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→‎生活史: 変態の過程全ての段階で有毒
分布、形態、生態、人間との関係、参考文献の項目作成
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{{生物分類表
|{{生物分類表/昆虫綱}}
|名称 = ドクガ
|画像 =
|画像キャプション =
|{{生物分類表/昆虫綱}}
|目 = [[チョウ目|鱗翅目]] [[w:Lepidoptera|Lepidoptera]]
|科 = [[ドクガ科]] [[w:Lymantriidae|Lymantriidae]]
|属 = [[w:Euproctis|''Euproctis'']]
|亜科 =
| = '''ドクガ''' ''EuproctisE. subflava''
|種 = '''ドクガ'''
|学名 = ''Euproctis subflava''
|和名 = ドクガ<br/>(毒蛾)
|英名 =
}}
 
'''ドクガ'''(毒蛾 ''Euproctis subflava'')は、[[動物|動物界]][[節足動物|節足動物門]][[昆虫類|昆虫綱]][[鱗翅目]][[ドクガ科]]に属す分類され[[]]の一種
 
== 分布 ==
'''ドクガ'''(毒蛾 ''Euproctis subflava'')は、[[鱗翅目]]・[[ドクガ科]]に属する[[ガ]]の一種。
[[北海道]]、[[本州]]、[[四国地方|四国]]、[[九州地方|九州]]
 
==特徴 形態 ==
全長オス1.4-1.7cm、メス1.9-2.2cm。翅は褐色で、前翅に濃色の縦縞と先端部に黒い斑点が2対入る。
 
幼虫の体色は黒く、背面にオレンジ色の筋模様が入る。2齢以降の幼虫は鋭い毒毛を持つ。成虫や蛹に毒毛は生えていないが、幼虫の毒毛が付着(成虫はメスの尾毛、蛹は繭)しているため触れると毒毛による被害を受ける。
もっともよく見られるガのひとつ。全体的に黄色く、前翅に黄褐色の帯が縦に入る。[[成虫]]一個体におよそ数百万本の毒針毛があり、刺されると皮膚炎を起こす。2~3センチほどの大きさで、灯火にも来る。<br/>
=== 毒 ===
[[チャドクガ]]は[[ツバキ科]]植物を主体に食うため市街地でもよく発生するが、本種はどちらかというと山村や新興住宅地などに多い。
毒毛が皮膚に触れると、赤く腫れあがりかぶれる。かゆみは数週間続く。
 
== 活史==
二次林等に生息する。成虫の発生期は6-8月。
[[ブナ科]]、[[バラ科]]植物を好む。[[北海道]]から[[四国]]、[[九州]]にかけて生息し、成虫は初夏から盛夏にかけて発生。時期には大量発生することも多いが、口吻がないので栄養摂取ができず、一個体の寿命は長くない。
 
食性は植物食で、幼虫は[[カキ]]、[[コナラ]]、[[サクラ]]等の植物の葉を食べる。成虫は何も食べない。
[[幼虫]]は黒地にオレンジ条を持ち、白く長い毛が生える。この毛は無毒だがこれ以外に幼虫は体表に微細な毒針毛を有しており、うっかり触れるとこの微細毛が皮膚に刺さって毒にやられる。また幼虫は蛹化の際に繭の内側に毒針毛を塗りたくるので、不用意に繭を扱うとまたこの毒針毛にやられる。
 
繁殖形態は卵生。卵にも成虫の尾毛から毒毛が付着し、そのため孵化後まもない幼虫も毒毛が付着する。幼虫の状態で集団越冬する。
羽化した成虫は幼虫時代に繭の内側に塗りたくったこの毒針毛を全身に浴びて毒虫と化す。またメスは産卵直後の卵の上にこの毒針毛を塗りたくるので、卵も不用意に触れてはならない。つまりは変態の過程全てが有毒であり、卵、幼虫、繭、成虫のいずれをとっても飼育や駆除には注意が必要である。
 
== 人間との関係 ==
上記の植物を食害する害虫。また都市部等でも植樹等に生息し触れる、もしくは風に毒毛が飛ばされることで直接触れなくても毒毛による被害を受けることもある。被害を受けた場合は毒毛が皮膚に深く刺さらない様に患部をかきむしったりせず、セロハンテープ等で付着した毒毛を取り除いたり患部を冷水で洗い流す。駆除した生体は放置すると風により毒毛が散布される可能性があるため、土に埋めるのがよい。
 
== 関連項目 ==
* [[ドクガ科]]
 
*[[バラ科]]
== 参考文献 ==
* 『原色ワイド図鑑3 昆虫I』、学習研究社、1984年、87、91頁。
* 『小学館の図鑑NEO 昆虫』、小学館、2002年、140頁。
 
[[Category{{DEFAULTSORT:ガ|とくか]]}}
[[Category:ガ]]
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