「地中海艦隊 (イギリス)」の版間の差分

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'''地中海艦隊''' (Mediterranean Fleet) は[[イギリス海軍]]の中で[[本国艦隊]]の次に重視していた[[艦隊]]で、[[フランス海軍]]と[[イタリア海軍]]に対抗する存在であった。イギリスが世界帝国を維持していた当時、最重要の[[植民地]]である[[インド]]への航路(イギリス海域から[[地中海]]を通りスエズ運河)の制海権を確保する事が最大の任務となっていた。
 
主要基地は地中海と大西洋の境目にある要衝[[ジブラルタル]]と、地中海の真ん中かにある[[マルタ島]]、[[スエズ運河]]の入り口の[[アレキサンドリア]]に主要な海軍基地を持っていた。
 
第二次世界大戦後は相次ぐ植民地の独立に合わせてイギリス海軍も縮小され、地中海艦隊も解体された。その後、イギリス海軍に代わって地中海の覇権を確立したのが[[アメリカ海軍]]で、現在でも地中海に[[第6艦隊]]を常駐させている。
 
== 歴史 ==
=== 第二次世界大戦 ===
[[ドイツ]]が[[フランス]]へ侵攻し、連合軍が[[ダンケルク]]から撤退した事でドイツの勝利が見えてくると、イタリアがドイツ側で参戦した。イタリアは地中海を東西に分ける位置にあり、イギリスの生命線である地中海の通商路を分断する事が可能で、地中海沿岸に点在するイギリスとフランスの植民地や[[ギリシャ]]や[[ユーゴスラビア]]などの南欧諸国にも大きな影響を与えるものであった。
 
イタリアとアフリカ大陸の間は僅かな距離で、ちょうど中程にイギリス領の[[マルタ島]]があったが、イタリアの制空権下で[[イタリア海軍]]が行動すれば、イギリスは地中海中央部の制海権を失う事になる瀬戸際だった。イギリス海軍は多大な損害を受けながらもマルタ島を死守し、逆にドイツ・イタリア側の通商路を妨害した。この事が後々のアフリカ戦線へ影響を与えた。ロンメルのアフリカ軍団への補給を妨害したし、イギリス軍の補給も遠回りになる喜望峰迂回をせずに迅速な補給が続けられた。イギリス地中海艦隊は地の利を持つイタリア海軍を常に圧倒して、終戦まで地中海の制海権を維持し続けた。
 
=== 冷戦 ===
第二次世界大戦が終わると、ヨーロッパは西側と東側に分かれ冷戦が始まった。イギリス海軍はギリシャの共産化防止へ抑止力として行動し、黒海から地中海へ進出しようとするソ連海軍と対峙した。しかし、二度の世界大戦で疲弊していたイギリスは植民地の維持と諦め、イギリス海軍も急速に縮小され、地中海艦隊も解体された。
 
[[Category:イギリス海軍]]