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'''クマガイソウ'''(熊谷草、''Cypripedium japonicum'')は、大きな花をつける[[ラン科]]植物である。扇型の特徴的な葉をつける。
 
==特徴==
クマガイソウは、[[北海道]]南部から[[九州]]にかけて分布する[[ラン科]][[アツモリソウ属]]に属する植物である。低山の森林内、特に竹林、杉林などに生育し、大きな集団を作る。草丈は40cmくらいまで、葉は対生するように二枚つき、それぞれ扇型の特徴的な形をしている。花はその間からのびた茎の先につき、横を向く。花弁は細い楕円形で緑色を帯び、[[唇弁]]は大きく膨らんだ袋状で、白く、紫褐色の模様がある。唇弁の口は左右から膨らんで狭まっている。
 
===和名の由来===
クマガイソウ、[[アツモリソウ]]の名は、膨らんだ形の唇弁を昔の武士が背中に背負った[[母衣]](ほろ)に見立て、がっしりした方を[[熊谷直実]](くまがいなおざね)に、優しげな姿の方を[[平敦盛]](たいらのあつもり)にあてたものである。花色がそれぞれ白、赤っぽいため源氏の白旗、平氏の赤旗に見立てたための命名ともいわれる。白花のアツモリソウを昔はクマガイソウと呼んでいたという説もある。
 
==自生地の現状==
栽培のための乱獲によって自生を見ることは今やまれである。クマガイソウは[[無菌播種]]による増殖技術が確立されておらず、アツモリソウのように実生増殖した苗を大量供給することはできない。にもかかわらず、悪質なマニアや業者に乱獲、[[盗掘]]され続けている。このままなら地球上から消え去ることにな[[絶滅]]するといっても過言ではない。
 
一般園芸店でも販売品をしばしば見かけるが、本種の地下茎は長大で柔軟性に欠けるため、根端の[[成長点]]が何らかの障害物に当たって枯死することが多く、本来は鉢植えにすることが難しい。市販品の多くは地下茎が短く切断されており、回復に長い期間を要することが多い。適地であれば地植え栽培が可能ではあるが、葉が大きいため風除けになるものが無い場所では風で吹き折られる。土質や湿度などの適正環境も狭く、栽培場所は厳密に選ぶ必要がある。
前述のように供給体制が確立されているとは言いがたい状況でもあり、入手・栽培には慎重でありたい植物の一つである。
 
<!-- お気持ちはわからないでもないが、この文章疑問。路地栽培が自生地を増やす事になるかどうか?また、個人的感想の臭いが強いので。
クマガイソウに限らず、多くのラン科の植物は鉢植え栽培に適さない。一部の愛好家はクマガイソウを上手く鉢植えで育てているようであるが、それに倣った栽培家が自生地より掘り取ったり、業者から購入することで、自然からの消失にさらに拍車をかけている。どうしても育てたいのであれば、自生地を拡大するという観点で、自生に適した明るい日陰を確保し、一年を通じて暖かい目で見守ることができる者のみが露地に植えて育てるべきである。野生ランの栽培家がこうした植物を鉢で育て、展示するという行為に対しては、単に鑑賞的に捉えるのではなく、自然保護という観点からその是非を問うて行きたいものである。-->
 
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