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たとえば[[王羲之]]・[[王献之]]の親子、いわゆる「二王」には真筆が遺されていない。自然に散逸した結果であるが、代表作「[[蘭亭序]]」だけはせっかく真筆が残っていながら、[[唐]]の[[太宗 (唐)|太宗]]の過剰な独占欲のために陵墓に埋められ、残る機会を失うという不幸に見舞われた。我々がそんな「二王」の書蹟を知ることが出来るのは、この模刻によって累々と書蹟が伝写されて来たからに他ならない。事実、蘭亭序の善本とされるものの中には「神龍半印本」「定武本」のような模刻本が存在する。またこの親子だけでなく、もし模刻が存在しなければ書蹟が伝わることのなかった有名書家も数多い。
 
このようなことを考えると、書道界における模刻の功績は決して軽くはなく、むしろその存在に負うところが多いことが分かる。このため模刻本と対することは書道研究の上で避けられない事態であり、そのような時は「模刻」という行為の特性とその行為がはらんでいるリスクを理解した上で、よく考えて用い対応する必要がある。
 
==参考文献==