「テッベ試薬」の版間の差分

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チタノセンジクロリドと2等量のトリメチルアルミニウムを混合することにより、[[メタン]]の発生を伴いつつテッベ試薬が生成する。
 
Cp<sub>2</sub>TiCl<sub>2</sub> + 2AlMe<sub>3</sub> → Cp<sub>2</sub>TiCl(CH<sub>2</sub>)AlMe<sub>2</sub> + AlMe<sub>2</sub>Cl +CH<sub>4</sub>
 
==反応==
[[アルデヒド]]、[[ケトン]]などの[[カルボニル]]化合物と反応し、対応するオレフィンを与える。穏和な条件下、[[立体障害]]の大きなカルボニル基やエノール化しやすい基質とも反応するので、他の反応でうまくいかない場合にもオレフィン化が可能になることがある。また多くの場合[[ウィッティヒ反応]]では不可能な[[エステル]]、[[アミド]]、チオールエステルなどとも反応し、対応するエノールエーテル・[[エナミン]]など・ビニルスルフィドを与えるため合成的に利用価値が高い。
 
反面、メチレン化しかできない、[[ルイス酸]]に弱い基質には適用できない、空気中では[[発火性]]があるため、[[窒素]]や[[アルゴン]]などの不活性ガス雰囲気下で取り扱う必要があるなどが難点である。
[[画像:Tebbe反応.png|400px|center|テッベ試薬の反応]]
 
==反応機構==
[[ルイス塩基]]の作用によって生成するチタン[[カルベン錯体]]Cp<sub>2</sub>TiMeTi=CH<sub>2</sub>が活性種であると考えられている。ただしこの中間体は反応性が高く、単離・観測には成功していない。チタン原子と酸素原子の強い親和性が、この反応の駆動力になっていると考えられる。
 
==応用==
[[アリル]]エステルに作用させるとアリルビニルエーテルが得られ、これを加熱すると[[クライゼン転位]]を起こすため骨格変換に用いることができる。
 
==関連試薬==
*ペタシス試薬……Cp<sub>2</sub>Ti(CH<sub>3</sub>)<sub>2</sub>の構造を持つ。熱分解によりメタンを発生してテッベ試薬と同じ活性種Cp<sub>2</sub>Ti=CH<sub>2</sub>を生じ、同様なオレフィン化反応に使える。
 
==関連項目==
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*[[ピーターソン反応]]
*[[ジュリア反応]]
 
*[[ペタシス試薬]]
 
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