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'''医療経済学'''(いりょうけいざいがく)は[[医療問題]]を扱う[[経済学]]の応用分野である。医薬品・医療保険・[[病院]][[株式会社]]化など、医療にかかわるさまざまなことを経済学の手法を用いて分析する。
 
== 医療経済学が取り扱う問題 ==
医療問題は経済的に見れば、医療という[[サービス]]に対する[[需要]]と[[供給]]の問題と考えることができる。医療サービスの特殊性から、それに関する[[需要]][[供給]]の一致を完全に市場機構にのみ委ねることはできず、政府・自治体の関与が必要である。
 
医療サービスは、いかなる機構によって供給されるべきか、また、その医療サービスの費用はどのように負担されるべきかが、医療経済学の中心問題である。すなわち、医療サービスの供給主体としては、公的医療機関か私的医療機関か、現実に採用されている医療供給機構としての医療保険についての諸問題、社会保障の対象としての医療に対する政府の関わり方、医療の費用とその負担の問題などが、具体的な問題となる。
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== 医療サービスの需要と供給 ==
医療サービスは、次のような特性を持つ。
* その需要は、[[人間]][[健康]]と生命にかかわるものであり、すべての人にとってきわめて必需性の高いものである。
* 個人にとって疾病や害の発生、治療の効果、医療費の額などは予測不可能なものであり、[[不確実性]]を含有している。
* 人の健康や生命の価値は金銭に換算しがたく、医療サービスはきわめて非同質的なものであり、それに対する価格は確定しがたい。
以上のような特性から、このような医療サービスに対する需要の充足の問題を、完全に個人の自己責任に委ねておく場合には、個人の生活は常に不安定であり、特に低所得者は生活の保障を得ることが難しい。
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医療に関する社会保障の方式としては、個人に対する医療費の補助、全額公費負担による医療サービスの提供、医療保険などがある。
市場経済にその需給を委ねた典型例は米国のHMOがある。一部のHMOは営利組織として株式上場しており、[[利益]]の追求を目的としている。
 
米国では医療による[[破産]]も多く見られ、国内外で[[医療崩壊]]の典型とする声もある。
== 関連項目 ==
* [[医療保険]]