「下水道」の版間の差分

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===陥没===
下水管渠は物理的(土圧や車輌の重量、水圧、摩耗)、化学的(硫化水素等による腐食)、生物学的(樹木の根が水を求めて侵入する)に厳しい環境に長期間耐えなければならない。しかし、布設から数十年が経過した老朽管には損傷し、周囲の土砂を引き込んだ結果空洞を形成し、路面の陥没事故を発生させる例が全国で相次いでいる(平成17年度で6600件)。通行中の車や人が転落する事故も起きており、点検・更新が必要になっている。[http://www.mlit.go.jp/crd/city/sewerage/yakuwari/kaitiku_koushin.html]
これは戦後日本の下水道管が陶管・石管などの代わりに腐食に弱い[[ヒューム管]]といわれる[[鉄筋コンクリート]]製の管が使用されていきたことによる。下水管内は[[硫化水素]]などの腐食性のガスが発生し易い。汚水が滞留するなどした場合1年も持たない場合もある。管の内側にコーティングを施した製品もあるが、高価なので普及は進んでいない。下水管の交換には仮設のバイパスを設置するなど新設時の数倍の費用が掛かる。公共下水道の建設には国補助も多いがそれでも建設費の償還に苦しむ自治体が多い。将来、更に多くの自治体が下水道補修費用の負担に苦しむことになろう。
 
[[阪神大震災]]時においても処理場は比較的早く回復したが、管渠については時間が掛かっており、[[地震]]に対する脆弱性も問題であろう。