「ベレムナイト」の版間の差分

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生時のベレムナイトが軟体部の後端にある房錘で浮力を生じると、軟体部は水より比重が大きいので頭が下を向いてしまう。しかし、さらに後ろにある鞘は中まで緻密に詰まった石灰質の硬い塊であるために比重が大きく、ここで浮力を相殺してバランスをとることができる。つまり遊泳時のベレムナイトには、房錘で上向きの、軟体部と鞘で下向きの力が働き、一種の天秤のような機構が姿勢の水平を保っていたと考えられている。
 
ベレムナイトの殻は[[方解石]]からなり、一般に化石としての保存状態が良い。殻の鞘の部分の断面には、放射状に伸びる方解石の[[結晶]]と同心円状の成長線が観察される。また殻は化学分析の試料に適しており、試料中の[[同位体]]比から生存時の古水温を復元する用途にもよく用いられる。[[アメリカ]][[サウスカロライナ州]]の Pee Dee 層から産出するベレムナイトは PDB('''P'''ee '''D'''ee '''B'''elemnite)と呼ばれ、炭素同位体比(<sup>13</sup>Cと<sup>12</sup>Cの割合)の標準物質として利用されている。
 
== 殻以外の特徴 ==