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「建築学」における膜構造の歴史について
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[[Image:Olympiastadion 1.jpg|right|thumb|280px|ミュンヘン・オリンピアシュタディオン (吊構造)]]
[[画像:Tokyo dome.JPG|right|thumb|280px|東京ドーム (空気膜構造)]]
'''膜構造'''(まくこうぞう)は、その材料によって分類した場合の[[建築構造]]の一つ。骨組と専ら引張材である膜材料とその他の圧縮部材を組み合わせて構成するという手法であり、古来より使われている[[テント]]・[[天幕]]にもその特徴がみられる。主な形式として'''吊構造(サスペンション構造)'''・'''骨組膜構造'''・'''空気膜構造''' がある。主に博覧会のパビリオン・倉庫・ショッピングモール・競技場などに使われ、特に大空間を持つ建築物でその利点を発揮する。
 
== 歴史 ==
膜状の部材を[[ロープ]]で吊ったり、骨組に張り付けたりして雨露をしのぐという行為自体は、古来より[[テント]]・[[天幕]]という形で世界各地にみられたものである。しかし、これが[[建築学]]や[[構造力学]]の文脈で扱われるようになったのはごく最近、[[20世紀]]以降のことであった。
それまで学問として扱われてきた建築物は、硬く、頑丈なものばかりであった。
 
膜構造を本格的な構造形式として確立した人物として、建築家[[フライ・オットー]]が挙げられる。
20世紀後半、彼は[[石鹸]]の膜を使った実験などを重ねながら、軽やかで大らかな建築物を設計していった。「建築物」として評価され、用いられるようになった膜構造は、煉瓦や鋼や[[コンクリート]]などで工夫を重ねて実現してきた大スパン架構への、ひとつの新しい解となった。特に、100m以上のスパンを柱なしで飛ばすことのできる技術として、競技場の屋根などに好んで用いられる。
 
== 分類 ==
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*積雪荷重・風荷重を制御しにくい
*[[断熱]]・[[防音]]・[[遮音]]性能をもつ層を構成するのが困難
*湛水のダメージを受けやすい。雨水や雪が適切に排除されずに膜状に水たまりを形成すると、大きな荷重がかかって膜を破壊する。ニューマチック構造の[[ミネソタ]]の[[メトロドーム]]は、積雪で膜が破れ、しぼんでしまうという事故を起こした。
 
== 代表的な事例 ==