「ショウジョウバエ」の版間の差分

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→‎ショウジョウバエの遺伝子名: 「dやD、Dmをつけること」は、現在は避けられているため修正 Noteも見て
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遺伝子の命名法は生物種によって多少異なる。ここではショウジョウバエについて紹介する。
 
突然変異の解析から同定された遺伝子は、最初に得られた変異体の表現型にちなんだ命名をされる。この場合、遺伝子はその機能と'''逆の'''名前がつけられる。遺伝子名は斜体で表記し、'''劣性'''変異は小文字で、'''優性'''変異は大文字で始める。近年は、ほ乳類などで解析が進んでいたものをショウジョウバエでも[[遺伝学|逆遺伝学]]的に研究する例も増え、その場合はしばしば ''D. melanogaster'' の省略である d や D、Dm を遺伝子名の前につけることが、かつてあった。論文等における発表では、このような表記が使われることはあるが、事実上の標準であるFlyBaseに登録されるとき、こうした接頭語は冗長であるとの理由により修正される。通常、遺伝子名は遺伝子記号と呼ばれる略称で表記される。初期に発見された遺伝子は一文字や二文字(例えば ''white'' は ''w'')だったが、近年では三文字以上を用いる。
 
例)遺伝子名(遺伝子記号)- 備考
*''white'' (''w'') - 白眼変異体の原因遺伝子。劣性変異。
*''Antennapedia'' (''Antp'') - 触角 (Antena) が脚 (pedia) になる優性のホメオティック変異の原因遺伝子。
*''Dmp53p53'' - ほ乳類の[[癌抑制遺伝子]] ''p53'' のショウジョウバエ相同遺伝子。
 
ショウジョウバエ研究者はウィットを利かせた(ときとしてダジャレのような)遺伝子名を付ける伝統を持つ。例えば ''[[musashi]]''(毛が二本になる→二刀流の宮本'''[[宮本武蔵|武蔵]]''')、 ''satori''(オスが交尾をしない→'''[[悟り]]'''の境地)、 ''hamlet''(神経になるべきかならざるべきか→シェークスピアの戯曲「'''[[ハムレット]]'''」)など。他生物種の研究者の中にはこのような習慣に否定的な意見をもつ人もおり、Nature 誌で議論がなされたことがあったが、ショウジョウバエ研究者は概ねこの伝統を誇りにしているようである。