「定数群体」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
Ks (会話 | 投稿記録)
新しいページ: ''''定数群体'''(ていすうぐんたい Coenobium)とは、単細胞生物的細胞からなる特殊な群体の型である。'''細胞群体'''...'
 
Ks (会話 | 投稿記録)
24行目:
前者は先述のように鞭毛を持つ藻類で、無性生殖時には個々の細胞が二分裂を繰り返し、それぞれが新しい群体を作る。属によって細胞数とその配置が異なる。ボルボックスでは生殖細胞が分化するが、その群体の作られ方はほぼ同じである。
 
後者は運動性のない藻類で、イカダモは細胞が列をなして配置、クンショウモではほぼ円盤状に配置、アミミドロでは袋状の網の形になる。いずれも細胞は互いに密着しているため、一見すると多細胞藻類に見える。それらの無性生殖はさらに特殊である。これらの藻類では細胞内で核が分裂し、多核になった後にそれらが遊走細胞となり、わずかの時間だけ運動をした後に、それらが群体の形に集合する。結果的には個々の細胞がそれぞれに新たな群体を形成するが、その間に多数の独立した遊走細胞となる点が奇妙である。なお、アミミドロでは成長段階で核が分裂して次第に多核となり、それらが娘群体の個々の細胞となるので、その群体を構成する細胞数は必ずしも一定ではない。それでも成長途中で細胞数を増やさない点は同じである。
 
後者の場合、いったんはバラバラになった細胞が改めて集合する点では、[[細胞性粘菌]]にも似ている。全体としてみると、この二つの藻類は、群体の性質には共通点があるが、その性質には大きな差がある。これらは、多細胞生物との関連より、むしろ[[原生生物]]に見られる細胞と個体のあり方の多様性の中で考えるべきものであろう。