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'''間接強制'''(かんせつきょうせい)とは、債務者に対し、金銭の支払を命じるなど一定の不利益を課すことにより心理的に圧迫し、義務の履行を強制する[[強制執行]]の一方法である。
 
日本やドイツで[[債務名義]]成立後の[[強制執行]]の一方法として位置づけられているのに対し、フランスで[[判決]]の中で命じるなど、その位置付けについては各国により違いが見られる。
 
== 間接強制の地位に関する考え方 ==
日本では間接強制は強制執行の一方法として位置づけられているが、強制執行の方法としては、間接強制のほかにも'''直接強制'''や'''代替執行'''という方法が存在する。このため、他の強制執行方法との関係でどのような地位を占めるのかが問題とされてきた。
 
=== 劣後的な位置付けをする見解 ===
しかし、民事執行法が制定される前から存在する間接強制の劣後的地位に関する有力な批判や、代替的作為義務についても間接強制の方法を採るのが効果的な場合もあるとの指摘等から、間接強制の範囲について見直しがされるようになった。その結果、「担保物権及び民事執行制度の改善のための民法等の一部を改正する法律」(平成15年法律第134号)による民事執行法改正により、物の引渡を内容とする債務や代替的作為義務の場合であっても、債権者の選択により間接強制の方法による[[強制執行]]ができることとされた(改正後の民事執行法173条)。また、金銭債務については直接強制の方法によるのが原則であることは維持されたが、[[扶養]]義務等にかかる金銭債務については、「民事関係手続の改善のための民事訴訟法等の一部を改正する法律」(平成16年法律第152号)による民事執行法改正により、例外的に間接強制の方法によることが認められるに至った(民事執行法167条の15)。
 
== 間接強制の方法によることができを採れないもの義務 ==
=== 扶養義務等を除く金銭債務 ===
金銭給付を目的とする債務については、扶養義務等にかかる場合を除き、間接強制の方法によることはできず、直接強制の方法によることになる。
金銭給付義務が[[養育費]]などの[[扶養]]義務である場合は、特例として間接強制の対象になることが認められているが(民事執行法167条の15)、その他の一般の金銭債務については間接強制の対象にはならず、直接強制の方法によることになる。
 
=== 債務者の自発的意思によるべき場合 ===
債務の性質上、債務者の自発的意思によらなければ履行ができない場合には、直接強制や代替執行が不可能なのはもちろんのこと、間接強制の方法により心理的圧迫をすることにより履行を強制すること自体でき許されず、[[債務不履行]]による損害賠償を請求するほかない。この類型に該当する例としては、まず、[[夫婦]]の同居義務(民法752条)がある。夫婦同居に関する処分は[[家事審判法]]の乙類審判事項に該当し、[[家庭裁判所]]は審判により同居を命じることができるが、間接強制も含め強制執行はできないと解されている(判例)。また、請負契約に基づき芸術家が芸術作品を創作する義務を負った場合、芸術家である債務者の意思を圧迫して強制したのでは債務の本旨にかなった給付ができないとして、やはり間接強制はできないと解されている。
 
=== 履行に第三者の協力が必要な場合 ===
これに対し、債務の性質上、直接強制、代替執行、間接強制のいずれの方法にもよることができないものもある。つまり、債務の性質上、債務者の自発的意思によらなければ履行ができない場合には、直接強制や代替執行が不可能なのはもちろんのこと、間接強制の方法により心理的圧迫をすることにより履行を強制すること自体許されない。また、履行に第三者の協力が必要な場合などのように、履行に客観的な支障がある場合も履行が期待できない。このような場合には間接強制をすることはできず、[[損害賠償]]によるほかない。
履行に第三者の協力が必要な場合などのように、履行に客観的な支障がある場合も履行が期待できず、[[損害賠償]]によるほかない。
 
=== 意思表示擬制の場合 ===
間接強制ができない類型に該当する例としては、まず、[[夫婦]]の同居義務(民法752条)がある。夫婦同居に関する処分は[[家事審判法]]の乙類審判事項に該当し、[[家庭裁判所]]は審判により同居を命じることができるが、間接強制も含め強制執行はできないと解されている(判例)。また、請負契約に基づき芸術家が芸術作品を創作する義務を負った場合、芸術家である債務者の意思を圧迫して強制したのでは債務の本旨にかなった給付ができないとして、やはり間接強制はできないと解されている。
[[債務名義]]が不動産登記手続義務などの[[意思表示]]を命ずる場合は、当該義務は不代替的作為義務であるため、強制執行の方法としては間接強制によることになる。しかし、民事執行法では、意思表示を命じる[[判決]]等が確定したときや裁判上の[[和解]]等が成立したときは、意思表示が条件に係っている場合等を除き、その確定又は成立の時に意思表示をしたものと擬制される(民事執行法174条1項)。つまり、確定又は成立の時に強制執行が終了していると観念され、債権者側の利益追行行為が残るのみにすぎない。したがって、証券への署名義務など法令上本人が行うことが要求されている場合を除き、間接強制の方法により強制執行をする必要がない。ただし、この点については、そもそも間接強制になじまないとする説明もある。
 
== 日本以外における間接強制 ==