「ユナイテッド航空629便爆破事件」の版間の差分

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'''ユナイテッド航空629便爆破事件'''(-こうくう629びんばくはじけん、[[英語]]:'''''United Airlines Flight 629''''')とは保険金目的に乗客殺害を意図して航空機を墜落させた航空テロである。しかしながら犯人は保険金を受け取ることなく逮捕・起訴され、そして[[死刑]]が[[執行]]されることで罪を清算した。
 
== 事件の概要 ==
 
[[1955年]][[11月1日]]、[[アメリカ合衆国|アメリカ]]大陸を横断する[[ニューヨーク]]発[[シアトル]]行きの[[ユナイテッド航空]]629便(ダグラス[[DC-6]]旅客機 登録記号N37559)は経由地である[[コロラド州]][[デンヴァー]]から[[オレゴン州]][[ポートランド (オレゴン州)|ポートランド]]に向けて離陸しておよそ10分後に突如空中爆発し機体は広い範囲に四散した。これにより乗員乗客44名が犠牲となった。
 
爆発した箇所が燃料タンクがないところであり、また機体の残骸から航空機燃料ではない化学成分が爆発したと見られる痕跡や乾電池の破片などが発見され、爆破[[テロ]]であった疑いが濃厚になった。
 
== 犯人の動機 ==
乗客の身辺を捜査した結果、[[連邦捜査局|FBI]]は母親が乗客として搭乗していたデンヴァー在住の23歳の[[ドライブイン]]経営の男性、ジョン・ギルバート・グレアムを逮捕した。グレアムの自白によれば母親のデイジー・キング夫人に持たせた荷物のなかに[[ダイナマイト]]25本に起爆装置を取り付けたものを入れ、母親にかけた総額37500ドルの[[生命保険]](空港内の保険自動販売機で購入。皮肉なことに彼女の署名がないため効力がなかった)と母親の財産目的に犯行におよんだというものであった。
 
グレアムがそのような無関係の人々を巻き込む犯行をしたのも、航空機事故を装えば自らの犯行であることが露見しないと考えたからであるが、科学的捜査の前で全て明るみに出た。そのためコロラド州の裁判所は彼に母親に対する殺人についてのみで死刑を宣告し、[[1957年]][[1月11日]]に[[ガス室]]で罪を償うこととなった。