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'''奈解尼師今'''（なかい にしきん、生年不詳 - [[230年]]）は、[[新羅]]の第10代の王（在位:[[196年]] - 230年）であり、先代の[[伐休尼師今]]の第2子伊買の子。姓は昔氏。母は内礼夫人、王妃は第11代の[[助賁尼師今]]の妹。伐休尼師今が196年4月に死去したとき、太子の骨正と王子の伊買は既に亡くなっており、嫡孫（後の[[助賁尼師今]]）がまだ幼かったために、同じ孫のうちで能力に優れたところのある奈解が王に立てられた。

[[百済]]や[[靺鞨]]、[[倭人]]の侵攻を受けたが、太子の[[昔于老]]と、[[新羅#官位制度|伊伐飡]]に取り立てた王子の昔利音（[[分注]]で奈音とも記される）とを用いてよく反撃させた。[[214年]]7月には百済が腰車城（[[忠清北道]][[報恩郡]]？）<ref>他に慶尚北道[[尚州市]]東部に比定する説もある。</ref>を攻めて城主の薛夫を殺したたため、奈解尼師今は昔利恩に命じて百済に反撃させ、沙峴城（[[慶尚北道]][[聞慶市]]籠岩面沙峴里？）を陥落させた。[[218年]]7月には百済軍が獐山（慶尚北道[[慶山市]]）を包囲したので、奈解尼師今自らが出撃して百済軍を敗走させた。[[222年]]10月には百済が牛頭州（[[江原道]][[春川市]]）に侵入し、昔利音の死後に伊伐飡となった忠萱が迎撃したが、熊谷（江原道春川市東南甘渓？）<ref>他に江原道[[横城郡]]横城面の古名とする説、[[平昌郡]]珍富面に比定する説もある。</ref>まで出撃したところで百済軍に敗れた。[[224年]]7月には烽山（慶尚北道[[栄州市]]）<ref>他に烽山の候補として、『[[新増東国輿地勝覧]]』には慶尚南道[[昌寧郡]]霊山面に烽山烽燧の名称が見える。</ref>の麓で百済軍と戦って、首級1千余の戦果を挙げた。

[[201年]]には[[加伽耶]]が講和を求めてきており、以後加伽耶とは親密な関係を保った。[[209年]]には浦上の八国<ref>『[[三国遺事]]』巻5・勿稽子条によれば、保羅国・古自国・史勿国などとする。保羅国・古自国は[[慶尚南道]][[固城郡]]、史勿国は慶尚南道[[泗川市]]に比定されている。また、勿稽子については『[[三国史記]]』巻48に伝が立てられている。</ref>が連合して加伽耶を攻めようとした折には、加伽耶の王子が救援を求めてきたことに対し、昔于老と昔利音とを派遣してこれを救わせた。これを受けて[[212年]]には加伽耶の王子が人質として新羅に送られてきた。