「義勇兵」の版間の差分

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'''義勇兵'''(ぎゆうへい、英:volunteer)とは、正規軍に所属せず、自発的に戦闘に参加した[[戦闘員]]を指す。[[戦時国際法]]によって一定条件を満たせば交戦者の資格を認められ、[[捕虜]]になった場合などに正規兵と同様の保護を受ける事が出来る。正規軍に属する[[志願兵]]や、政府の関与で組織される補助的な軍事組織としての民兵([[ミリシア#「民兵」と解釈されるべきミリシア|民兵]]とは区別されるが、これらもしばしば[[士気]]を鼓舞する目的などで「義勇兵」と称される場合がある。
 
なお、他国の[[紛争]]に表立って介入できない国が、正規軍の一部を「義勇兵」と称して派遣することもある。また、義勇兵のみで、或いは義勇兵を中心にして組織される軍隊・部隊は「'''義勇軍'''」と称される。これについても、名目と実態とが一致しない場合がある。
 
== 義勇兵が多く参加した戦争 ==
=== スペイン内戦 ===
[[スペイン内戦]](1936年~1939年)では、人民戦線軍と反乱軍の双方に多くの義勇兵が参戦した。特に人民戦線側の「[[国際旅団]]」は多くの文化人が参加したために有名で、[[アーネスト・ヘミングウェー]](『[[誰がために鐘は鳴る]]』)や[[アンドレ・マルロー]](『希望』)、[[ジョージ・オーウェル]](『カタロニア賛歌』)などがいた。いずれもその体験をモチーフにした作品を残している。
 
反乱軍側では、[[アイルランド]]などからの義勇兵があった。有名なものとして「[[コンドル軍団]]」があるが、実態はドイツの正規軍部隊で名目的な義勇兵・義勇軍だった。
 
=== 冬戦争 ===
[[フィンランド]][[ソビエト連邦]]間で発生した[[冬戦争]](1939年)では、フィンランド側に多くの義勇兵が参加した。特に[[スウェーデン]]は正規軍の派遣要請は拒絶しながらも、多くの義勇兵を送り出し、中には名目的な義勇軍としての正規軍将兵も含まれていた。
 
=== 東南アジアでの独立戦争 ===
[[第二次世界大戦]]直後、当時[[植民地]]化されていた[[インドネシア]]や[[ベトナム]]で発生した独立戦争では、旧[[日本軍]]の[[脱走#軍隊における脱走|脱走兵]]独立運動に義勇兵として参加した。当時、旧日本軍全体の方針としては原則として中立を保ち、場合によっては[[宗主国]]側に立って戦闘行動を行うこともあった。したがって、独立運動組織への武器提供なども禁じられていたが、一部の旧日本兵は武器を携えたまま脱走して義勇兵と化した。[[インドネシア独立戦争]]に参加した旧日本兵は2000人に及ぶといわれる。(''詳細は[[インドネシア独立戦争#日本人とインドネシア独立戦争]]参照'')
 
=== アフガニスタン内戦 ===
[[アフガニスタン侵攻 (1979)|ソ連軍のアフガニスタン侵攻]](1979年~1989年)の際には、多くの[[ムスリム]]志願兵が[[ムジャーヒディーン]]の一員としてイスラム側に参加した。20カ国以上から約20万人が参加したとも言われる。
 
=== その他 ===
* [[ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争|ボスニア紛争]]:ムスリム志願兵が[[ボシュニャク人]]陣営に参加した。
* [[ミャンマー]]の[[カレン族]]闘争
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== 名目上の義勇兵 ==
* [[コンドル軍団]] - スペイン内戦でドイツが派遣。
* [[フライング・タイガース]] - [[日中戦争]]でアメリカが派遣。正規軍ではないが政府の手厚い後援を受けた。
* [[青師団]] - 第二次世界大戦でスペインが枢軸国支援するため派遣。正規軍部隊ではなくドイツ軍指揮下で師団に編成された。
* [[中国人民志願軍]] - [[朝鮮戦争]]で[[中華人民共和国]]が朝鮮半島に派遣したもので、志願軍(義勇兵)は中国本土への攻撃を避けるための名目にすぎず、実際には[[中国人民解放軍]]の正規部隊だった。しかもこの部隊は[[督戦隊]]により絶望的な突撃をさせるものであり、自発性という観点からも義勇兵とは呼びがたいものだった。
 
== 関連項目 ==
* [[志願兵]]
* [[ミリシア]]
* [[ハーグ陸戦条約]]
* [[ゲリラ]]
* [[ムジャーヒディーン]]
 
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