「赤福餅」の版間の差分

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餅を[[餡|漉し餡]]でくるんだもので、漉し餡には三つの筋が付き、五十鈴川の川の流れを表しているとされる。(実際には、餅を作った職人の指の跡である)餅は傾けて持ち帰ると崩れることがあるほど非常にやわらかい。当初は、[[砂糖]]が貴重品であったために[[塩]]味の餡であった。[[1727年]]、[[江戸幕府]]の8代[[征夷大将軍|将軍]]、[[徳川吉宗]]が砂糖の原料となる[[サトウキビ]]の栽培を奨励し、砂糖の生産高が増えたことから、赤福も次第に[[黒砂糖]]餡を使うようになった<ref>「[http://web.archive.org/web/20070703013856/akafuku.co.jp/akafukuknows/his1707.html 赤福のはじまり]」 [[ウェブアーカイブ|WebArchive]]による保存</ref>。<br/>
[[1911年]]([[明治]]44年)、[[昭憲皇太后]]([[明治天皇]]の[[皇后]])が神宮参拝の折、赤福餅を注文した。赤福は、甘みと灰汁の強い黒砂糖餡では、「皇后[[陛下]]のお口に合わないのではないか」と案じ、[[上白糖|白砂糖]]餡の特製品を献上した結果、無事好評を博したという。この結果、一般販売にも白砂糖餡を使うようになり、現行の赤福餅が完成した。赤福では、昭憲皇太后の注文を受けた[[5月19日]]を「ほまれの日」と定め、包装紙にも「ほまれの赤福」と称するようになった([[#消費期限及び製造日、原材料表示偽装事件|消費期限及び製造日、原材料表示偽装事件]]発覚後、営業再開した新パッケージでは「ほまれの」を削除)。しばらくの間は、黒砂糖餡を「赤福」、白砂糖餡を「ほまれの赤福」として販売していたが、その後後者に統一された。
 
「ええじゃないか」のテレビCMと「赤太郎」というキャラクターで知られ、現在は、[[中京圏|中京]]・[[近畿地方|近畿]]圏のJR線主要駅や[[近畿日本鉄道|近鉄]]沿線の特急停車駅、[[サービスエリア]]、百貨店、空港売店で発売されているなど、広範囲に及ぶ(遠くは神戸市内での販売もある)。この販売エリアは伊勢神宮の信仰が特に強い地域とほぼ等しいという説もあり興味深い。基本的に直営店と在庫を管理する営業所の近辺に限られるが、大阪及び名古屋営業所は偽装問題の改善策として製造部門の廃業届けにより、大阪、名古屋では多くの販売所が閉鎖撤退方針。また、全国の物産展では大変な人気があるという。また、茶店風の店が伊勢神宮内宮前のおかげ横丁にあり、夏場は「あかふく氷」という、抹茶氷に赤福餅を入れたもの、冬場は赤福の餅と餡を使った「[[汁粉|ぜんざい]]」が供される。
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濱田益嗣会長の辞任後、[[12月14日]]に[[玉井英二]]を新会長とするなどの新人事を発表した。しかし、濱田典保社長は留任した(ただしそれ以外の濱田一族は取締役を退任)。また、赤福は[[11月12日]]にJAS法を根拠とした東海農政局の指示に従って、改善報告書を提出した。『中日新聞』は報告書の開示を求めたが、東海農政局は目次などを除き大部分を塗り潰して公開し、また添付資料の公開には応じなかった。東海農政局は、「赤福の競争上の地位や利益を害する恐れがある」「公にすることが前提となれば、(企業が記述する)報告書の内容が不十分になる恐れがある」などの理由を挙げた<ref>[http://www.chunichi.co.jp/article/feature/akafuku_gisou/CK2007122102073987.html 「競争上、赤福の利益に害」 農政局が黒塗り“公開” 2007年12月21日] 『中日新聞』</ref>。
 
神宮への[[初詣]]でにぎわう[[正月]]はかき入れ時だが、[[2008年]]正月の営業再開は断念した。ただし、おかげ横丁運営の「伊勢福」など、関連企業のほとんどは通常営業である。赤福は冷凍設備の撤去や、老朽化した設備の改修などを進めている。三重県に、1月中に完了の報告がなかったため、営業再開は2月の見込みとなった<ref>[http://www.chunichi.co.jp/article/feature/akafuku_gisou/CK2008012202081493.html 営業禁止解除は2月に 赤福、改修完了未報告で 2008年1月22日] 『中日新聞』</ref>。偽装発覚前、赤福餅は直営21店、委託(駅、サービスエリア、土産物店など)307店で販売されていた。営業再開後、当面は直営21店のみでの販売を予定している<ref>[http://www.chunichi.co.jp/article/feature/akafuku_gisou/CK2008012402081971.html 赤福再開、21店に限定方針 当面、本店と直営のみ 2008年1月24日] 『中日新聞』</ref>。1月25日、改善作業の終了を伊勢保健所に報告。1月28日より、伊勢保健所は営業解禁に向けた最終確認のため立ち入り検査を開始し行った<ref>[http://www.asahi.com/national/update/0128/NGY200801280002.html 赤福本社工場、保健所が立ち入り検査 改修工事完了で 2008年01月28日10時11分] 『朝日新聞』</ref>、[[1月30日]]、営業禁止処分は解除された。赤福は、[[2月6日]]の営業再開を発表した<ref>[http://www.jiji.com/jc/c?g=ind_date2&k=2008013100919 2008/01/31-19:51 赤福、6日に営業再開=偽装発覚から3カ月] 時事通信</ref>。<br />
[[2008年]][[1月3130日]]、三重県は赤福に対し営業禁止処分を解除した。これを受けて[[2月6日]]、本店・内宮前支店・五十鈴川店の、伊勢市内の直営3店で営業を再開した。なお、他の店舗での販売の再開、並びに地方配送・百貨店等での特別販売については、「取引先の要請があれば<ref>[http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2008020102084010.html 赤福、6日に営業再開 本店など伊勢の直営3店で 2008年2月1日 朝刊] 『中日新聞』</ref>」準備をすすめ次第、逐次再開するとしている。
 
しかし、前会長の益嗣は、いくつかの会合で、「新会長は飾りもので、二、三年もすれば、自分が会長に復帰する。自由の身のいまの間に、関連会社をばんばん作る」と発言したという<ref>[http://www.isenp.co.jp/tokuhou/tokuhou246.htm 〝偽装〟偽装の再建?  ― 赤福の営業再開問題] 『伊勢新聞』</ref>。
 
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また、2007年[[12月11日]]、同じく関連企業の「[[益屋本店]]」も賞味期限切れの和菓子を販売していたことが判明。特に、本店の喫茶スペースで販売された和菓子は9割が賞味期限切れだった。同社は[[12月7日]]付で和菓子販売の廃業を届け出て、会社の清算を表明したため、三重県は処分を見送った。
 
[[2008年]][[1月31日]]、三重県は赤福に対し営業禁止処分を解除した。これを受けて[[2月6日]]、本店・内宮前支店・五十鈴川店の、伊勢市内の直営3店で営業を再開した。なお、他の店舗での販売の再開、並びに地方配送・百貨店等での特別販売については、準備をすすめ次第、逐次再開するとしている。
 
== 関連企業 ==