「中英語」の版間の差分

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'''中英語'''(Middle(ちゅうえいご、Middle English)または'''中期英語'''(ちゅうきえいご)、'''中世英語'''(ちゅうせいえいご)は[[1066年]]の[[ノルマン・コンクエスト]]以後[[15世紀]]後半頃までの[[英語]]の名称である。文章に[[方言]]による大きな揺れが見られる。[[印刷]]の普及によって[[古英語]]の時代に用いられた[[ウェストサクソン方言]]にかわって[[ロンドン]]の方言(東アングリア方言)をもとに文語が形成された。またこのころの[[スコットランド]]南東部の[[ノーザンブリア方言]]がスコット人の話す[[英語]]いわゆる[[スコットランド語]]につながる。中英語以後1650年頃までを[[初期近代英語]]という。なお近代英語は中英語からの[[大母音推移]]を蒙ったため、両者の音韻組織は大幅に異なる。
 
==発音==
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:And palmeres for to seken straunge strondes
:To ferne halwes, kowthe in sondry londes;
::''([[ジェフリー・チョーサー]]、[[カンタベリー物語]]より)''
 
straunge は二音節 (straun-ge,)、palmeres は三音節 (pal-me-res) である。
 
==文法==
 
===名詞===
格語尾は単純化したが[[古英語]]の強変化、弱変化の区別は保たれた。以下の表を[[初期近代英語]]の語形 ''engel'' (angel) 、 ''nome'' (name) と比較されたい。
 
{| class="wikitable"
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engel -> engles に見られる'''強変化(engel)'''の複数 -s が一般化して現代語の複数形 -s(-es) になり、nome -> nomen に見られる'''弱変化(nomen)'''の複数 -n ''oxen'', ''children'', ''brethren'' など限られた単語にのみ残った。
 
===動詞===
概則では一人称単数現在形が -e (ich speke: ''I speak''), 同じく二人称が -(e)st (þou spekest: ''you speak'')、三人称が -eþ (he spekeþ: ''he speaks'') になる。(''[[þ]]'' は現代英語の "thanks" ''th'' のような音である)。弱変化の過去形は語尾に -ed(e), -d(e), -t(e) のどれかをつけ、[[分詞|過去分詞]]ではこの過去形の前に古英語の ge- に由来する i-、または y-(ときおり bi- も用いられる)をつける。強変化動詞では現代英語の不規則動詞と同じく動詞の[[語幹]]の[[母音]]を変化させる。例: binden -> bound (''bind -> bound'')
 
===代名詞===
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|}
 
一人称と二人称は綴りが多少変わっただけで[[古英語]]と大体同じである. 三人称では単数男性対格が 'him' になった。女性形は後に' she' に変わっていったが長い間' ho' も残存した。文語が安定していなかったので語形にれがある。
 
==主な文献と文例==
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:Of Engelond to Caunterbury they wende,
:The holy blissful martir for to seke,
:That hem hath holpen, whan that they were seke.'''
 
== 関連項目 ==