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'''濫獲/乱獲'''(らんかく)は、鳥獣や魚類の[[野生動物]]、および[[自然]]環境にある[[植物]]などの[[生物]]を無闇に大量捕獲すること。主に自然に増える速度を超えて、過剰に動物を獲り続けてしまうことを指す。関連する言葉としては、法で保護されている動植物を密かに捕獲する[[密猟]]や[[密漁]]がある。
 
== 概要 ==
これらは、その生物そのものやそこから得られる産品が持つ資産価値または利用価値のある[[動物]]や植物を無暗に捕獲、その数を急激に減らしてしまう行為である。このため、[[自然保護]]という観点はなおのこと、それら動植物を[[資源]]として見た場合の資源保護の観点から、乱獲は回避されるべきだという意見も近代以降活発に発せられるようになってきた。
 
=== 歴史的背景 ===
古くから[[人間]]は、自然との関係に於いて[[食料]]を得るために、伝統的に編み出された狩猟(→[[狩猟]])や[[漁業]]の方法を獲得している。これらは長い歴史の中で、乱獲にならない方法が経験的に確立されている場合が多い。例えば以下のような伝統的思想が見受けられる。
* 根絶やしにするような漁法が避けられる。
* 捕獲する期間を定め、それ以外のシーズンは捕獲しない。
* 幼い[[個体]]や[[育児]]期間にある個体は採取しないで、誤って捕獲したら解放する。
* 植物の場合は、[[群生]](→[[群れ]])しているコロニーを間引くように密度を下げる方向で産品を採取する。
* 必要十分な量が得られたら、それ以上は捕獲しない。
また、これらは捕獲する側の人間の絶対数の少なさにもよって、[[自然選択説|自然淘汰]]の圧力に若干多めに負荷が掛かる程度で、ほとんどその総数には影響しないといった事情も見出せる。
 
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ほか、食料資源や[[燃料]]([[照明]]用や[[油#工業用|機械油]])・工業原料として[[クジラ]]は積極的に捕獲され、消費されていった。しかし連綿と続いた[[捕鯨]]の歴史は、産業化されて以降に急速にその技術が発達、需要の増大にも絡んで過剰に捕獲してしまうようになり、数世紀にも及ぶ捕鯨産業は20世紀に入って資源保護の観点もあって国際的にほぼ全面禁止され、調査捕鯨や[[少数民族]]の伝統捕鯨以外は行えないようになった(→[[捕鯨問題]])。
 
=== その他の問題となっているケース ===
; [[チョウザメ]] : [[食通|美食]]として名高い[[キャビア]]やチョウザメの肉は、極めて高価な価格で取り引きされている。しかしチョウザメの生息域に位置する[[ロシア]]では経済マフィアが絡んでの密漁も横行、[[環境問題|環境汚染]]もあって急速にその数を減らしている。このため[[世界自然保護基金|WWF]]ロシア支局は2006年1月に異例の「キャビア消費自粛」を訴えるキャンペーンを行っている<ref>[http://www.wwf.ru/bezikry キャビア消費自粛キャンペーン]([[ロシア語]])</ref>ほか、同年に[[ワシントン条約]]事務局が[[カスピ海]]産キャビアの国際取引を[[n:ワシントン条約事務局、キャビアの国際取引を禁止|当面禁止]]した。なおこれは天然産のものに限り、養殖されたものは除外される。
; [[ビーバー]] : この水辺の動物は、その美しい[[毛皮]]が元で乱獲され、絶滅寸前にまで追い込まれた。[[帽子]]の材料として19世紀前半までに年間10~50万頭が乱獲された。この結果、ビーバーの数が激減して毛皮価格は高騰、到底帽子の原料として使えないまでになった。この後、[[シルクハット]]が発明され、[[流行]]はシルクハットに移行していったため毛皮の価値も下がり、乱獲されないようになっていった。後の手厚い保護にもより、次第に数は回復傾向にある。
; [[トキ]] : かつてはアジア・極東地域ではありふれた鳥で、日本では装飾用のほか食用([[薬膳]])としても親しまれていたが、[[色名一覧 (と)|朱鷺色]]と呼ばれる美しい羽や食用のために乱獲され、また環境汚染によって絶滅に瀕し、日本地域に僅かに確認された個体を手厚く[[人工繁殖]]しようとしたが失敗、後に絶滅していたと思われていた[[中華人民共和国|中国]]奥地で群れが残っていることが確認されたが、日本のトキは絶滅した。現在は中国で確認された群れの保護と繁殖が進められている。日本では日本産トキで培った飼育技術を生かし、中国産トキの人工繁殖を進めている。
 
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== 脚注 ==
<references />
 
== 関連項目 ==
* [[人工繁殖]]
 
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