「七度狐」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
70行目:
「ちょっとお頼の申します」
 
そこは山寺だった。中に入ると[[尼]]さんがいて、話をすると快く泊めてくれた。しばらくして…
 
「何もありませんが、『ベチョタレ雑炊』でもあがりませんか。」
 
「へえ。腹空いてますねん。ありがとうさんで。・・・」
 
食べて見るとどうも変な味である。きけば、赤土の出汁に藁が入っているという奇妙な物。
 
「もう、よろしい。これで、左官入ったら腹ン中壁出来るわ。」と早々に切り上げる。
 
しばらくして…。
 
「泊った早々、こんなことお願いして何でございまんねやが、実はちょっとお二人に留守番がお願いしたいんで」
 
何でも、下の村で高利貸しのおさよ後家という婆さんが亡くなって、死後もお金に執念があるのか化けて出るので成仏させに行くというのだ。
 
「寺も宵の口は寂しゅございますが、夜が更けると幽霊で賑やかになります」