「ペレンノール野の合戦」の版間の差分

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== 結果 ==
両軍とも大きな犠牲を出した。著名な犠牲は、ゴンドール側では執政デネソール、ローハン王セオデン、ローハンの[[グリムボルド]]、ゴンドールの[[フォルロング]]、[[ドゥネダイン]]の野伏[[ハルバラド]]などである。モルドール側の損傷も大きかったが、モルドールにはさらに大軍を集めるだけの余裕があった。モルドール側にとっての最も大きな犠牲は、アングマールの魔王の消滅であった。
 
== 映画での描かれ方 ==
映画『王の帰還』でもこの戦いは描かれているが、いくつかの点において異なっている。これは数個の勢力が同時に各地で活動したため、重要なシーンを最後の戦闘に集中させるためにストーリーを転換したこと、、および映画という手段に由来する限界によると思われる。
=== 攻城戦の描き方 ===
* 原作では、城内の非戦闘員は既に退去しているが、映画では非戦闘員も主に市街地に多数残っている。市街戦の凄惨さを描くためであろう。
* モルドール側の攻撃は主に投石と攻城櫓によって行われる。映画版では後者も一定の成果を発揮し、いくつかは城壁を超えることができた(迎撃されて全滅したように思われるが)。原作の描写では城壁は超えられないほどに高いとされているが、これに完全に中立になると物理力による攻城戦は不可能になってしまう。城門の突破など原作でモルドール軍があげた戦果はアングマールの魔王の力によるところが大きく、彼のもたらす「恐怖」やガンダルフの神秘的な力は映画では描きにくいという点もあるため、あくまで物理力による攻撃でモルドール側が有利に戦いを進めたと描くしかなかったのだろう。
* ゴンドール側も投石によって破壊された城壁の石を、塔に設置した投石機で投げ返しかなりの戦果をあげる。一方的に攻撃にさらされていた原作とは大きく異なる。
* 原作ではアングマールの魔王が馬に乗って城内に入る場面があるが、映画で侵入してきたのはトロルと大量のオーク兵だった。このため、守備兵も逃げることなく応戦する。
* 原作では城門が突破され魔王とガンダルフが対峙しただけで援軍が到着し、ここで攻城戦は終わるが、映画では敵が第1環状区に侵入し、市街戦が行われる。このため守備兵は第2環状区以内に退却する。上にも述べたように、戦闘シーンを描かなければゴンドールの劣勢を表現できないからであろう。
* 原作では主戦場ペレンノール野に移った後に、城内の守備兵が城門付近の敵を蹴散らして打って出る。しかし映画ではこれが描かれず、最後まで城内に立てこもったままである。
=== ローハン軍の描き方 ===
* 原作において、ローハンの騎兵がハラドのムマキル部隊と実際に戦うところは描かれず、戦闘は主にハラドの騎兵、歩兵を相手に行われている。しかし映画では、ムマキル部隊と実際に戦うシーンがある。巨大なムマキルに対して騎兵で挑むというのは無謀そのものだが、これも敵の強大さを描くためだろう。
* 原作において敵の首領を打ち取り軍旗を馬で踏みにじるなどの手柄をあげたセオデン王だが、映画では最初の突撃以外にはさほど活躍することなくアングマールの魔王に倒される。
* セオデン王の最期において、原作ではエオメルに王位を譲る描写があるが、映画では戦場に取り残され、エオウィンに看取られて崩御する。また原作のエオウィンは力を使い果たして(加えて呪いで)倒れているはずであり、セオデンも彼女はエドラスに留まっているものと思い込んでいるはずであるが、ここも変更されている。
* 原作では大河を遡って来た艦隊をエオメルが挑発する描写があるが、これは省略された。
=== アラゴルンの描き方 ===
* 映画では「死者の軍勢」の登場する戦いが全く異なる。原作ではウンバールの船を奪うために彼らに戦いを命じ、ここで彼らを解放するのだが、映画ではペレンノール野の戦闘に投入し、城内の敵も一掃させている。この違いは、映画では原作において用いられた回想という方式が使いにくいことによるだろう。敵の船から味方が出てくるのは十分な「サプライズ」なのだが、なぜ死者ではなく生身の人間が乗っているのか説明するために原作のような回想シーンを用いるのは煩雑だからである。
* アルウェンの手になる王旗は登場しない。映画では、このときのアルウェンは衰弱して死にかけているという設定になっている。
* 戦闘と直接に関係はないが、アラゴルンの持っているアンドゥリルはエルロンドが後からナルシルを打ち直して持って来たものとされている。なお原作では裂け谷を出る段階で既に完成している。
 
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