「むすひ」の版間の差分

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宮中で祀られていた[[宮中八神]]のうち5神にも、神名に「ムスヒ(ムスビ)」が含まれている。うち2神は神産日神(カミムスビ)と高御産日神(タカミムスビ)で、あとは玉積産日神(タマツメムスビ)、生産日神(イクムスビ)、足産日神(タルムスビ)である。玉積産日神は[[古語拾遺]]の「魂留産霊」と同神で、「タマツメ(タマトメ)」は魂を体に留める([[鎮魂]])という意味である。生産日神の「イク」は「イキ」(生き、息)と同根で、むすひの働きを賛える語である。足産日神の「タル」は、その働きが満ち溢れている(足りている)様子を示す。
 
[[カグツチ]]の別名に「ホムスビ」(火産霊)がある。[[イザナミ]]は火の神カグツチを生んだことで陰部を火傷して亡くなった。それを怒った[[イザナ]]はカグツチを斬り殺すが、その際に多数の神が化生している。多数の神を生み出す神ということで「むすひ」の神なのであるが、ここから「むすひ」の、死んでもなお多くの命を生み出すという、生命の連続性の象徴という意味が見えてくる。「連続」とはすなわち「結び」(むすび)である。同様のことは、日本書紀における[[ワクムスビ]]にも見られる。ワクムスビも死んでから多数の殼物などを生み出している。
 
「むすび」の3つ目の意味として「掬び」がある。これは「水を掬って飲む」という意味である。[[折口信夫]]は「水を掬ぶとは、人間の体の中へ霊魂を入れ、結合させることである。それを行った人間は非常な威力を発揮する。つまり、水の中へ霊魂を入れ、それを人間の体の中に入れるというのが産霊の技法である」と述べている。すなわちこれは[[禊]]のことである。