「共犯」の版間の差分

 
==共犯の処罰根拠==
共犯がなぜ処罰されるのかということが盛んに論じられている(ここでいう共犯とは、狭義の共犯(すなわち教唆犯と幇助犯)を含むことが前提であるが、さらに共同正犯を含めるかについては争いがある。)。これを'''共犯の処罰根拠'''の問題という。共犯の処罰根拠についての学説の分類には争いがあるが、ここでは、代表的な五分説を説明する。もっとも、これはドイツにおける分類であり、必ずしも日本における学説状況とは対応しない
 
=== 責任共犯説(責任共犯論、堕落説) ===
 
**'''純粋惹起説'''(独立性志向惹起説)
:共犯自身が違法かつ有責に法益を侵害することが処罰根拠であるとして、正犯の違法構成要件該当性は不要とする(違法性は要求する見解が多い)。[[限縮的正犯概念]]を前提として正犯と共犯の区別を行為類型の差に求め、[[要素従属性]]が緩和されるだけでなく、正犯なき共犯をも認める(拡張的共犯概念)。日本では関西系の結果無価値論者に支持者が多い。従来は[[共犯独立性説]]に立つ近代派([[牧野英一]]ら)によって支持されていた。
 
**'''修正惹起説'''(従属性志向惹起説)
:共犯が正犯とともに法益侵害結果を惹起したことに処罰根拠を求める。共犯自身が違法かつ有責であるだけでなく、正犯が構成要件に該当し違法かつ有責に法益侵害結果を惹起することを要求する。共犯制限従属形式を堅持するため、不法共犯論との差異はほとんどないと言われる。我が国では、これを元に要素従属性を緩和する見解(「第三の惹起説」と呼ぶ論者もいる。)が有力に唱えられている
 
**'''混合惹起説'''
:共犯が処罰されるのは正犯の構成要件該当性及び違法性を前提とした(制限従属性)共犯自身の違法性に基づくとする。法文([[教唆犯]]「犯罪を実行させた」、[[幇助犯]]「正犯を幇助した」)にも忠実なため、現在最も有力な見解である。
 
== 共犯の本質 ==
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