「結合角」の版間の差分

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引用先の中心角の定義が定義になっていなかったため、中心角という言葉を使わないように書き直しました。
Calvero (会話 | 投稿記録)
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'''結合角'''〈けつごうかく、bond angle〉とは[[分子構造]]の構造要素の一つで、それぞれの[[原子]]から伸びている二つの化学結合のなす角度を示す。'''原子価角'''〈げんしかかく valence angle〉とも言う。結合相手の原子の方向が化学結合の方向だとして計算される角度を結合角とみなすこともあるが、bent bondを形成していると考える場合はこれらは一致しない。
[[Image:Methane-3D-balls.png|thumb|120px|[[メタン]]の分子模型。H−C−H結合角は109.28度。水素原子はそれぞれ[[三角錐|正四面体]]の頂点に位置する]]
[[Image:Ethylene-3D-balls.png|thumb|120px|[[エチレン]]の分子模型。H−C−H結合角は約120度]]
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'''結合角'''けつごうかく、bond angle〉angle)とは[[分子構造]]の構造要素の一つで、それぞれの[[原子]]から伸びている2つの化学結合のなす角度を示す。'''原子価角'''げんしかかく valence angle〉angle)ともう。結合相手の原子の方向が化学結合の方向だとして計算される角度を結合角とみなすこともあるが、bent bond を形成していると考える場合はこれらは一致しない。
 
[[分子軌道]]は[[混成軌道]]関数の方向因子によって決定づけられるため、結合角も結合の不飽和度の違いにより変化する。すなわち[[炭素]]の場合sp<sup>3</sup>軌道の[[メタン]]は109.28度の'''正四面体角'''せいしめんたいかく、tetrahedral angle〉angle)であり、sp<sup>2</sup>軌道の[[エチレン]]は120度、sp軌道の[[アセチレン]]は120180度の結合角をもつ。
 
結合角は[[孤立電子対]]が存在すると混成軌道に影響を与えるため、同一元素周期元素の水素化物である[[メタン]]、[[アンモニア]]、[[水]]とを比較すると、孤立電子対の数に応じてアンモニア〈1(1、水〈2(2の順に結合角がわずかに小さくなっている。すなわち、sp<sup>3</sup>軌道と孤立電子対の軌道との反発あるいは孤立電子対軌道同士の反発により結合角はわずかに変化する。〈記事 [[原子価殻電子対反発則]] に詳しい)。
 
結合角に関する「3つの原子の位置で作られる角度」と「結合角」とは必ずしも一致しない。これは[[σ結合]]が同一軸上に存在する場合に結合力が最大ではあるが、並行する[[π軌道]]から構成される[[π結合]]にも結合力が働くように、σ結合が同一軸上無くとも結合力が減弱するだけで結合自体は形成される。この様に同一軸上無いσ結合による結合はBent bent bond と呼ばれる。
 
==参文献==
* 結合角、『岩波理化学辞典』、第5版 CD-ROM版、岩波書店、1999年。