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'''先進型閉囲マスト/センサー'''(せんしんがたへいいマスト/センサー Advanced Enclosed Mast/Sensor, '''AEM/S)S''')とは、[[アメリカ海軍]]が開発した艦船における[[ステルス (軍事)|ステルス]]性を考慮した[[マスト]]の装備方式である。
 
== 概要 ==
[[Image:USSArthurWRadfordDD-968.jpg|right|thumb|300px|right|米海軍スプルーアンス級駆逐艦 アーサー・W・ラドフォード]]
現代の船におけるマストは高所に電子機器波装置を設置する所として重要なものである。しかし、大型構造物であるため敵のレーダー波に対するして反射面積が大きくなり、軍艦においては[[ステルス (軍事)|ステルス性]]に対する障害ともを損なっていた。そこで各国海軍では、マストのレーダー波反射面積(RCS)を減少する方法として,
マスト全体を構造物で覆うことを研究している。先進型閉囲マスト/センサー(Advanced Enclosed Mast/Sensor、'''AEM/S''')はこれらのうちの米国海軍で実用化した技術の名称である。他国の軍艦でも同様の技術に対しては同じ名称で呼ぶことがある。
 
== 技術 ==
そこで、アメリカ海軍では、マストのレーダー波反射面積減少の方法と一つとして、マスト全体を構造物で覆うことを研究することとなった。これが先進型閉囲マスト/センサー(Advanced Enclosed Mast/Sensor)であり、AEM/Sとも略称される。これはマスト全体を[[グラスファイバー]]を中心とした構造材で覆ってしまうもので、外形を単純化することにより、レーダー反射面積を減少させている。当然のことながら、内部に収納された機器の電波は透過するようになっている。
これは船舶に形状制御技術を使用した例であり、マスト全体を平面多面体で構成された、FRP(Fiber Reinforced Plastic)などの遮蔽材で覆い、多面体内部のレーダーなどの電波装置の特定周波数の電波だけを通過させるようにしたもの。<br>
FSS(Frequency Selective Surface)技術と呼ばれる、短形やダイポール状の導電抵抗素子が誘電体表面に適切な間隔で周期的に配置されたものや、金属板スロットが等間隔で配置されたもので多面体が構成されている。
 
これらの技術により、敵レーダー波の反射を特定の方向に極限化することにより、大多数の方向からの敵のモノリシック・レーダー波に対する反射面積を減少させると同時に、自らの電波装置は従来通り使用できる。<br>
[[1997年]]5月に[[スプルーアンス級駆逐艦]][[アーサー・W・ラドフォード (駆逐艦)|アーサー・W・ラドフォード]] (USS Arthur W. Radford, DD-968) に試験目的で、このシステムの設置が行われた。試験の結果は概ね良好であり、電子機器が外部に暴露していないことから、[[海水]]・[[天候]]の影響による[[アンテナ]]の劣化が少なくなり、メンテナンスが容易になるという利点もあることが判明した。
ただ敵のレーダーが自艦のレーダーと同波長であれば多面体の遮蔽材をほぼ透過するので、この技術によるステルス性は失われる。遮蔽材内部の電子機器が外気に曝される事が無いので、動作不良減少や保守減少、寿命延長といった副次効果も期待できるが、空気抵抗が増す短所もある。
 
== 適用艦 ==
[[1997年]]5月に[[スプルーアンス級駆逐艦]][[アーサー・W・ラドフォード (駆逐艦)|アーサー・W・ラドフォード]] (USS Arthur W. Radford, DD-968) に試験目的でこのシステムの設置が行われた。試験の結果は概ね良好であったため電子機器が外部に暴露ないことから、[[海水]]・[[天候]]の影響本技術が採用され[[アンテナ]]の劣化が少なくなり、メンテナンスが容易方向なるという利点もあることが判明した
 
[[サン・アントニオ級ドック型輸送揚陸艦]](2000(1番艦「サン・アントニオ」は20061月14日から起工就役の9艦において実用化がなされ、同級ではこのテムを2基搭載しつ持っている。
 
[[サン・アントニオ級ドック型輸送揚陸艦]](2000年から起工)において実用化がなされ、同級では、このシステムを2基搭載している。
[[Category:軍艦|せんしんかたへいい]]
 
[[en:Advanced_Enclosed_Mast/Sensor]]