「加糖練乳」の版間の差分

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'''加糖練乳'''('''加糖煉乳'''、'''加糖れん乳'''とも。'''かとうれんにゅう''' 英:Sweetened condensed milk)とは、[[牛乳]]に[[糖分]]を加えて濃縮させた、粘度の高い[[液体]]状の[[食品]]である。一般的には'''練乳'''と略称されることが多い。また練乳を意味する[[英語]]から'''コンデンスミルク'''とも呼ばれる。
 
== 概要 ==
「練乳」の本来の表記は「煉乳」であり、「練乳」は「煉」が[[当用漢字]]に入っていないことにともなう代用表記である。[[法令]]では「れん乳」と書かれる。
 
成分は[[乳等省令]]で「[[乳脂肪分]]8%以上・[[乳固形分]]28%以上・全ての[[糖分]]58%以下」(加糖れん乳)と定義されており、一般的な製法は、原料の[[牛乳]]に[[砂糖]]を加えて煮詰め、液体に光沢が現れたら加熱を止めて冷却し、しばらく寝かせた後に[[缶]]や[[チューブ]]に詰めている。
 
[[牛乳]][[砂糖]]を加えるのは、甘みをつけるのが第一の目的ではなく、液体化した[[スクロース|蔗糖]]を濃厚にすることで[[細菌]]の繁殖を防ぎ、保存性を高めるためであり、蔗糖が結晶せず[[ラクトース|乳糖]]が最小限の結晶となる限度まで加えられている。これは容器への充填後に[[殺菌]]するのを省くことを図ったものだが、最近の製品は[[加熱殺菌]]して出荷されている。この製法は[[1835年]][[イギリス]][[ニュートン]]が考案したのち、[[1856年]][[アメリカ合衆国|アメリカ]]の[[ゲイル・ボーデン]]が工業化に成功し製品として売り出した。
 
== 用途 ==
加糖練乳は、当初は新鮮な[[牛乳]]を得にくい場所で、[[]]で薄めて飲用にしたり、[[コーヒー]]や[[紅茶]]などに加えて飲むために用いられた。現在も、[[ベトナム]]ではコーヒーに加糖練乳を入れて飲むのが一般的で、このスタイルは日本でも[[ベトナムコーヒー]]として知られつつある。日本では一部の珈琲飲料にも使われていて、[[マックスコーヒー]]に代表されるような強烈な味の珈琲飲料を作り出したりしている。また、[[香港]]では[[香港式ミルクティー]]の一種の「[[茶走]]」(チャーザウ)や[[鴛鴦茶]]の一種の「[[鴦走]]」(ヨンザウ)として紅茶などに用いられている。
 
しかし、飲用に適した各種[[乳製品]]が簡単に入手できるようになった現在、飲用よりも[[調味料]]として[[イチゴ]]などにつけて食べたり、[[かき氷]]にかけたり、[[菓子]]や[[アイスクリーム]]を作る時の材料として用いられることが多い。また、[[糖分]]が多く風味が濃厚なことから、好んで直接食べる人も多い。
 
一時期、[[母乳]]が得られない時に[[育児]]用に用いられたこともあるが、[[乳児]]が分解しづらい[[蔗糖]]や[[乳脂肪]]が多く含まれ、逆に[[核酸]]などの不可欠な成分が不足するため、専用の育児用[[粉ミルク]]が開発された現在では避けられている。
 
== 加糖練乳にまつわる話 ==
*[[脱脂乳]]を使った'''加糖脱脂練乳'''も製造されている。
*加糖練乳に[[カルシウム]]を加えて薄く板状に固形化した[[菓子]]があり、「[[ミルクケーキ]]」という商品名をつけられている事が多い。
*[[ミルクジャム]]という名称の商品もあるが、多くは[[糖分]]によって少し[[キャラメル]]風味を持たせた加糖練乳である。
*加糖練乳の[[缶詰]]を数時間茹でることで[[糖分]][[カラメル]]化し[[ドゥルセ・デ・レーチェ]](Dulce de leche)となる。[[スペイン]]や[[南米]]でよく作られる。<!--普通生乳と砂糖からじかに作ったり、缶詰製品もあるので練乳の缶詰から作ることはそう多くないと思う。-->
*日本で[[ロッテ]]が販売しているアイスクリーム「[[レディーボーデン]]」は、加糖練乳を工業化した[[ゲイル・ボーデン]]が商標の由来である。
*[[森永乳業]]は、旧称を日本練乳株式会社、[[明治乳業]]は旧称を極東練乳株式会社といった。
 
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