「オーア (紋章学)」の版間の差分

語源を加筆, +cite
(en:Or (heraldry) 2007-12-09 20:31 (UTC) より翻訳と加筆。著者:Marnen, EncycloPetey, Uncle G, Andros 1337, Tamfang ほか)
 
(語源を加筆, +cite)
'''オール'''([[英語|英]]、[[古フランス語|古仏]]:Or)は、[[紋章学]]における[[金色]]を表すティンクチャーであり、「金属色 (metals) 」と呼ばれる種類のティンクチャーに属する。なお、ティンクチャーとは紋章学における紋様の要素である原色・金属色・毛皮模様の総称である。オールは、極めて頻繁に[[黄色]]としても描かれ、通常黄色で金色を置き換え可能であると見なされている。
 
古典的な白黒の印刷物や[[硬貨]]の刻印をはじめとする彫刻では色を表すことができないため、ペトラ・サンクタの方法 (System of Petra Sancta) と呼ばれる手法では、オールは点のパターンを用いて表されるか、さもなくば '''or.''' という文字、又は '''o.''' という省略形で示されることがある。
 
== 解説 ==
=== 語源 ===
オールという言葉は、[[元素記号]]の「 Au 」と同様に[[ラテン語]]で「[[金]]」を意味する aurum に由来する。これが[[古フランス語]](資料によっては中期フランス語)に取り入れられ、その後[[中英語]]にも取り入れられた<ref>{{cite web | url = http://dictionary.reference.com/browse/or | title = or - Definitions from Dictionary.com | work = Dictionary.com | publisher = Lexico Publishing Group, LLC | language = 英語 | accessdate = 1月6日 | accessyear = 2008年 }}</ref>。
 
=== 記述 ===
紋章記述の中で時折「ゴールド」が「オール」の代わりに使われているが、これは紋章記述の中で Or という言葉が繰り返されるのを防ぐためか、その紋章記述が最初に書きとめられた時にこの代用が流行していたためか、あるいは当時の紋章官によって好まれたためかのいずれかの理由によるものと考えられている。オールは[[接続詞]]の「or」と混同しないために頭文字が大文字でつづられていることも頻繁にある。
 
歴史上のいくつかの紋章ではオールの表現において[[金箔]]が用いられていたこともあり、オールを適用すべき[[盾]]の部分に貼り付けられていた。しかし、この金箔を貼った部分は、何百年という時間を経るうちに変色し、赤みを帯びてくる<ref name="kobuchi">{{cite web|url = http://www.asahi-net.or.jp/~vz4s-kubc/tincture.html | title = TINCTURES | date = 1996-10-20 | author = 河渕慎一郎 | language = 日本語 | accessdate = 12月30日 | accessyear = 2007年}}</ref>。その結果、元々はオールを意図していた領域であったのか、元から原色の[[ギュールズ (紋章学)|ギュールズ]]や[[テニー (紋章学)|テニー]]を意図していた領域であったのかを識別することが困難になることがある。このような状況では、オールは通常、原色の隣りの領域に適用されているので、金箔が赤くなることで原色の隣りに更に原色である[[赤]]や[[橙]]があるように見えてしまい、ティンクチャーの原則に違反しているように見誤らせてしまう。紋章学では、戦場で個人を特定するという当初の目的から遠くからでも見分けられる視認性が重視されており、視認性を低下させる原色の隣りに原色又は金属色の隣りに金属色という配置は原則として禁じられている。
 
=== 有名な違反適用例 ===
==== 有名な違反 ====
[[Image:Blason Jérusalem.png|thumb|140px|エルサレム王の紋章]]
金属色に金属色を重ねてはならないという原則が守られていない例を右に示す。これはエルサレム王の紋章だが、銀地([[アージェント (紋章学)|アージェント]])に金色(オール)の十字が描かれている。紋章学で必ずと言って良いほど引き合いに出される典型的で有名な違反である<ref name="kobuchi"/>。原則が守られていないことは誰の目にも明らかだが、原則が定められる前にこの紋章が作られてていたため、特例として認められている。原則はあるものの、紋章学ではこのような例外がいくつかある。