「水酸化鉄」の版間の差分

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Calvero (会話 | 投稿記録)
m en:Iron hydroxide はリダイレクトなのでとります
銀猫 (会話 | 投稿記録)
酸化水酸化鉄への分割も考慮しましょうか。
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'''水酸化鉄'''(すいさんかてつ)は[[鉄]]の[[水酸化物]]である。鉄の[[酸化数]]により水酸化鉄(II)、水酸化鉄(III) が存在する。
ただし水酸化鉄(III)は後述の通り慣用的な名称であり、実際の構造は酸化水酸化鉄(III)などであることが判明している。
 
== 水酸化鉄(II) ==
'''水酸化鉄(II)'''は、Fe(OH)<sub>2</sub> で表される鉄の水酸化物である。これは、
無色から淡緑色の結晶である。
鉄(II)イオンを含む溶液に酸素が存在しない状態で[[水酸化ナトリウム]]を滴下すると生じる。
酸素が存在する状態では容易に酸化されて水酸化鉄(III)へと変化する。
 
== 水酸化鉄(III) ==
'''水酸化鉄(III) '''は、Fe(OH)<sub>3</sub> で表される鉄の水酸化物である。[[塩化鉄]]水溶液を[[沸騰水]]中に滴下すると生成する。このときの水酸化鉄(III) は[[コロイド]]である。また、鉄(III) イオンを含む溶液に水酸化ナトリウムを滴下しても[[沈殿]]として生じる。
しかし実際には鉄と水酸化物イオンが1:3の比率で含有しているような化合物は知られていない。
 
天然に[[鉄鉱石]]として、[[針鉄鉱]]、[[赤鉄鉱]]、[[鱗鉄鉱]]、[[褐鉄鉱]]などが水酸化鉄(III)の一種として発見されていたが、これらはいずれも酸化水酸化鉄(III)(FeO(OH))の組成を持つことが判明している。これらの鉱石は[[多形]]の関係にある。
 
針鉄鉱&alpha;-FeO(OH)に相当するものは、水酸化鉄(II)を低温で[[空気酸化]]した後、得られた[[アモルファス]]を熱処理することで生成する。
赤鉄鉱&beta;-FeO(OH)に相当するものは、[[塩化鉄|塩化鉄(III)]]を[[加水分解]]することで生成する。
鱗鉄鉱&gamma;-FeO(OH)に相当するものは、水酸化鉄(II)を[[亜硝酸]]で酸化すると得られる。
これらの酸化水酸化鉄(III)は加熱するといずれも脱水して対応する[[酸化鉄|酸化鉄(III)]]が生成する。
 
鉄(III)イオンを含む溶液に水酸化ナトリウムを滴下した場合に生じる[[ゲル]]状の[[沈殿]]の組成は酸化水酸化鉄(III)か、あるいはさらに脱水まで進行した酸化鉄(III)と考えられているが、詳細は明らかにはされていない。
 
高校化学の示演実験において[[塩化鉄]]水溶液を[[沸騰水]]中に滴下して水酸化鉄(III)の[[コロイド]]溶液を調製することが行なわれる。
 
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