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Loveless (会話 | 投稿記録)
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'''焼結'''(しょうけつ、Sintering)は、[[固体]][[粉|粉末]]の集合体を[[融点]]よりも低い温度で加熱すると固まって'''焼結体'''と呼ばれる緻密な物体になる現象。'''焼成'''は、一般に'''焼結'''を目的とした加熱処理のことを指す。
 
== 現象 ==
焼結は[[温度]]によって加速される。焼結によって物体の外形寸法は小さくなり、物体全体として見た[[密度]]、[[強度]]、及び[[弾性率]]は大きくなる。焼結の過程において物体は完全な[[液体]]にはならないため、焼結体の形状は加熱前の形状がおおむね維持される。但し、粉末組成や温度などの不均一性、あるいは重力などの影響を受けて変形することもある。焼結によって形成される物体は[[多結晶体]]であることが多いが、[[アモルファス]]が形成されることもある。焼結の程度は物質の理想的な[[密度]]に対する比率、あるいは[[気孔|気孔率]]で表される。
 
== 機構 ==
互いに接触している粉末粒子は[[熱力学]]的に非[[平衡]]な状態にあり、表面の面積を減少する方向に物質の移動が起こり、粉末粒子間に結合が生じて緻密な物体となる。つまり焼結の駆動力は物質の表面が持つ[[エネルギー]]を最小にしようとする力、すなわち[[表面張力]]である。形状が凸形となっている部分から凹形となっている部分へ物質が移動することによって粒子間の接触面積が拡大し、粉末粒子間の接触面中心部付近から接触面周辺部へ物質が移動することによって粒子間の距離が短くなる。焼結は物質が移動する機構によって以下のように分類される。
*物質が[[固体]]内部の[[拡散]]現象によって移動するものが'''固相焼結'''である。
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*物質が気化し[[気体]]となって移動した後に凝固するものが'''気相焼結'''である。
 
== 制御 ==
焼結は[[セラミックス]]の製造や[[粉末冶金]]などにおいて広く利用されており、安定して製造するために様々な手法で制御される。
*加熱は[[熱力学温度]]で[[融点]]の90パーセント以上の温度が目安となるが、最適な温度は物質の種類、粉末の形状、粉末の充填状態などによって変動する。
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*焼結の促進や安定化のために焼結助剤と呼ばれる添加物を用いることも多い。
 
== 関連項目 ==
*[[セラミックス]]
*[[粉末冶金]]