「歩兵の戦術」の版間の差分

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== 射撃 ==
現代の[[交戦]]で最も基本的な[[武器]]となるのは[[銃]]である。歩兵は目標に対して確実に[[射撃]]できるだけでなく、部隊として連携して射撃ができるようにも訓練される。戦闘で用いられる射撃術は基本的なトリガーコントロールや姿勢、照準だけでなく、再装填テクニック、姿勢転換、夜間射撃などが含まれており、基本的な射撃術よりも応用的な技術が求められる。

分隊射撃としては、敵の[[機動]]や[[射撃]]などの行動を封じ込め、上記の機動チームの機動の安全を確保するための射撃は「制圧射撃」と呼ばれ、煙幕を張ることもこの制圧射撃に含まれると考えられている。
また一点の掩蔽や目標に対して分隊射撃を行う場合は「集中射撃」、敵の位置がはっきりと確認できない場合、大まかに位置を予想し、広範囲にわたっの地域を分担して射撃を加える分隊射撃は「地域射撃」と呼ばれる。
[[銃器]]は最も基本的な[[武器]]であり、これを効率的に用いることは絶対に必要なことであると考えられている。[[射撃]]は目標の位置や動きによっていくつかに分類できる。これらはその場に応じて使い分けられる。
 
== 機動 ==
近代以降の歩兵はそのほとんどが[[装甲兵員輸送車]]や[[貨物自動車|トラック]]、[[ヘリコプター]]などで移動することが一般的になっており、地域間の機動力は非常に高まっている。しかし戦場において歩兵が十分に[[戦闘力]]を発揮するためには下車し、徒歩で機動しなければならない。歩兵の機動は一定の論理に基づいており、状況に応じて隊形や移動ルート、姿勢、チームワークのパターンに従って機動が行われないとならない。基本的に、まず壁や壕、くぼ地などのあらゆる遮蔽物を活用し、銃火にさらされる時間を可能な限り縮めなければならない。そして、どうしても敵に姿を見せなければ移動できない場合は次に移動する場所を予め決め、すばやく低姿勢で2~5秒程度で隠れなければ、敵の狙い撃ちを受ける危険性が高まる。
 
=== 低姿勢匍匐部隊移動 ===
部隊として移動する場合は隊形を組んで相互に掩護しながら移動する。その方式には以下のようなものがある。
体が最も平たくなる匍匐移動である。地面に腹ばいになり、聞き手で銃の前方のスリング・スイヴェルの真下を握り、フロント・ハンドガードを前腕に載せる。その姿勢で両手を前に伸ばし、片足をひきつけ、次にひきつけた片足を伸ばしながら両手をひきつける。この動作を繰り返すことで進むことができる。背が低い遮蔽物の後ろを移動する際にはこの[[匍匐]]で移動する。
*一挙前進:比較的安全な地域で遠距離を迅速に移動する際に用いられる方法である。それぞれの射撃班が15メートルから20メートルの間隔を前後に空けて全員で前進する。
*一斉前進:警戒が必要な地域において迅速に移動する際に用いられる方法である。それぞれの分隊、射撃班の間隔を50メートルていど空けて全員で前進する。先行する部隊が攻撃を受けた場合、速やかに後続の部隊が戦術行動を展開できる。
*継続躍進:[[戦闘]]において用いられる移動方法である。二個の射撃班が移動、片方が支援を交代に行いながら前進する基本的な戦術行動である。支援を行う射撃班は移動中の班が攻撃を受けそうになった場合、即座に射撃で応戦し、敵の行動を妨害する。この間にもう片方の班は移動を行い、目標位置まで移動を行い、今度は支援役として相手を抑える。その間に今度はもう片方が移動する。この継続躍進は現代の歩兵部隊戦術において中核的なものとなっている。
 
=== 高姿勢匍匐 ===
匍匐は銃火に身を晒さない比較的に安全性な移動方法である。低姿勢匍匐と高姿勢匍匐に大別される。
基本的な動作は幼児のハイハイと同様である。体の前で銃を水平にし、両腕で支えて銃口が地面に触れないように持つ。移動の際には膝を交互に引き付けながら移動する。
 
*低姿勢匍匐:体が最も平たくなる匍匐移動である。地面に腹ばいになり、聞き手で銃の前方のスリング・スイヴェルの真下を握り、フロント・ハンドガードを前腕に載せる。その姿勢で両手を前に伸ばし、片足をひきつけ、次にひきつけた片足を伸ばしながら両手をひきつける。この動作を繰り返すことで進むことができる。背が低い遮蔽物の後ろを移動する際にはこの[[匍匐]]で移動する。
 
*高姿勢匍匐:基本的な動作は幼児のハイハイと同様である。体の前で銃を水平にし、両腕で支えて銃口が地面に触れないように持つ。移動の際には膝を交互に引き付けながら移動する。
 
=== 静粛移動 ===
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== CCD ==
偽装(camouflage)と隠蔽(concealment)とおとり(decoy)は総じてCCDと呼ば略称され、敵の情報収集活動の阻害、味方の行動の秘匿、[[戦闘]]発見されないおける生存率向上を目的としめに非常に重要視される一連の活動、またはその技術である。装備や陣地、[[兵士]]を偽装し、隠蔽することで敵が得られる情報を不完全なものにすることは、それ自体が戦術的優位であり、交戦においても個々の歩兵の生存を守って、敵が得られる。偽装情報行う際は地形や天候だけでなく、季節や色や輪郭線にも気をつけ、視認性を低めるように制限することが重要あると考えらている。[[迷彩服]]は最も基本ば、戦術な歩兵の偽装であり、各国が独自迷彩のパターンを研究している。森林など優位おいは緑のフェイスペイントをつけ、枝葉で体の輪郭を隠せば視認性が低下する。
 
また交戦においても個々の歩兵の生存を守ってくれる。偽装を行う際は地形や天候だけでなく、季節や色や輪郭線にも気をつけ、視認性を低めるようにすることが重要であると考えられている。直線をぼかし、服装や肌の色を周囲の環境に合わせ、光を避けて物陰に潜み、装備が金属音や物音を立てないようにしなければいけない。また、偽の戦闘陣地などで敵戦力を誘導することもできる。[[迷彩服]]は最も基本的な歩兵の偽装であり、各国が独自に迷彩のパターンを研究している。森林などにおいては緑のフェイスペイントをつけ、枝葉で体の輪郭を隠せば視認性が低下する。
 
== 築城 ==
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== パトロール ==
[[パトロール]]は基本的に[[偵察]]、[[攻撃]]、[[追跡]]の三つの意味がある。特に[[偵察]]活動は歩兵にとっては危険ではあるものの、現在の状況を確実に把握し情報を収集するために必要であり、地域の支配権を左右する重要な活動である。敵陣地の位置や部隊配置、敵戦力の規模などの情報が確実であれば、本格的な攻撃を加える際にも支援の空爆や[[火砲]]で効率的な攻撃が可能であり、その地域における戦闘の主導権を確保することができる。パトロールは敵の勢力圏やその境界において行われるために、敵の[[伏撃]]や[[ブービートラップ]]、不意の[[遭遇戦]]などが発生する。歩兵の[[戦闘]]のほとんどはパトロール中に行われるものである。
 
=== 各兵器との連携 ===
戦闘における戦車や航空機といった[[兵器]]の役割は限定的なものであり、相互依存的な関係である。ゆえにそれらと連携を保ちながら戦術行動を展開することが必須ものもとなる。
 
* [[火砲]]:火砲は敵の戦闘陣地や部隊の終結地点、補給拠点など固定的な目標に対して大規模かつ効果的に損害を与えることが可能である兵器である。代表的な後方からの火力支援であり、陸上戦闘において戦局を左右する決定的な火力となりうる。火砲の攻撃から逃れることは極めて難しく、強固な戦闘陣地でも破壊されるため、敵の防衛線を破壊する際には、[[歩兵]]や戦車部隊の侵攻に先立って攻撃が行われる。
* [[戦車]]:戦車は陸上戦闘において高度な機動力と打撃力を持つ兵器であり、戦闘陣地や[[火砲]]など固定された目標に対して大きな効果を挙げることができ、また機動力を有する兵器に対しても対抗できる戦力である。しかし[[歩兵]]部隊との強固な連携がなければ、複雑な市街地、森林などの地形に進入することは戦車の特性上難しい。[[歩兵]]にとっては、戦車は高い機動力と火力を持ち合わせているので、戦術展開における火力的な優位を保つことが可能である。戦場においては戦車部隊は歩兵部隊と緊密な連携をとり、共に行動する。
* [[装甲兵員輸送車]]:装甲兵員輸送車(APC)は歩兵部隊の移動能力を飛躍的に向上させ、機動力を高める。特に戦車部隊などと連携するときなど、長距離を高速で移動する際には、戦車の速度を損なわずに全体として同時に移動することができ、作戦運用上非常に効率的である。
 
 
== 関連項目 ==