「漢字」の版間の差分

このうち、1から4までが文字の構成原理(造字原理)であり、5,6は運用原理といえる。運用原理をもう少し具体的にいうと、1から4までによって作られた文字を、他の語に用いる(転用する)ときの方法のことである。「転注」に関しては『説文解字』も説明不足で例文も少ないことから、その解釈をめぐって現代にいたるまで定説がなく、議論が続けられている。六書の考え方は、漢字以外の文字の説明にも用いられている。
 
== 日本漢字音 ==
漢字は中国語の1[[音節]]を表す。中国語の音節構造は「(子音)+母音+(子音)」である。[[英語]]のように多重子音はない。また母音は3重母音まである。
 
中国の伝統的な音声言語学である[[音韻学]]の分類では、語頭子音・ゼロ子音を'''[[声母]]'''
、母音または母音+語尾子音を'''[[韻母]]'''という。さらに、中国語は1音節の音の高低で意味を区別する[[トーン言語]]であり、この音の高低の違いを'''[[声調]]'''という。つまり、漢字音は「声母」「韻母」「声調」(略して声・韻・調)の三つの要素によって構成されると考えられた。
 
古代の漢字音の情報は、詩など韻文にある[[押韻]]や漢字を韻母別に分類した「[[韻書]]」によって得られる。これにより漢字音は『[[詩経]]』の押韻に代表される'''上古音'''、[[7世紀]]の韻書『[[切韻]]』に代表される'''[[中古音]]'''、[[14世紀]]の韻書『[[中原音韻]]』に代表される'''近世音'''に分類されている。
 
古代漢字音復元の基準とされているのは中古音であり、日本の漢和辞典にも反切や詩韻で中古音が示されている場合が多い。'''[[反切]]'''とは韻書や古典の注釈書で使用されている漢字音表記法で、前の漢字の声母と後ろの漢字の韻母と声調を組あせて表記する。たとえば「漢」は「暁翰」、「字」は「従志」であり、「漢」は「暁」の声母と「翰」の韻母と声調を、「字」は「従」の声母と「志」の韻母と声調を組み合わせた音であったと推測される。
 
反切の声母の代表として使う漢字を'''[[字母]]'''と呼ぶ。字母は'''[[五音]]'''にもとづき[[唐]]では三十字母、[[宋]]では'''三十六字母'''が整理された。韻母に関しては『切韻』を宋代に増補改訂した『[[広韻]]』では'''二百六韻'''が韻目に立てられたが、時代や地域を無視してたくさん作られていると言われている。その後、[[金 (王朝)|金]]の[[王文郁]]の『平水新刊韻略』が立てた'''[[平水韻]]'''106韻がその後の[[漢詩]]の押韻にとっては規範とされた。
 
=== 日本漢字音 ===
 
日本においては、ひとつの漢字には多くの異なる発音があることが多い。また、ある発音を持つ漢字が多数あることも珍しくない。
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