「クレオール化」の版間の差分

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言語学での「クレオール化」
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== クレオール化の広がり ==
奴隷制植民地社会では、ヨーロッパ諸語が正統言語あり、[[クレオール語]]は奴隷の「[[粗野]]で崩れた方言」とみなされた。公用語であるヨーロッパ諸語能力は、良い仕事や権力・権威に関連する領域に参入するための前提だからである。その優位状況は現在も基本的には変化しておらず、また自分を「複数言語使用者」として認知する人々はまだ少数派である。
 
しかし、1970年代以降の地域[[ナショナリズム]]の高まりのなかで、フランス語系クレオール語を中心にクレオール語・クレオール文化復権運動が起こった。また言語学におけるピジン・クレオール研究が進展したことにより、クレオール語の言語としての自立性が広く認識されるようになったことも、クレオール語復権の動きに深くかかわっている。クレオール語に対するヨーロッパ諸語の優位状況は基本的に変化していないが、今日ではどのような社会階層であろうと、クレオール語の価値、存在を全面否定するということはなくなった。クレオール文化復権運動というものは、クレオール語を認知することで多重言語状況を肯定し、それを正の遺産へ転化しようとするものである。これは、さまざまな言語に接触し、そこから新しい言語を創造するという体験を重ねてきたカリブ海の人々ならではの柔軟な思考に基づくものである。
しかし、1970年代以降の地域[[ナショナリズム]]の高まりのなかで、フランス語系クレオール語を中心にクレオール語・クレオール文化復権運動が起こった。また言語学におけるピジン・クレオール研究が進展したことにより、クレオール語の言語としての自立性が広く認識されるようになったことも、クレオール語復権の動きに深くかかわっている。
 
しかし、1970年代以降の地域[[ナショナリズム]]の高まりのなかで、フランス語系クレオール語を中心にクレオール語・クレオール文化復権運動が起こった。また言語学におけるピジン・クレオール研究が進展したことにより、クレオール語の言語としての自立性が広く認識されるようになったことも、クレオール語復権の動きに深くかかわっている。クレオール語に対するヨーロッパ諸語の優位状況は基本的に変化していないが、今日ではどのような社会階層であろうと、クレオール語の価値、存在を全面否定するということはくなった。クレオール文化復権運動というものは、クレオール語を認知することで多重言語状況を肯定し、それを正の遺産へ転化しようとするものである。これは、さまざまな言語に接触し、そこから新しい言語を創造するという体験を重ねてきたカリブ海の人々ならではの柔軟な思考に基づくものである。
 
== 脚注 ==
<references/>
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*[[脱クレオール化]]
 
== 関連参考文献 ==
*季刊「民族学」105 2003夏-カリブ海世界 ディアスポラとクレオールの島々-(文:石塚道子)
 
== 外部リンク ==
* [http://www.mfj.gr.jp/colloque_9910/resume/Tsunekawa.html クレオールの問題系 クレオール語、クレオール化、クレオール性] 恒川邦夫