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構造 (張力について、インフレート作業)
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*[[断熱]]・[[防音]]・[[遮音]]性能をもつ層を構成するのが困難。
*湛水のダメージを受けやすいので、積雪荷重・風荷重に対し慎重な設計が求められる。雨水や雪が適切に排除されずに膜状に水たまりを形成すると、大きな荷重がかかって膜を破壊する。ニューマチック構造の[[ミネソタ]]の[[メトロドーム]]は、積雪で膜が破れ、しぼんでしまうという事故を起こした。
 
==膜構造建築物の設計と施工==
膜材料には以下のような特性がある。
*膜は圧縮応力を伝えない。
*膜は曲げ応力を伝えない。
*膜は自重を持つ。
膜構造建築物の設計において特に重要となるのは、膜材料に与える張力の調整である。例として、水平に敷いた[[シーツ]]のような布を指一本で下から突いて持ち上げる様子を思い浮かべてみると良い。その布がぴんと張られた状態 ('''初期張力が大きい''') であれば、布は[[四角錐]]に近い形状を呈しながら持ち上がる。しかし布がたるんだ状態 ('''初期張力が小さい''') で同じような動作をすれば、今度は布は緩やかな曲面を描くように持ち上がる。このように膜に与える張力を変化させることで、その形態は大いに変化する。想定する形状を実現するには、必要な張力を算定し、厳密に初期張力を加える必要がある。
 
[[施工]]においては、徐々に形が出来上がって完成形に近づいてゆく木造・石造・コンクリート造などの建築物とは異なり、膜構造建築物では'''最終段階までその形状が現れてこない'''場合もある。特にエアサポート構造では、加圧して屋根を膨らませる「インフレート」という工程を最後のわずか数時間で行う。競技場として著名な[[東京ドーム]]は、[[1987年]]6月28日の早朝、2時間半ほどで膨らまされ、完成をむかえた。<ref>東京ドームシティ公式サイトにて、インフレートのプロセスを記録した写真が公開されている。[http://www.tokyo-dome.co.jp/dome/shisetu/02.htm]</ref>
 
== 膜構造と設備 ==