「膜構造」の版間の差分

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膜構造の建築物には、以下のような形式がある。膜は引張のみに効く部材であり、膜単独で構造を成り立たせることは不可能である。膜に柱・骨組・内気などの圧縮部材を組み合わせることになる。なお、以下のように厳密に分類できるわけではなく、空気膜構造の形態でありながら骨組を持つもの、マストで吊ったものなど、これらの複合構造も存在する。
===吊構造===
サスペンション(suspension)構造ともいう。マスト等を立てて[[ケーブル]]を張り、膜材料を上方から吊るという、「'''[[テント]]'''」のような構造。重力を自然に感じさせるしなやかな曲面を生かした意匠が実現可能である。剛強な壁などの上に屋根をかけるものもある一方、博覧会の広場や鉄道駅の屋根、競技場のスタンドのように、剛強な構造をもたず自由な出入りの可能なものもある。その他にも設営の容易さを生かした仮設倉庫やイベント会場 (テントに近い) といった具合に、用途は広い。[[ミュンヘン・オリンピック]]の競技場および公園 (設計:[[フライ・オットー]]) などの例がある。<br />※なお、「[[吊構造]]」自体は膜以外の材料にも使われる構造形態であり、その例として[[代々木第一体育館]](設計:[[丹下健三]])がある。
 
===骨組膜構造===
鉄骨造・木造などの骨組を作って膜を張る。「'''[[提灯]]'''」をイメージすると良いだろう。現在建造中の[[北京オリンピック]]の水泳競技用スタジアム「北京国家水泳センター」(「水立方」の愛称で呼ばれる)は、鋼製のフレームに半透明の膜を張って膨らませ、水泡に包まれたような空間を創出している。