「生ごみ処理機」の版間の差分

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'''生ごみ処理機'''(なまごみしょりき)とは、[[生ごみ]]などの[[有機物]]を処理する[[家電製品]]のこと。[[食器洗い乾燥機]]、[[IHクッキングヒーター]]と並び[[三種の神器 (電化製品)#キッチン三種の神器|キッチン三種の神器]]の一つ。'''バイオ式生ごみ処理機'''と'''乾燥式生ごみ処理機'''がある。'''乾燥式生ごみ処理機では堆肥は出来ない。'''
 
== 普及の背景 ==
普及の背景には、[[ごみ問題]]がある。各自治体が収集するゴミごみの総量は年々増加している。それに合わせ処理能力も拡大しているが、依然としてゴミは大きな社会問題でありつづけている。特に生ゴミごみは、水分量が大きいため輸送、焼却にかかるコストが大きい。そのため、一部の自治体では補助金を出すなどの普及活動を行っている。また、近年の[[エコロジー]]への意識の高まりも普及に一役立っている。このような背景を元に、排出源である各家庭での生ごみ処理法として生ごみ処理機が注目、推進されている。
 
== バイオ式と乾燥式 ==
生ごみ処理機は大別して、'''バイオ式'''と'''乾燥式'''の二つがある。'''バイオ式'''は、[[微生物]]に適した環境を作り、微生物が有機物を酸化分解し堆肥を作る。対して、'''乾燥式'''は温風等による加熱によって、生ごみ中の水分を蒸発させ、生ゴミの減量化と微生物の不活性化による衛生化を行う。
 
'''ハイブリッド式'''というタイプも販売されているが、これは最終的に微生物によって有機物の酸化分解が行われているためバイオ式に分類される。通常のバイオ式との差は、投入直後に送気による乾燥を行う点である。
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:バイオ式生ごみ処理機は、微生物、特に[[好気性生物|好気性微生物]]によって生ごみ等の有機物を酸化分解し、最終的には[[二酸化炭素]]と[[水]]までに分解し、これによって、生ごみの減量化や汚物感、汚臭の解消を行う。そのため、バイオ式生ごみ処理機の機能は、好気性微生物に適した環境を作ることである。''堆肥化のメカニズムは[[堆肥化]]が詳しい。''
;要求される機能
*保温と加熱 ‐ 40℃前後で好気性微生物の活性が上がり、分解が促進される。そのため、保温や加熱によって生ごみの温度を上昇させると効率よく分解が進む。また、寒冷地、冬季は温度を維持するためのエネルギーが多く必要になる
*攪拌と送気 ‐ 好気性微生物は酸素を必要とするため、攪拌や送気によって酸素を供給する必要性がある。大半のバイオ式生ごみ処理機には攪拌機能がある。これによって生ごみを細かくせん断攪拌し、酸素供給を行いやすくするともに、生ごみを混合し酸素勾配を均一にする目的がある。
*脱臭装置 ‐ バイオ式からは悪臭ではないが独特の発酵臭がするため、脱臭装置が必要となる。脱臭方法は主に、生ごみと一緒に[[活性炭]]や[[ゼオライト]]などのチップを混ぜる方法と排気口で白金触媒による脱臭する方法がある。それでも完璧には、脱臭されないため基本的には屋外に設置するタイプが多い。
*水分調節 ‐ 水分が多すぎると通気性が阻害され酸素供給が滞ってしまい、逆に水分量が少なすぎても微生物が活発に活動できない。そのため、適正な水分量を調節するため、水分センサーが備わっている機械が多い。生ごみのほとんどは水分であるため、生ごみを過剰に投入すると水分過多になってしまうことがままある。それを和らげるため、定期的に木屑などのチップを入れて、水分に対する緩衝能を高める必要がある。また、ハイブリッド式は温風を送気することにより生ごみを乾燥させ、適正な含水率に保つため追加チップを要さないのを売りにしている。
;メリット
*'''堆肥ができる''' ‐ バイオ式の最大の利点。二次発酵を必要とするが、ほとんど完全な状態の堆肥が出来る。
*ランニングコストが安い - 微生物の力を借りて、分解を行うため比較的ランニングコストがかからない。
 
=== 乾燥式生ごみ処理機 ===
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*脱臭機能 ‐ 乾燥型は、主に屋内型が多いため特に脱臭機能は要求される。主に白金触媒による脱臭方法が多い。
;メリット
*室内に設置できる ‐ チップを要しないため比較的コンパクトであり、匂いも少ないので、室内に設置が出来る。
*手間が少ない ‐ 機械的に蒸発を行うため、バイオ式のように微生物の生育環境を整えなくても良い。
*短時間で出来る ‐ バイオ式のように時間をかけなくとも良い。
*使えない地域がない ‐ 寒冷地で使用できる。バイオ式は屋外設置が多い温度を要求するため設置できない地域がある。
 
=== 設計思想の異なり ===
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[[堆肥化]]には、大別して一次発酵と二次発酵の段階がある。一次発酵は易分解性の有機物([[糖類]]、[[アミノ酸]])が分解される。高い発酵温度を要求する段階だ。次に、難分解性の有機物([[セルロース]]、[[リグニン]])が分解される二次発酵が起こる。この発酵は常温でゆっくりと進む。この二つの過程を経て完全な堆肥が出来上がる。
 
バイオ式生ごみ処理機は、この主に第一段階を行うものである。そのため、堆肥として使用するためには、一ヶ月ほど土中などで二次発酵を行う必要性ことによって完全な堆肥出来る。

対して、乾燥式生ごみ処理機は堆肥化はまったく行われていない。単純に乾燥しただけだ。もし仮に乾燥した生ごみを肥料として施肥を行った場合、水分を吸収して生ごみに戻り、様々な害を出すだろう。例えば、悪臭、根ぐされなどが考えられる。乾燥した生ごみを堆肥として使用するには、もう一度加水などを行って微生物が生息できる環境を整えて堆肥化を行わなければならなく、二度手間い。堆肥化なっおいしま乾燥式生ごみ処理機の優位性は、多大な生ごみの水分を初めに除去できると言点であり、あくまでも堆肥はできない一部の家電製品メーカーはこの乾燥した生ごみを堆肥素材と呼んでいる。
 
==省エネ問題==