宇宙論」の版間の差分
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この理論で必要な物質生成の速度は、1年間に1km<sup>3</sup>あたりおよそ[[水素]][[原子]]1個程度という非常に小さな割合で十分なため、このような物質生成が直接観測されていないことはこの理論の問題にはならない。新たに物質が生まれるということから[[質量保存の法則]]を破ってはいるものの、定常宇宙論には多くの魅力的な特徴がある。最も特筆すべき性質は、この理論では宇宙の始まりを必要としない点である。
1960年代終わりになると、宇宙は実際に時間とともに変化しているという考えを支持すると見られる観測結果が得られるようになり、定常宇宙論には問題があることが明らかになってきた。観測では、[[クエーサー]]や[[電波銀河]]は距離が遠い
ほとんどの宇宙論研究者は、ビッグバン理論で予言される[[宇宙背景放射]]が[[1965年]]に発見されたことによって定常宇宙論は論駁されたと考えている。定常宇宙論では、この背景放射は太古の昔の[[恒星]]から放出された光が銀河内の塵によって散乱されたものであるとしている。しかし多くの宇宙論研究者はこの説明には説得力がないと受け止めている。なぜなら、宇宙背景放射は方向による強度の揺らぎがほとんどなく非常に滑らかで、点光源からこのような分布が作られることを説明するのは難しいためである。また、散乱光に通常見られるはずの[[偏光]]のような特徴が宇宙背景放射には全く見られない。それに加えて、宇宙背景放射の[[スペクトル]]は理想的な[[黒体放射]]のスペクトルに非常に近く、異なる温度や異なる赤方偏移を持つ塵の塊の散乱光を重ね合わせてもこのようなスペクトルは到底作り出せない。[[スティーブン・ワインバーグ]]は[[1972年]]の著書で以下のように書いている。
:定常宇宙モデルは観測から得られている[[光度]]
2005年現在、ビッグバン理論は宇宙の起源を記述する最も良い近似理論であると[[天文学者]]の大半が考えている。ほとんどの[[天体物理学]]の出版物ではビッグバンは暗黙のうちに受け入れられ、より完全な理論の基礎として用いられている。一方でそれと同時に、[[1990年代]]終わりに[[宇宙の加速膨張]]という予想外の観測結果が得られた後、[[準定常宇宙論]]を構築しようとする努力もいくつかなされている。この理論ではビッグバンは1回ではなく、時間とともに何度もビッグバンが起こって物質を生成しているとしている。
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[[Category:宇宙論・宇宙物理学|ていしよううちゆうろん]]
[[Category:否定された仮説|ていしよううちゆうろん]]
[[de:Steady-State-Theorie]]
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