「兵士の物語」の版間の差分
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'''兵士の物語'''(へいしのものがたり)は[[1918年]]に発表された[[劇場]]作品。[[シャルル・フェルディナン・ラミュ]]作の[[台本]]に[[イーゴリ・ストラヴィンスキー]]作曲の音楽が演奏される。舞台上、[[下手]]には七人からなる小[[オーケストラ]]、[[上手]]には語り手、兵士、悪魔、の三人の人物が登場する(原作に台詞はないが王女の役を加えることも可能)。オーケストラは[[弦楽器]]、[[木管楽器]]、[[金管楽器]]のそれぞれから高音と低音を受持つものを選び、[[打楽器]]を加えた七重奏、すなわち[[ヴァイオリン]]、[[コントラバス]]、[[ファゴット]]、[[クラリネット]]、[[トランペット]]、[[トロンボーン]]、それに打楽器である。打楽器は作曲者本人の指定を多少改変した[[トライアングル]]、[[タンバリン]]、[[スネア]]付き[[小太鼓]]二台に[[中太鼓]]、[[バスドラム]]に[[シンバル]]が用いられる。この独特な編成は、作曲された[[第一次世界大戦]]直後の人も物資も不足した状況を反映している。▼
『'''兵士の物語'''』(へいしのものがたり)は[[1918年]]に発表された[[劇場]]作品。[[シャルル・フェルディナン・ラミュ]]作の台本に[[イーゴリ・ストラヴィンスキー]]作曲の音楽が演奏される。
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多彩な作風を持つ作曲者のロシア時代と新古典派時代の境目の作品で、題材に[[民族主義]]、規模やそれぞれの楽器のソリスティックな扱いに[[コンチェルト・グロッソ]]、また[[タンゴ]]や[[ラグタイム]]の活用やリズムの扱いに[[ジャズ]]などのさまざまな要素が作曲者の個性によって統一された作品である。▼
▲多彩な作風を持つ作曲者のロシア時代と[[新古典
演奏はだいたい一時間かかるが、その半分程度の[[組曲]]版も存在する。後者は作曲者本人によりヴァイオリン、クラリネット、[[ピアノ]]のための[[三重奏]]にも編曲された。▼
初演はラミュとストラヴィンスキーの友人でもある[[エルネスト・アンセルメ]]の指揮により[[1918年]][[9月28日]]に[[ローザンヌ]]にて行われた。組曲版の初演は[[1920年]]。出版は[[1924年]]に[[チェスター社]]から。
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== あらすじと音楽 ==
=== 第
[[ロシア]]兵のジョ
* ''兵士の行進''(語りつきの軽快な行進曲)
兵士は肩に背負った袋からヴァイオリンを取り出して弾き始める。傍らには婚約者の写真。
* ''小川のほとりのアリア''
悪魔が老人に化けて突然現れる。字が読めないというジョ
旅に戻ったジョ
* ''パストラル''
傍らの悪魔に気づき悪態をつくジョ
ジョセフは昔のようになる秘密を求めて本のページをめくる。▼
女商人に化けた悪魔がジョセフの仕事場に現れる。商売に興味を失ったジョセフに彼の古びたヴァイオリンを差し出す。彼は言い値で買うが、もはやヴァイオリンは鳴らない。''小川のほとりのアリア''繰り返し。ジョセフはヴァイオリンを舞台袖に投げつけ、本を粉々に引き裂く。▼
===第二部===▼
ジョセフは当てもなく旅に出る。''兵士の行進''繰り返し。とある酒場で国王の娘が原因不明の病気で長年床に伏しているという話を耳にする。病気を治したものはその姫と結婚できるという。ジョセフは軍医をかたって王の城に向かう。▼
▲女商人に化けた悪魔がジョ
王宮の控えの間でトランプで運試しをするジョセフの前にヴァイオリンをもった悪魔が現れる。語り手は、悪魔の金を返してしまえば昔のようになれるとジョセフをそそのかし、悪魔と賭けトランプをするようにしむける。語り手の言う通り、勝ち続けた悪魔は倒れてしまう。ジョセフはヴァイオリンを取り戻すと、王女の部屋へ向かう。▼
▲ジョ
* ''
▲王宮の控えの間でトランプで運試しをするジョ
ジョセフは王女の部屋でヴァイオリンを弾き始める。王女はゆっくりと起きだし寝床を出て踊り始める。▼
* ''小コンサート''(コルネット、クラリネット、ヴァイオリンを中心とした[[変拍子]]の行進曲)
* ''三つの舞曲''(ヴァイオリンの技巧の冴える舞曲)
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** ''ラグタイム''
手に手を取る王女と兵士の前に、初めて仮装なしの悪魔が現れ
- ''悪魔の踊り''(ヴァイオリンが 16部音符を激しく刻むアレグロ)
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悪魔は倒れ、王女と兵士は悪魔を舞台から引きずり去る。喜びの抱擁。
* ''小さな[[コラール]]''
悪魔は頭だけ舞台裏から突き出し悪態をつく。かまわず抱擁を続けるジョ
* ''悪魔の歌''(弦楽器の刻む
* ''大きなコラール''
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:二つの幸せは無かったのと同じ。''
▲悪魔の警告を知りつつも望郷の念に駆られ、城を抜け出すジョセフと王女。国境を越えた瞬間、待ち伏せた悪魔の弾くヴァイオリンに吸い込まれていくようにジョセフは舞台から去る。
* ''悪魔の勝利の行進曲''(不協和音を響かせるヴァイオリンを中心とするオーケストラは激しく打ち続ける打楽器に収束していく)
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{{reflist}}
[[Category:ストラヴィンスキーの楽曲]]
[[Category:管弦楽曲]]
[[Category:室内楽曲]]
[[de:Histoire du Soldat]]
[[fr:L'Histoire du soldat (pièce musicale)]]
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