「ファミリーコンピュータ」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
11行目:
|メディア = [[ロムカセット]]<br />[[クイックディスク]]<br />([[ファミリーコンピュータ ディスクシステム|ディスクシステム]])<br />[[コンパクトカセット]]<br />([[スタディボックス]])<br />([[ファミリーベーシック]])
|ストレージ = [[バッテリーバックアップ]]
|コントローラ = ケーブル接続<br />(交換には本体[[筐体|本体筐体]]を開ける必要あり)
|外部接続端子 = 15ピン拡張コネクタ
|オンラインサービス = ファミリーコンピュータ<br />ネットワークシステム
21行目:
}}
 
'''ファミリーコンピュータ''' (''Family Computer'') とは、[[1983年]][[7月15日]]に[[任天堂]]より発売された[[家庭]]用[[ゲーム機]]である。[[メーカー]][[希望小売価格]]は14,800円。型番はHVC-001(HVCは'''H'''ome '''V'''ideo '''C'''omputerの略)。略称・略記は「'''ファミコン'''」、「'''FC'''」。現在ファミリーコンピュータのゲームは[[Wii]]の配信サービスである[[バーチャルコンソール]]でもプレイできる。
 
== 概要 ==
32行目:
 
== 仕様 ==
[[ロムカセット]](カートリッジ)によりゲーム[[Read Only Memory|ROM]]内容を交換できる方式である。
* [[CPU]]:CPU:[[リコー]]製RP2A03([[6502]]にサウンド用[[デジタル-アナログ変換回路|DAC]]および[[Direct Memory Access|DMA]]転送機能を追加し、[[二進化十進数|BCD]]演算機能を削除したカスタムチップ。1.79[[MHz]]動作)
* [[音源]]:上記のとおり、CPUに組み込まれている。[[#音源|下記の項目に詳述。]]
* ビデオ用PPU:[[リコー]]製RP2C02
** ラスタ検出可能(0番スプライトの表示ラインによる)
* ワーキング[[Random Access Memory|RAM]]:2K[[バイト_(情報)|バイト]](16Kビット[[Static Random Access Memory|SRAM]])
41行目:
* 表示[[ピクセル|画素]]数:横256ドット×224ライン(内部は240ライン)
* 色表示性能:52色
** 指定できる64色のうちの有効色。中途半端な数なのは、[[NTSC ]]信号を直接生成する方式のため。基本13色×輝度4階調
* 同時発色数:25色
** [[スプライト (映像技術)|スプライト]]用、BG用それぞれ4パレットで、1パレットは4色で構成されるが、うち1つは全パレット共通色(スプライトの場合は透明色)となる。8パレット×3色+共通1色=25色
*スプライト(オブジェクト([[スプライト]]):サイズ8×8ドット 1画面中に64枚表示可能(水平には8枚まで)
** スプライトの[[キャラクタ (コンピュタ)|キャラクター]]パターン(グラフィック)は64種類定義できる。
** オブジェクスプライトは、水平・垂直反転可能。
** オブジェクスプライトの表示位置は、BGの手前か後ろかを選べる。
* BG画面:256×240の領域を2画面(追加VRAMにより最大4画面)
** 内部的には256×240の領域を4つタイル状に並べた画面を構成し、そのうちスクロールレジスタによって指定された256×224の領域が表示できる。ただし、本体内のVRAMは2領域分しか用意されていないので、ロムセッリッジ内の結線によって縦または横方向に[[ミラーリング|ミラー]]される。したがって、ロムートリごとに縦スクロールをするか横スクロールをするかによって、都合のよい方を選択している。ソフトから切り替えられるようにしたロムセッリッジもある(MMC(下記MMCの項を参照)。また、ロムセッリッジ内にVRAMを追加し、4領域をすべて使用することもできる。
** BGキャラクターはスプライトと同じく8×8ドットを256個。ただし、スプライトとは別にBGキャラクタセットを持てる。
** 色は、16×16ドットの範囲ごとにパレットで指定。
* [[ACアダプタ]]端子、[[RF端子|RF出力端子]]
** [[コンポジット映像信号|NTSCコンポジットビデオ端子]]端子は発売当時は装備していたテレビが少数だったこともあり、搭載されなかった。
** [[RGB]]は出力していない(PPUをRGB出力を持つRP2C03、RP2C05へ交換した上で配線を引き出すなどの改造が必要)。
* 1ch/2chチャンネルセレクトスイッチ(RF出力先)、ゲーム/テレビ切り替えスイッチ
* これらの機能を説明するための漫画が同梱されている(初期にはなし)。
* 15ピン拡張コネクタ - [[ジョイスティック]]、[[キーボード_(コンピュータ)|キーボード]]、[[光線銃シリーズ|光線銃]]などが接続可能、独自規格。初期を除きカバーが付属。
* カートリッジイジェクトスイッチ、電源スイッチ(スライド式)、リセットボタン、コントローラ×2(本体[[筐体|本体筐体]]内コネクタにて接続)
<gallery>
画像:RP2A03E.jpg|CPU RP2A03E
67行目:
=== コントローラ、マイク ===
[[画像:Famicom_controllers.jpg|thumb|right|200px|改良後のコントローラ外観]]
[[十字キー|十字ボタン]]、A/Bボタン、START、SELECTボタンを備え、その後の[[ゲーム機]]の[[コントローラ]]として標準的な形となったコントローラを2つ持つ。初期に製造されたコントローラーはABボタンが四角い[[ゴム]]製だったため、連打がきかず、ゴムがちぎれてボタンが抜けるため、後に丸い[[合成樹脂|プラスチック]]製のものへと改良がなされた。また、この四角ボタンの最初期の出荷分(発売日頃)に関してはコントローラーのケーブルとRFスイッチのケーブルが灰色になっている。コントローラをはじめとして、赤と白を基調とした本体のカラー配置の基準は、当時最も安価な部材の色が赤と白だったことに由来する。コントローラは本体に直接接続されているが、交換用に店頭で販売もしており、本体を分解すれば自分で交換することもできる。
 
コントローラII(通称IIコン)には[[マイクロフォン|マイク]]を搭載しており、ある一定以上の大きさの音声が入力されているかどうかをソフト側で判別できた。この機能を利用した主なゲームには『[[バンゲリングベイ]]』、『[[スターラスター]]』、『[[たけしの挑戦状]]』、『[[ゼルダの伝説]]』、『[[ドラえもん_(ファミコン)|ドラえもん]]』、および[[ファミリーベーシック]]などがある。しかし、これも故障の原因となることがあった。また、本体の製造時期によってON・OFFの判別が逆にされたため、ゲームに有効な形でこの機能を利用するのは困難であったといわれる。後に発売されたAV仕様ファミリーコンピュータでは、この機能は削除された。
 
[[2005年]][[9月13日]]に任天堂より発売された携帯ゲーム機、『[[ゲームボーイミクロ]]』のカラーバリエーションの一つである『ファミコンバージョン』は、このコントローラーのデザインが元になっている。また、[[クラブニンテンドー]]会員専用景品としてIIコンバージョンのフェイスプレートも存在する。これをファミコンバージョンに装着すればIIコンバージョンとなる。
 
コントローラーのボタンの数(十字キーを4キーして8キー)は、現行のゲーム機のコントローラと比較して決して多くない(例えば、[[プレイステーション3]]では16キー+アナログ2軸)が、当時、これらの数のボタンをテレビ画面を見ながら一度にどうやって操作するのかという論争が一部のゲーム専門誌の中にあった。
 
=== 音源 ===
[[ファミリーコンピュータ|ファミコン]]に搭載されている音源は、CPU内に組み込まれている。
 
以下、ファミコン音源の仕様と、実際のゲームでの使われ方を挙げる。
83行目:
** [[デューティー比]] 3:1、1:1、1:3、1:7切り替え
** 音量を15段階に設定できる。減衰音の使用もできるが、ほとんどのゲームソフトではソフトウェア的に音量を変化させて表情をつけていた。
** 主に[[メロディ]]ライン、[[サブメロ]]ディに使われた。
* [[三角波]]発生装置 1系統
** 4bit波形
89行目:
** 理想的な三角波と比較してかなり歪んだクセのある音が鳴るが、むしろそれが独特の印象を与えている。
*** いわゆるファミコン互換機ではファミコン三角波のこれら特徴を再現していないものが多い。
** [[ベース]]ラインに使われる事が多かったが、高域では[[正弦波]]に近い音に聞こえるので、[[木管楽器]]系の印象を出すためのメロディラインにもよく使われた。
*** 『[[星のカービィ 夢の泉の物語]]』ではベースでもメロディでもなく、主にサブメロに用いていた。
* ノイズ発生装置 1系統
** 擬似[[ホワイトノイズ]]・短周期ノイズ切り替え、周波数変更が可能。
107行目:
*** 『[[暴れん坊天狗]]』の[[ハイスコア|ベストスコア]]表示時のBGMは、DPCMのサンプリング音のみで構成された型破り的な[[譜面|スコア]]だった。
* ミキサー
** ファミコンはROMロムートリとの入出力ピンが1つアナログ信号用に使われていて、これがそのまま音声出力にミックスされる仕組みとなっている。
** このため、ロムートリ側に音源を搭載することで、音については自由に拡張できた([[チップチューン]]も参照)。これを利用したものは以下のとおり。
*** [[ファミリーコンピュータ ディスクシステム|ディスクシステム]]の[[波形メモリ音源]]
*** 一部[[コナミ]]製ゲームの追加音源 - 『[[悪魔城ドラキュラ|悪魔城伝説]]』などで使われた[[VRC VI]]・[[ラグランジュポイント (ゲーム)|ラグランジュポイント]]のVRC7に内包した2オペレータFM音源。VRCについては下記MMCの項も参照。
*** 一部[[ナムコ]]製ゲームの追加音源
*** [[ジャレコ]]の『[[燃えろプロ野球]]』の「しゃべる」審判員
*** [[ベネッセコーポレーション]]の教材[[スタディボックス]]
 
生成された音声は、ミキサーを通した後、さらにRFに変換されて出力される(ニューファミコンではオーディオ端子に出力)。この回路や部品が本体の製造時期によって異なるため、同じファミコンであっても本体によって音量バランスや高音域などの出方が異なる。製造期間が長いゲーム機ならではの現象とえる。
 
なおRF変換の際に高音域がかなり減退しているため、AV出力されるニューファミコンではだいぶニュアンスが違って聞こえる。一部ゲームメーカーの[[サウンドトラック]]製作では音質追求のため、RF変換される前の信号を直接取り出すよう改造された本体を使って収録したという逸話もある。
124行目:
その中でも最も多く使われた方法がMMC (Multi-Memory Controller) である。MMCは、プログラムROMおよびキャラクタROMを[[バンク切り換え|バンク]]に分割し、必要に応じて切り替えるための[[ASIC|ゲートアレイ]]であり、カートリッジ内に搭載されている。MMCには実際に実用化されたものだけでも6種類が存在し、スクロール方向の制御などのPPUを補う機能のほか、[[バッテリーバックアップ]]メモリ、[[割り込み]]を発生させるタイマカウンタ([[ラスタースクロール]]などで活用される)を搭載したものなどもあった。この方式は同社の[[ゲームボーイ]]においてもMBC (Memory Bank Controller) として使用されることになる。
 
MMCと類似のICは[[サードパーティー]]各社で開発されている。特に有名なのはコナミのVRCチップである。
 
== バリエーション ==
138行目:
[[1993年]][[12月1日]]には新型機'''AV仕様ファミリーコンピュータ'''(エーブイしようファミリーコンピュータ)が発売された。当時のメーカー希望小売価格は税込7,000円。
 
この名称は他のゲーム機ではすでに主流となっていた[[コンポジット映像信号|コンポジットビデオ]]出力によるテレビ接続が可能となったことに由来する。製品の箱には'''AV仕様ファミコン'''の略称が記載された。さらにテレビCMで用いられた'''ニューファミコン'''の通称もあり、一般にはこの名で呼ばれることが多い。
 
当初は10月を目処に発売される予定だったが、RF出力からビデオ出力への仕様変更により延期された。北米にて先行発売されたNES2 ([[w:NES_2]]) では逆にAV出力が省かれ、RF出力のみとされた。
144行目:
AV仕様ファミリーコンピュータはコストダウンを図った廉価機として発売されたものの、ディスクシステムなど従来の[[周辺機器]]もほぼ全て使用でき、取り扱いも容易となったことから[[レトロゲーム]]の愛好者からは珍重された。
 
ACアダプタとテレビとの接続ケーブルは、旧型機や[[スーパーファミコン]]との共用が可能との理由で別売とされた。コントローラやAVケーブルなど旧型機に使用できないAV仕様ファミリーコンピュータ用周辺機器にはNEW FFマークが付けられた。
 
旧型機 (HVC-001) との主な変更点は以下のとおり。
161行目:
 
=== ファミコンボックス ===
'''ファミコンボックス'''とは1986年に任天堂がリリースした業務用向けファミリーコンピュータである。主にホテルや旅館に設置されており、本体に設置されているコインボックスにコインを入れると本体に内蔵されたファミコンソフトを10分または15分間遊ぶことができる。制限時間直前には警告音が鳴らされ、さらにコインを入れるとプレイ時間が追加される。付属のコントローラーと光線銃はNESから流用され、ファミコンボックスのソフトもNESのカセットになっている。
 
1990年には後継機として業務用向けスーパーファミコンのスーパーファミコンボックスがリリースされた。
 
== 非公式互換機 ==
本家のファミリーコンピュータシリーズの生産が終了した後にも、家庭や中古市場には大量のソフトウェア資産が残された。32bit機が全盛の時代となってもこれらソフトウェア資産の再生用途向けにファミリーコンピュータの非公式な互換機が登場している。既に任天堂が保有していたファミリーコンピュータ関連の[[特許]]は消滅しており、法的な問題はないと主張されている。半導体の生産コストの大幅な低下により、実売価格が4,000円を切るほどになっている。もっとも、全てのソフト・周辺機器との互換性があるわけではなく、音源に関しては拡張音源が演奏さなかったりdutyデューティー比が反転している等の問題もある。もしファミリーコンピュータとの完全互換を目指して開発すれば、それなりの価格となるであろう。また、これらの中には発売当時に断念された[[スーパーファミコン]]との互換機を兼ね備えたものも存在している。
 
== 周辺機器 ==
 
=== 任天堂純正 ===
* ACアダプタ HVC-002 - [[スーパーファミコン]]共用 本体同梱
* RFスイッチ HVC-003 - 本体同梱
* RFスイッチ NUS-009 - [[スーパーファミコン]]、[[NINTENDO64]]共用。本来はNINTENDO64の周辺機器
* 75Ω/300Ω変換器 HVC-004 本体同梱
* [[光線銃シリーズ]]
213行目:
[[画像:Unlicensed Famicom ROM cassette.jpg|thumb|right|200px|非公認ファミコンソフト]]
[[画像:Unlicensed Famicom ROM cassette 2.jpg|thumb|right|200px|パッケージデザインの盗作]]
ファミコンは、当時のその影響力の大きさから早期より普通名称化し、テレビゲームそのもののことを指す代名詞として用いられた。[[セガ]]の[[SG-1000II]]や[[セガ・マークIII]]、[[日本電気ホームエレクトロニクス|NECホームエレクトロニクス]]の[[PCエンジン]]など、同時期に販売された他社のゲーム機も一部の層からは同様に「ファミコン」と呼ばれたり、後に[[ソニー・コンピュータエンタテインメント]]が発売した[[プレイステーション]]に至っても同様の層からは「ソニーのファミコン」などと呼ばれた。家庭用ゲーム機全般を「ファミコン」と呼ぶこの傾向は、ファミコンと共に育った世代を子に持つ世代や孫に持つ世代に多く見られる。2007年現在でもゲームソフト販売店を「ファミコンショップ」と呼ぶなど、ビジネス用語においては今だに「ファミコン」という言葉は残っている(→[[普通名称化した商標一覧]])。
 
任天堂は新型機となるAV仕様ファミリーコンピュータへの生産切り換えを行いつつ、日本国内においては新作ソフトの製作・販売を終えた後も本体の製造を続けていたが、発売から20年後となる[[2003年]]の9月末、部材調達の困難等を理由として生産を打ち切った。累計販売台数約1935万台の大ヒット商品となった。
 
また、日本を除く[[東アジア]]を中心に任天堂へライセンス料を払わずに、日本で発売されたファミコンソフトをそのまま違法コピーしたものやスーパーファミコン・PCエンジン・[[アーケードゲーム|アーケード]]などから勝手に移植されたゲームなどの[[海賊版]]ファミコンソフトが出回っていることも実情である。なかには日本製ゲームの[[包装|パッケージ]][[デザイン]]をそのまま[[盗作]]している物まである。このほとんどは[[中華人民共和国|中国]]または[[韓国]]などで製造されている。
 
[[2011年]]に[[地上デジタルテレビジョン放送|地上波デジタル放送]]への移行が行われる事によって、アナログ[[TVチューナー|アナログチューナー]]付きのテレビが市場から姿を消す事が予想される。ファミコンはアナログテレビの電波信号を使って視聴出力する仕組みであり、[[デジタルチューナー]]には対応していないので使用する事ができなくなる。これは他のRF接続にしか対応していないレトロゲーム機でも起きる問題である。
 
アナログテレビ放送と同じ[[コンポジット映像信号]]を扱える[[RCA端子]]が備わっているテレビであれば、RF出力の信号をコンポジット出力信号に変換する周辺機器を使う(例えば、[[家庭]]にある古い[[ビデオデッキ]]などを変換用に使うなど)か、新たに回路を組んでコンポジット映像信号を取り出すことで使用が可能になる。もしくは、コンポジット映像信号を出力可能な[[#AV仕様ファミリーコンピュータ|AV仕様ファミリーコンピュータ]]を使う方法もあったり[[任天堂]]の次世代ゲーム機[[Wii]][[バーチャルコンソール]]を使う方法もある。
 
[[2007年]][[10月31日]]をもって任天堂はファミコンおよびスーパーファミコンのサポートを打ち切った。24年もの長きに亘り修理などの依頼は受け付けていたが、本体の製造同様部品調達が困難になったことなどが理由とされている。
 
== ヒットした要因 ==
ファミリーコンピュータが発売された1983年当時、日本での[[コンシューマ]]機は既に世の中に普及しつつあった。[[エポック社]]の[[カセットビジョン]]、[[セガ]][[SG-1000]]、[[トミー]]の[[ぴゅう太]]などが人気を博している。しかしながらファミリーコンピュータは当時において高いスペックと遊戯性の高さから大ヒットし、競合する他社はその後、遂にその牙城を崩すことはできなかった。
 
今でこそ「[[カセット]]取替え式」[[ハド]]ム機本体[[ゲームソフト]]を別にするという考え方は常識的だが、それはファミコンが初ではなかった。[[1977年]]に発売された米・[[アタリ_(企業)|ATARI社]]のゲーム機[[Atari_2600|Video Computer System]]がそれである。発売と同時に大人気を博しながらもその30億ドル市場にあやかろうとするサードパーティー製ソフトの粗製造による質の低下が原因でユーザからの支持を失い、一気に[[マーケット]]が1億ドルにまで萎んでしまった。世に言う「[[アタリショック]]」である。
 
当時、任天堂山内社長は上記の事を真剣に捉えており、「少なくとも他社が一年は追随できないもの物を作れ」との命令のもと開発がスタートした。当時のコンシューマ機はパソコンの[[ICチップ]]を流用したものがほとんどで、表現、処理性能に乏しく、ファミコンの様にICチップをゲーム機専用に開発しようと考えたのは任天堂のみであった。低価格で販売できたのもカスタムチップの供給元[[リコー]]に「二年で300万台保障する」と提示し、これが大きな[[コスト]]削減に繋がったからである。発売半年で47万、翌年で165万台を売り上げた。
 
当時の販売戦略として次のようなものがあった。
240行目:
:多彩なソフトをどんどん発売、ラインナップを図る。ユーザーが常に新しいソフトを欲しがるようにする
 
[[キャラクター]]を定着させたのも大きな要因である。[[マリオ (ゲームキャラクター)|マリオ]]や[[ドンキーコング]]など、現在でも新作の開発や旧作の移植され続け人気がある。更に[[ライセンス]]契約制度(審査、製作本数の制限、ソフト生産の委託)を実行、任天堂は世界的企業へと成長していった。
 
== 関連項目 ==